こちらは、JRで最後まで残った郵便・荷物車となったクモユニ143-1の落成・新製配置時の姿です。1981年の身延線の新性能化により、それまでクモハユニ44がになっていた郵便、荷物輸送を担当するために、斬新なワインレッドで登場しました。身延線はトンネル断面が中央線などよりさらに低かったため、山用の折り畳み高の低いPS-21を搭載しただけでなく、屋根自体も低く作られていました。この身延線のワインレッドの車両カラーは非常に斬新で良かったのですが、残念ながらJR化後、合理化がすすめられ、115系の御殿場線との共通運用化の中で湘南色に塗り替えられてしまったのは残念です。京浜急行に似ていると言えばその通りですが、京急よりちょっと落ち着いた色で上品でした。ただ当車は、身延線の荷物・郵便輸送の廃止と共に早々に身延線を離れることになり、さらに最終的にはJR東海ではなく、JR東日本に継承されることになりました。
写真を撮ったときは、新製配置されたものの、まだ運用に就く前で、富士電車区に留置されていたころでした。
因みに当車の車歴ですがWikipediaに出ていました。そこから引用します。
1981.7.7 近畿車両製造 静ヌマ配置 → 1985.3.19 新ナカ → 1986.10.27 千マリ → (1988.1 スカ色塗り替え) → 1996.12.5 長ナノ → 2019.10.15廃車
1985.3の身延線荷物・郵便輸送廃止後は上越線に移ったようですが、結局1986年11月に荷物輸送それ自体全面的に廃止となり、唯一残った房総地区の新聞輸送用として幕張電車区に移ります。しかし新聞輸送も旅客車を代用することとなり、長野運転所に牽引車代用兼職員輸送用として移りますが、職員輸送列車の廃止によって廃車となった模様です。但し、ネットの情報によると、車籍は抹消されたものの、車両自体は解体されずに残っているようです。
なお僚車は長岡移動後湘南色に塗り替えられたようですが、本車は湘南色を経験することなくスカ色に塗り替えられたということです。
なお上の写真ですが、カビが生えた上に不均等な汚れが付着していたのを、拙作の汎用色チャンネルマスク作成ツールを使ったマスクを掛けて補正したものです。後日この汚れを補正するノウハウについてご紹介したいと思います。
追記:
以下のページに上の写真の補正過程を公開しました。関心のある方はご覧いただけますと幸いです。