キハ600はキハ610より面長だったというお話

 

 鹿島鉄道キハ600形と関東鉄道キハ610形はいずれも鉄道省キハ42000形として産まれたことを前回記しました。厳密なことを申すとキハ610形キハ611だけは国鉄キハ42500形として産まれましたが、車体形状は同じです。

f:id:me38a:20210421234844p:plain

図1 鉄道省キハ42000形

 さて、キハ600形は両運転台で客室扉ステップ付、キハ610形は片運転台で客室扉ステップなしという違いはありますが、顔は同じ…と思ってよく比べてみると少し表情が異なるようです。

f:id:me38a:20210421234912j:plain

写真2 鹿島鉄道キハ601

f:id:me38a:20210421234930j:plain

写真3 関東鉄道キハ613

 まずキハ600形(写真2)ですが、客室前後扉と客室中央扉の間の車体下端と、乗務員室部の車体下端を比較すると、後者は前者より少し低くなっています。次にキハ610形(写真3)は車体下端が一直線になっており、客室前後扉と客室中央扉の間の車体下端と、乗務員室部の車体下端は同じ高さです。キハ600形にしてもキハ610形にしても客室部は改造されていないので、上記の差異は乗務員室部の高さの差ということになります。つまり、キハ600はキハ610より若干面長ということです。

 さらによく見るとキハ610形は妻面窓の下端がキハ600形より少し高いようです。

 同じ顔だと思っていましたが、改めてよく見ると違いが見つかるものです。どちらが美しいかということになると何とも申せませんが…

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…