JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」、
2014年7月からキハ47の気動車で運転されできました。
美しい海沿いの景色、美味しい料理、素敵な車両、そして沿線の方々とアテンダントさんの「おもてなし」が好評で、満席続きの人気列車です。
このキハ47「伊予灘ものがたり」は、今年2021年の12月27日で運転を終えると発表されました。来年春からは、新しく改造された3両編成の車両で「伊予灘ものがたり」が運転されます。
もともと老朽化した車両を改造して運転してきたので、7年間大きな故障なく頑張ってきたと感じます。
「伊予灘ものがたり」の運転開始は、2014年7月26日です。
私は約1か月後に何とか席を確保して乗ることができました。
それ以来、病みつきになって25回乗りに四国に飛びました。乗車本数は69本になります。
100本以上乗った人も10人以上いるようですから、まだまだ精進が足りない?のかもしれません(笑)
今でこそ、観光列車として人気を集めていますが、当初はまだまだ知られていませんでした。
今回は、2014~2015年の初期の「伊予灘ものがたり」が、現在と違っている点についてまとめました。
【0】車両と区間は変わらない
「伊予灘ものがたり」の車両は、2014年にデビューしてから、基本的には変わっていません。
女性専用トイレができ、トイレが2か所に増設されたくらいです。
喜多灘駅の看板も、2014年からあります。
伊予市と大洲市の境が喜多灘駅のホームにありますので、地元の五色姫・るり姫の絵が描かれていました。
【1】大洲編が9時過ぎに発車
初期の「伊予灘ものがたり」が現在と違う点の1つめは、大洲編の発車時刻です。
松山9:10発、伊予大洲10:33着です。(現在は松山8:26発)
他の3つは現在と同じで2時間より少し長いくらいですが、初期の大洲編は1時間23分と短かったのです。
高松から乗りに行くとなると、現在なら5:17発の極端に早い特急に乗ることになりますが、乗りやすさより満足度を優先した判断だと思います。
【2】伊予市・下灘・伊予長浜から乗車可能
現在の「伊予灘ものがたり」は、松山・伊予大洲・八幡浜の3か所だけ発着の指定券が買えます。
松山~伊予大洲の間は、下灘駅などで下車観光はありますが、下灘駅などから乗ることはできません。
ですが初期は、伊予市・下灘・伊予長浜から乗車・下車することができました。
実際は、伊予長浜など途中駅から乗り込む人は、定員50人の「伊予灘ものがたり」でほとんどおらず、結果的に乗降できなくなりました。このため、山側席が相席になっていたら、空いている席に移動させやすくなりました。
(↑伊予長浜駅での短時間停車で撮影)
ですから、私は何としても乗りたい際に、短区間だけでも空いていないか打ってもらったことがあります。
すると八幡浜から伊予市まで取れて乗ったことがあります。伊予市から松山までの短区間の席を取った人がいたのです。
現在は、伊予大洲以外の途中駅の乗車下車はできませんので、この技は使えなくなりました。
【3】アフタヌーンティーが無い
初期の道後編では、予約制の食事はありませんでした。
そこで、2015年4月より、アフタヌーンティーの提供が始まりました。
(2015年4月のアフタヌーンティー↑)
予約して「伊予灘ものがたり」を満喫したい、という要望もありました。
私が見た印象ですと、夕方だけあってお酒を中心に注文が多く、アテンダントさんが忙しすぎた面があったように思えます。
【4】沿線に「かかし」
伊予上灘駅付近に、「かかし」がありました。
ここでは徐行して、放送での「かかし」の案内がありました。
みきゃんもいました
途中で「かかし」は、なくなってしまいました。
【5】五郎駅、大洲城の旗振りは、まだ?
