NO.2470 大きな被害を受けています、肥薩線寸断区間探訪記(その1、概要・始終着駅八代駅編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 画像は、熊本県八代市から人吉市を経まして、多良木町・水上村まで流れております「球磨川」であります。

 

 この球磨川と言いますと、「日本三大急流」とも呼ばれる川でもありまして、画像のように普段は穏やかな姿を見せますこの川も、大雨や増水時になりますと激しい姿を見せる川に変わりまして、まさに「暴れ川」としての姿に変貌する事のある川でもあります。

 

 この球磨川沿いには、八代~人吉間にはJR肥薩線が、人吉温泉~湯前間にはくま川鉄道もありまして、多くの観光客や通勤・通学客がこれら路線を利用しまして、沿線の足としての姿を見せてきておりました。

 

 特にJR肥薩線に関しましては、画像のように「SL人吉」が運行されておりましたり、「かわせみ  やませみ」や「いさぶろう」・「しんぺい」と言った観光列車も運行されておりまして、旅客需要はそう高くはありませんが、観光需要としてはこれまでも見られておりましたので、実際にそう言った列車が運行されて来ておりました。

 

 (8620形58654号蒸気機関車+50系客車「SL人吉」)~平成26年撮影

 

 (キハ40系気動車「いさぶろう」・「しんぺい」・「かわせみ やませみ」)

 

 

 しかし、昨年7月に発生しました「令和2年7月豪雨」では、その球磨川流域の肥薩線・くま川鉄道が「暴れ川」となった事から非常に大きな被害を受けておりまして、肥薩線を運行します普通列車は全て運休、肥薩線を運行しておりました観光列車に関しましては、「いさぶろう」・「しんぺい」・「かわせみ やませみ」は現在博多~門司港間で臨時運行されておりますし、「SL人吉」に関しましても5月1日より熊本~鳥栖間で臨時運行される事が決まっておりまして、本来の路線で運行されなくても肥薩線沿線を応援するための姿が見られております。

 

 

 さて、私は昨年12月に人吉市に出向いておりまして(NO.2411他参照)、その際人吉在住の同僚と会う前に市内周辺を回っておりました。画像は人吉駅でありますが、発着する列車がない事もありまして、非常に寂しい姿が見られていたのが印象的でもありました。

 

 (改札前)

 

 (駅の外から)

 

 画像は、自由通路から見ました、JR人吉駅・くま川鉄道人吉温泉駅構内であります。いずれの路線も発着列車がない事もありまして、ホームは時が止まりまして、線路は錆が互いに見られておりました。そんなこの駅も、「令和2年7月豪雨」では留置しておりましたJR・くま川鉄道の車両ともエンジンまで冠水しておりましたが、この訪問時にはそう言った面影も見られなくなっておりました。

 

 

 こちらはJR肥薩線人吉~大畑間、くま川鉄道人吉温泉~相良藩願成寺間に架かる山田川橋梁・鬼木踏切であります。球磨川の支流にあたりますこの川も、豪雨時には冠水していたそうでありましたが、運行されなくなりますと、画像のように雑草まで生い茂るまでになっておりまして、こちらでも時が止まった姿が見られておりました。

 

 

 さらに、くま川鉄道人吉温泉駅の奥に目を向けますと、くま川鉄道のKT-500形気動車「田園シンフォニー」の車両が見られておりましたが、先述のように全車両エンジン部分まで冠水する被害が起きておりました。その後、修理の上でエンジンが回復した車両もありますし、くま川鉄道自体も今後一部区間で再開予定との報道もありまして、復旧に向けた動きはこの事業者では見られている事が伺わせております。

 

 

 そして、レンガの機関庫でもあります人吉機関庫であります。この機関庫も「SL人吉」の休憩場所でもありますし、他の車両の休泊場所でもありますが、この時にはキハ140 2039・キハ220-1102の姿がありましたが、後にキハ140 2039は廃車となる事が、キハ220-1102は修繕される事がそれぞれ決まっておりまして、明暗が分かれる結果になっておりまして、これらはいずれも3月末にこの人吉機関庫から出まして、小倉総合車両センターへ陸送の上で運ばれております。

 

 (左から、キハ140 2039・キハ220-1102)~これらは3月に小倉へ陸送されております

 

 

 さて、ここまで現在までの概要を昨年12月訪問時よりご紹介しましたが、今回から4回にわたりまして、肥薩線の八代~人吉間の現状を皆様にご紹介してまいりますが、今回は起点駅でもあります八代駅を中心に皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回の訪問は、昨年12月に同僚の所に訪問しました際に、私が同僚に述べました言葉からさかのぼります。

 

 コウ 今度いつか八代~人吉間もどうなっているか見てみたいね。

 同僚 コウ、行くのはいいけど、本当に酷いからな、俺も秋に行ってあまりのひどさにショック受けたよ。

 コウ そんなにひどいの?

