長屋門を作る。(1)設計 | 16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージレイアウトのこと..など

16番ゲージの鉄道模型レイアウト・白縫鉄道川正線の制作記です。

 下の写真で白い楕円の位置に設置する長屋門を作ります。

 今日は設計編です。

16番ゲージレイアウト集落空撮

長屋門とは? (私の知識に基づくものです。正確な定義の引用ではありません。)

 両側に使用人の居室や納屋を設けた門のこと。武家屋敷でよく用いられたが、幕末になると、名主や富裕な農家にも建築を許可した藩もある。藩は、許可の代わりに金銭などを要求したと考えられる。

 また、富裕な農家が飢饉普請で建築した例もある。

 飢饉普請:飢饉で窮乏した民衆を普請に従事させ、労賃や穀物を振る舞うこと

 

 というわけで、農村部の長屋門は、かなり富裕な農家にしか存在しないもののようです。当鉄道で長屋門を設置する農家は、名主のような豪壮な屋敷を作るスペースがないため、地方三役の組頭の家系という設定ですから、長屋門を設けるのは、少し無理がある気もします。

 そんなことを考えなくても、作りたいものは作ればいいのですが、レイアウトの舞台設定にはリアリティを持たせたいものです。そこで、文献を読み進めると、「名主の分家に設けられた例もある。」との記述を見つけ、ひらめきました。あくまで自分を納得させるための設定ですが、当鉄道の長屋門は、「名主の三男坊が婿入りした隣村の組頭の屋敷にあり、名主が飢饉普請で建築した」ものです。

 なお、参考文献は、論文検索サイト(CINII)で探しました。

 

 設定が終われば、次は設計です。ARCADで作った設計図がコレ、図中の単位は”ミリ”です。

16番ゲージレイアウト長屋門設計

 設計に際して、形態の参考にしたのは、沼津倶楽部の長屋門と、自宅近くの三島家長屋門です。

 最初の問題は、桁行(正面から見た時の横幅)をどうするかでした。参考にした文献では、小さい長屋門でも桁行は7間とあり、三島家長屋門の桁行は6間でした。

 そこで、小さい方に合わせて、6間で設計を始めたのですが(1/87で1間を21mmとしています。)、他の建物とのバランスを考えて、少し小さくしたところ、桁行5間程度となりました。

 

 下の図は、実際に切り抜いて壁面とするものです。この上に、1×1角材や、1.5×1角材を貼り付けて柱などを表現し、STウッドと1×0.5角材で、押縁下見板 ささら子下見板 を表現します。

16番ゲージレイアウト長屋門壁面

 そうすると、柱などの部分と白壁部分との段差が大きくなってしまうので、白壁だけ別に作って貼り重ねます。下の図が白壁だけの部分です。

16番ゲージレイアウト長屋門白壁

  3Dプリンタは無理にしても、カッティングプロッタくらい導入できれば(長屋門にはあんまり役立ちそうでもないですが)、工作も早いのでしょうが、財政事情が許しません。と言いながら、本当は、手間暇をかけながら工作することが好きなのかもしれません。

 年齢のせいか、カッターナイフを当てる線が霞んで見えることもしばしばですが、早速、工作を楽しむことにいたしましょう。

 ご訪問、ありがとうございました。