続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

QRコード乗車駅証明書

QRコード乗車駅証明書

 札幌・南千歳・新千歳空港の3駅にMV50型アシストマルスの精算機が設置され、1月21日よりその精算機を利用してトマム駅で発行する「QRコード乗車駅証明書」による精算を始めることを発表しました。

 「QRコード型乗車駅証明書」とは字面のとおりトマム駅に貼ってあるQRコードをスマートフォンで読み込んで表示させる乗車駅証明書です。JRグループでは初の取り組みとのことです。

 かつてはトマム駅に隣接するリゾートホテル内にJR北海道の窓口があり、JRのきっぷを発売していました。それが2015(平成27)年9月末で終了し、現在の完全無人駅状態になっています。

 近年では良好な雪質を求めて訪れる外国人観光客の利用も増えていました。紆余曲折を経て星野リゾートによる運営となってからは、冬季依存から脱却し雲海や登山といった通年型リゾートへの転換に力を入れています。JR北海道としては列車でトマムへ行く際には復路の乗車券も予め買うよう呼び掛けているそうですが、きっぷに対する問い合わせはそれなりにあったのではないかと思われます。

f:id:imadegawa075:20210504194238j:plain

トマム駅 2021/2/12

 「おおぞら10号」で極寒のトマム駅に降り立ったのはこのサービスが始まって3週間経った2月12日のことでした。自分で見て試してみないと気が済まないタチなので、「QRコード型乗車駅証明書」を確認するためトマムに寄り道しました。

f:id:imadegawa075:20210504194815j:plain

トマム駅待合室のディスプレイ 2021/2/12

 トマム駅の上りホームの待合室には停車する列車の運転状況や乗車位置を表示しているディスプレイがあります。そこにさりげなくQRコードが表示されているので、それをスマートフォンで読み取ります。

f:id:imadegawa075:20210504195228j:plain

位置情報確認画面

 スマートフォンで読み取ると、このように位置情報の使用許可を確認するアラートが表示されます。トマム駅にいないのに、どこかからQRコードの情報だけを取得しトマム駅から乗ったことにする悪用を防ぐためと思われます。 

f:id:imadegawa075:20210504195812j:plain

トマム駅トップページ

 位置情報の使用を許可し、問題なければこのようにトマム駅のトップページが表示されます。「QRコード型乗車駅証明書」をタップし次に進みます。外国人利用客に考慮し日本語以外に英語・中国語(繁字体・簡字体)・韓国語にも対応しています。言語設定のボタンで切り替えられます。

f:id:imadegawa075:20210504201605j:plain

乗車区間情報入力画面

 乗車日と行き先と人数を選択し、メールアドレスを入力します。乗車日は当日か翌日、行き先は札幌・南千歳・新千歳空港の3択で、人数は上限7人までです。私は自分で利用する分はフリーきっぷを持っていたので、最安になる小児で南千歳までにしました。

f:id:imadegawa075:20210504201422j:plain

QRコード乗車駅証明書

 確認画面を経て最終的に表示された「QRコード乗車駅証明書」です。 さきほど登録したメールアドレスにもQRコードの画像データが送信されていました。乗車後に車内改札が来たら車掌にこの画面を見せればOKです。


f:id:imadegawa075:20210330233914j:plain

「話せる精算機」初期画面 2021/2/12

 南千歳駅の精算機の初期画面です。右上の「トマム駅専用精算 QRコード」のメニューから精算を行います。

f:id:imadegawa075:20210504232206j:plain

確認画面 2021/2/12

 右下の読み取り部にQRコードを読ませると、こちらの確認画面が表示されます。トマム駅には特急列車しか停車しないので、自動的に乗車券と自由席特急券の合算で精算されます。

f:id:imadegawa075:20210504232907j:plain

f:id:imadegawa075:20210504232922j:plain

 発券されたきっぷです。どんなきっぷが出てくるか楽しみにしていたんですが、発売箇所以外何の特徴もない普通のきっぷでした。精算ですがクレジットカード決済も利用できます。これを自動改札機に通して出場します。

 利用客がスマートフォンを持っていることが大前提となりますが、使用するには特段問題は感じませんでした。ただ、今回の「QRコード乗車駅証明書」はMV50型アシストマルスの精算機のある3駅で下車する場合でしか使えません。例えば、トマム~札幌間で特急列車を利用し、札幌駅で普通列車に乗り換えて手稲駅まで乗り越す場合でも精算機で乗車券の着駅を手稲駅に変更することはできません。現実的には着駅の改札口で精算することになります。

 気になった点はトマム駅で「QRコード乗車駅証明書」を取得し、車内改札はクリアしたとしても、南千歳もしくは札幌駅で普通列車に乗り換えて無人駅や有人駅でも無人時間帯に下車されてしまうと、運賃ばかりか特急料金まで取りはぐれてしまいます。そして、現状の仕組みではこれを防ぎきれません。

 トマム駅については星野リゾートにお願いして、施設内に自由席特急券も発券できる簡易券売機を置かせてもらう方がいいような気がします。