ゴールデンウィーク真っただ中、皆様いかがおすごしでしょうか。風薫る5月なのに、東京には3回目の緊急事態宣言が出て、あいかわらず息苦しい日々が続きます。昨年の今頃、まさかコロナ騒ぎが1年以上続くとは思いませんでした。東京オリンピック、どうなっちゃうんでしょうね・・・。

 

さて、大風呂敷を広げてスタートしたプロジェクトSHIMONADAですが、最後の投稿が昨年の12月25日、工作にいたっては昨年8月からストップしています。いかんいかん、このままだとかつてのアームチェアーモデラーに逆戻りしてしまう・・・。というわけで、この連休に一念発起、老体に鞭打って、やっとのことでシーナリー工作に着手しました。

 

とはいえ、いわゆる「地面を作る」のは20年ぶりです。まずはクローゼットの奥から、手持ちのシーナリー素材を引っ張り出してきて、整理しました。こちらはウッドランドシーニックス製品で、古いものはTotowa Hobby Shopという、ニュージャージー州の小さな模型屋で買った30年ものです。こういった素材は、天賞堂の化粧箱に入っているスポンジみたいに経年変化でボロボロになってしまう怖さがありますが、ウッドランドのそれは、みたところ大きな変化がないみたいなので、使うことにしました。ご覧のとおり、封をあけてほんのちょっと使っただけの素材ばかりなので使わないともったいないし、まあ、今回のセクションは試作という位置付けだからお気楽にやりましょう。

 

奥の左から順に、ターフのアース、イエローグラス、バーントグラス、グリーングラス、グリーンブレンド、中列の左から、コースターフのイエローグラス、バーントグラス、ライトグリーン、ミディアムグリーン、フィールドグラスのライトグーンとナチュラルストロー、前列の左からフォーリッジのライトグリーンとミディアムグリーン、フォーリッジクラスターのライトグリーンとミディアムグリーンです。いずれも日本で入手可能なはずですが、Katoのホームページをみると、あらら、ウッドランド製品の呼称ががらっと変わっちゃったのですね。余計なことをしてくれるなあ・・・。

 

余談ながら、このところ最新技法を研究していてすっかり感心させられたのが、静電気を使ったアプリケーターで草はらを表現する手法です。元祖はたぶん大昔からあるドイツのノッホあたりだと思うのですが、ウッドランドシーニック社も米国で「The Field System」という製品を展開していて、同社のホームページで作例を見るとのけぞるばかりのリアリティです。こちらがその写真です。ウッドランドシーニックス社様、いつか装置を買うから写真の無断借用をお許しください。

 

どうです。凄いでしょ。あ、小生がこれから作るのは、もちろんこんな凄いやつではないので、誤解なきように。

 

さて、小生の知る限り、もっとも簡単に地面を表現する方法は、本物の土を使うことです。何せ、本物の土ですから、安いし着色する必要もありません。以前TMS714号で説明したことがありますが、もう一度、写真入りでご紹介しましょう。

 

まずはホームセンターで芝生用の土を買います。今回買ったものは栃木県の廣田商店というメーカーのもので、お値段は16リットルの大袋が420円ですから、ノッホもウッドランドもヘキも太刀打ちできません。そのかわり、車か自転車で行かないと、かついで帰るのは不可能です。色が選べないのも難点で、20年前に買った別メーカーのもののほうが、色が明るくてよかったです。

 

空き缶を切り抜いて、嫁からもらった古いストッキングを2重にして、輪ゴムでしばりつけます。

 

土はこのように小石やらなんやらが混じっていて、とても模型に使えそうにありませんが、心配ご無用、これをさきほどのフルイにかけて、細かい粒子だけを集めます。

 

こちらがフルイを通ったもの。

 

こちらがフルイに残ったもの。

 

何度か作業を繰り返して、これだけ作りました。右上が、フルイを通らなかった「残土」です。

 

できたものをコーヒーや調味料の空容器にいれます。蓋には3㎜のドリルでたくさん穴が開けてあって、これが保存容器兼アプリケーターになります。

 

これらが地面の基本素材で、左から、今回つくった土、ターフのイエローグラス、バーントグラス、グリーングラス、それからブレンデッドターフのグリーンブレンドです。

 

従来工法だとこれらでうまくいったのですが、今回のペーパー製シーナリーにはうまくフィットするでしょうか。いよいよ未知領域へのチャレンジ開始です。