矢野経済研究所が2020年7月から9月に実施した調査(2020クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究)によると、鉄道模型(ジオラマ等周辺商材含む:国内出荷金額ベース)の2020年度(2021年3月期)における市場規模は99億円(予測)で前年度比5.7%減。
コロナで市場が縮小してるんか?
 
その前はどやねん? カッコ内は前年度比
 
2019年度 105億円(△4.5%)
2018年度 110億円(△2.7%)
2017年度 113億円(7.6%)
2016年度 105億円(0.0%)
 
さらに以前の調査に遡って…

2015年度 105億円(2.9%)
2014年度 102億円
 
てなわけで、2017年度をピークに低落傾向や。
なんもコロナのせいだけやないやろ。
 
他市場を見ると、アイドル、アニメの2020年度の市場規模は前年度比それぞれ42.5%減、13.3%減になってる一方、プラモデルの2020年度の市場規模は巣篭もり需要の恩恵で前年度比6.2%増や。
しかし、アイドル、アニメ、プラモデルとも2019年度の市場規模は、8.8%、3.4%、5.0%といずれも前年度比で増加してるのが、鉄道模型とちゃうとこ。
 
鉄道模型を販売する実店舗は相変わらず減ってるようやし、取り扱いを縮小してる店舗も多そうや。
 
 
ただ矢野経済の調査結果には、疑念を抱かせる事項が最低でも2点ある。
 
ひとつめは、例えば業界大手のKATOの動向。
KATOの連結ベースの売上は、ギョーカイシによると、2019年5月期54億円、2020年5月期51億円で、2019年度の市場規模縮小と整合してるけど、KATOの2021年5月期は回復基調で増収を見込み、2020年度も市場規模縮小とする矢野経済の調査結果と矛盾してま。
マイクロエースの大負けかいな?
 
もうひとつは、国内出荷金額をベースにしてる点やね。
鉄道模型市場は、中古市場が大きく、また、イベント、レイアウト製作受託や貸しレイアウトの市場も看過できない規模になってて、これらの支出金額は矢野経済研究所の調査から脱漏してる可能性が高いやろ。
 
鉄道模型はNゲージのコレクション主体の物販支出が大半やろけど、今後は貸しレイアウトやらに代表されるサービス支出をどれだけ伸ばせるのかも市場規模拡大のひとつのポイントになるやろ。
 
昔ながらの鉄道模型店がなくなるのは時代の流れやろが、貸しレイアウトの店が増えてきてるのも時代の流れやね。