 同僚 そうだぞ、本当にコウもショック起こすかもね、だから行くならば覚悟しといた方がいいからな。

 

 そして、同僚との調整の末、去る4月6日に行く事になりまして、八代駅で同僚と合流する形で、同僚の車で八代駅から人吉市内まで行く事になったのでありました。

 

 

 画像は、肥薩線の起点駅でもあります八代駅であります。今回の行程では、博多駅から熊本駅まではNO.2468でもご紹介しました「流れ星新幹線」で来まして、熊本駅から八代駅までは画像の817系電車運行の列車でやって来ておりました。

 

 (別の時撮影)

 

 

 同僚が高速道路を経由して人吉からやって来るまで、私は八代駅構内で撮影を行っておりましたが、上の画像の駅舎は平成31年2月に新たな駅舎となっておりまして、以下画像の旧駅舎としますと見た目も大きく変わっているのもわかります。

 

 (平成21年撮影)

 

 

 画像はその八代駅のホームです。手前から1番ホーム・中線を挟んで2番ホーム・3番ホームとなっておりまして、鹿児島線、そして休止中の肥薩線が停車しますJR側は2面3線の形となっております。

 

 (熊本方)~手前から1~3番ホーム

 

 (人吉・鹿児島方)

 

 

 そんな中に、「肥薩線0起点」の看板は1番ホームの所にありまして、この駅が肥薩線の北側の起終点でもありまして、隼人駅までの124キロもの距離のスタート駅としての姿が見られております。けれども、ご紹介しておりますように現在肥薩線は寸断されたままでもありますのでそれを考えますと残念かなとも思う所でもあります。

 

 

 また、今回は肥薩おれんじ鉄道側もご紹介します。この肥薩おれんじ鉄道側のホームは、JR1番ホームから延長した形になります1番ホーム、そして行き止まり式の0番ホームとが存在しております。

 

 また、出札口がJRと肥薩おれんじ鉄道別々となっております。線路がつながっていましても、やはり経営が違う訳でもありますので、そう思いますとJRとは別になっている事がわからなくはないのではないかとも思います。

 

 肥薩おれんじ鉄道八代駅のホームです。画像は1番ホームでありますが、このホームは基本的にJRからの直通列車が入るようになっておりまして、隣駅の新八代駅までの列車もおれんじ鉄道側のホームに停車するようにもなっております。ちなみに、肥薩おれんじ鉄道線に乗り入れております787系電車で運行されております観光特急「36ぷらす3」は、毎週木曜日に2番ホームに停車するようになっております。

 

 そして、こちらが頭端(行き止まり)式ホームでもあります0番ホームです。平成16年に肥薩おれんじ鉄道に移行するまでは、この0番ホームが肥薩線の発着ホームでもありまして、実際に肥薩線の列車が発着しておりましたが、現在は八代駅発着の肥薩おれんじ鉄道の列車が折り返すようにもなっております。

 

 

 そして、画像奥がJR貨物八代駅の貨物ホームであります。この八代駅には、上の画像の煙突からもわかりますように、隣接しまして日本製紙の工場がありまして、それらを中心としたコンテナを取り扱っております。また、貨物列車もこの駅発着列車あれば肥薩おれんじ鉄道線経由の鹿児島方面の列車も運行されておりまして、貨物列車としても中間駅としての姿が見られております。

 

 (熊本貨物発八代行き4099レ)~詳細はNO.2445参照

 

 

 では、ここで八代駅の時刻表を見てみますが、鹿児島線に関しましては1時間に2~4本の列車が運行されておりますが、肥薩線に関しましては現在はタクシー輸送で八代駅~坂本駅間、一勝地駅~人吉駅間と分かれて運行されておりまして、運行自体も朝夕のみ、そして使用車両も赤囲いにありますように5人乗りのセダンタイプで運行されている事から、それだけ通勤・通学利用者向けで運行されている事がわかりますし、一般客の利用も正直難しくなっている事も伺わせております。

 

 (タクシー運行の告知案内)

 

 (タクシー輸送時刻)

 

 

 今回は、その1としまして、ここまでの概要、そして肥薩線起終点駅でもあります八代駅に関しましてご紹介しましたが、鹿児島線・肥薩おれんじ鉄道としての駅の印象は見られておりますが、肥薩線の駅でもあるという姿が見られなくなっているのは、寸断されましてから9ヶ月経っている事を思えばわからなくはないのではないでしょうか。また、最後に述べましたようにタクシー利用でしか行く事ができなくなっておりまして、しかも5人乗りのタクシーで途中駅までの利用でしかできないのも残念でもありましょうか。とにかく、次回以降人吉駅までの現在の姿をご紹介してまいりますので、最後までご覧いただければとも思っております。