【搭載機器も変化】東京メトロ17000系8両!17181Fが近畿車両を出場

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東京メトロでは、有楽町線開業以来使用してきた7000系の代替として、新型17000系の増備を進めています。

これまで10両6編成が登場していますが、2021年4月30日には新たに8両編成の17081Fが姿を現しました。

17000系の落成から現在

東京メトロの前身となる帝都高速度交通営団では、有楽町線開業以来7000系の増備を続け、10両34編成が製造されました。

2008年の副都心線開業に前後して車両の再編が実施され、以降は10両6編成・8両15編成が10000系とともに活躍を続けていました。

これらの代替として、2020年より新型17000系が順次落成しています。最終的には7000系と同数の10両6編成・8両15編成となっており、先行して10両編成が製造されました。

現在は17101F〜17104Fが営業運転を行なっており、17105Fと17106Fはデビュー待ちの状態です。

“生まれ”が異なる8両編成

今回落成した編成は副都心線向けの17000系8両編成で、車号は17181〜17081の8両です。車号が80番台に飛んでいる点が意外に感じる方も多そうです。

東京メトロではJR各社のように編成番号が2桁で別途付与されています(東西線07系・千代田線05系などで車両への掲出事例もあります)。

和光検車区に所属する車両では、7000系が編成番号末尾2桁の01〜34、10000系が末尾2桁+40の41〜76、そして17000系10両編成は7000系で欠番となっている21〜26を使用していました。

このため、新たに投入する17000系8両編成については残されている81〜95を名乗ることと予想されます。

5桁の車両番号の末尾に80番台が付与されたのはこの編成番号が明瞭になるようにするため・8両編成だから80番台……という分かりやすさなどから選定されたものでしょうか。

10両6編成は全て日立製作所にて製造されましたが、8両15編成は全て近畿車両にて製造予定となっています。日立製作所は半蔵門線向けの18000系の製造を続けることとなります。

今回は近畿車両にて製造されたため、徳庵駅から吹田操車場まではDE10形の牽引となりました。

日立製作所で落成した車両は下松駅から綾瀬駅まで全行程が電気機関車での牽引となるため、この組み合わせは初となります。

新たな搭載機器で更に効率化

日立製作所で製造された10両6編成の1次車からの変化点として、今回の8両編成となった2次車では「固定子巻線の銅損を削減するため、極数を6から8極とした永久磁石同期電動機を採用」(日本機械学会 交通・物流部門ニュースレター=外部PDF)とされています。

PMSM=Permanent Magnet Synchronous Motor。永久磁石同期電動機。従来のかご型三相交流誘導電動機に比べてエネルギー損失が少なく、力行・回生ブレーキ効率向上から導入事例が増加。東京メトロでは02系更新車・16000系から採用

東西線07系の07-706号で試験搭載が続けられていた日立製のVVVFインバータ制御装置(フルSiC)と日立製PMSM(8極)の構成とみられており、従来車の三菱VVVFインバータ制御装置(フルSiC)と東芝製PMSM(6極)の構成から変更されています。

SiC=炭化ケイ素。鉄道車両の走行機器類においては、絶縁性の高さから従来のケイ素以上の省エネ効果が期待できる半導体として採用事例が増加。機器内のうち「逆導通ダイオード」のみをSiCとしたものを“ハイブリッドSiC”・「スイッチング素子」もSiCとしたものを“フルSiC”と呼び分けされる。

日立で製造された車両は日立製の機器ではなく、近畿車両で製造された車両が日立製の機器……となっている点は少しややこしい印象です。

特に鉄道車両機器でのSiC技術採用については三菱電機の実用化が早くシェアもリードしており、出遅れた印象もあった日立製作所からより高効率な8極方式の採用で一気に巻き返すかもしれません。

搭載機器に興味がある方は、日立製作所公式ホームページ内の“日立評論”(外部リンク)で07系での試験搭載結果が詳しく記されています。

“テツ”目線では、走行音が従来車と大きく異なることとなりますので、試運転からデビューまでの動向が楽しみなところです。

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