人気の五郎駅のお手振りは、運行開始直後には、まだ行われていなかったようです。
記憶にもありませんし、何かあったら必ず撮る写真もありません。
次に出かけた2015年2月には五郎駅のお手振りはありました。
大洲城の旗振りも同じです。
2014年8月の私が乗った日は、河川敷でイベントが開かれていました。
やはり観光列車が走るようになってすぐは、まだ未完成な部分があるのでしょう。
昨年から走っている「志国土佐時代の夜明けのものがたり」でも、どんどん沿線からの歓迎が定着してきています。
【6】揺れますのでお立ちにならないでください
松山駅から「八幡浜編」は発車しました。
双海編からの折り返し清掃の後ですから、乗り込んで5分ほどで発車となりました。
私は車内をまど少ししか撮っていませんでしたので、撮ろうとしたら、しばらくは揺れますのでお立ちにならないでくださいと放送で案内されました。
松山から伊予市の区間は、本数が多くゆっくり走れないから揺れるという面もあるのでしょう。
あるいは、発車してすぐはアテンダントが客にお皿を運ぶなどをする関係で、客とぶつからないようにという意図があったのかもしれません。
2014年8月の八幡浜編の食事です↑。
季節によって料理は変わりますが、器や料理の方向性は変わっていません。
【7】車内販売が現在より少ない
「伊予灘ものがたり」の車内販売品は、現在より少なくなっています。
とはいえ当時でも、一般的な観光列車としては十分な品数だと思います。
当時の写真をながめると、めりけんやの「さぬきうどん」お土産用(半生)500円が売られていたのですね。
やはり7年経つと、グッズは大幅に入れ替わってます。
常連客は、新しい品なら買いたくなるという事情もありそうです。
飲み物のメニューがこちらでした。
ビン入りの飲み物は比較的手間はかかりませんが、カクテルの類は練習が欠かせません。
スタートの時点でここまで種類があるのは頑張ったと思います。
【8】不慣れだけど一生懸命のアテンダントさん
私は当時から、いろいろな観光列車に乗ってきました。
JR九州のアテンダントさんは、腕も良いし素敵でした。
一方でこの時のJR四国の「伊予灘ものがたり」のアテンダントさんは、不慣れな面が多く、JR九州のレベルには達していませんでした。しかし、一生懸命頑張る姿に感激したのです。
2014年8月に乗った際に私はアテンダントさんに「車内販売マニアで、全国の車内販売を利用してきたけど、この列車はいいですね」と感想を言いました。すると、「販売するもので、何があると良いですか?」と逆に質問してきたのです。
このアテンダントさんは元車掌のJR四国社員で、「この観光列車プロジェットを成功させたい」という熱意があり、上層部もアテンダントからの提案を受け入れる素地があったことが分かりました。
(初期のアテンダントさんのポストカード。8人載っています)
ちょうどこの頃、首都圏の普通列車グリーン車のアテンダントでも、はじめは「ドジな新人」だったのが1年で「凄腕アテンダント」に変身したのを何度か見ていて、これは「伊予灘ものがたり」は1年経ったら凄くなるぞ、と確信したのです。
実際、全国的に高い水準の観光列車として大人気になりました。強いて言えば更に1段上の観光列車になると思っていましたが、初期の3人のアテンダントさんがJR四国の別の部署に異動してしまいましたが。
その後、アテンダントが増えていきました。
連続3本乗務となると、相当体力的にキツイので、交替で乗務するのに欠かせませんし、一定レベル以上のアテンダントさんですから接客水準は下がっていません。ただ初期のアテンダントさんの驚きと感激は、今も忘れられません
(↑2017年9月は13人です)
2021年5月現在、愛媛県が「まん延防止等重点措置実施区域」になっており、「伊予灘ものがたり」は運休中です。
現在の車両で運転される最終日・12月27日には、ぜひとも乗りに行きたいと思っています。
伊予灘ものがたりの今までの記事は、こちらです↓
「伊予灘ものがたり」が新しい車両に生まれ変わる公式発表はこちらです↓
https://iyonadamonogatari.com/info/wp-content/uploads/2021/03/2021.03.29.pdf