続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

肥薩おれんじ鉄道通過連絡

肥薩おれんじ鉄道通過連絡

 JRと肥薩おれんじ鉄道の連絡運輸は八代接続と川内接続があります。ごく初期に新水俣接続と出水接続もありましたが、需要がなかったのか短期間で廃止されています。

 肥薩おれんじ鉄道を間に挟む通過連絡運輸の設定は開業以来ありませんでしたが、博多~鹿児島中央間を肥薩おれんじ鉄道を通過するルートで運転される特急「36ぷらす3」(赤の路)の運転開始に伴い、九州内発着を条件に新たに設定されました。

 「36ぷらす3」(赤の路)の運転開始は昨年10月15日を予定していましたが、令和2年7月豪雨(熊本豪雨)の影響で肥薩おれんじ鉄道が一部不通になったため、11月19日にずれ込みました。実質的な連絡運輸の設定は11月19日からだったと思われます。

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 こちらが「36ぷらす3」のグリーン車プランに乗車するために購入した肥薩おれんじ鉄道の通過連絡券です。経由が「八代・おれんじ・川内」となっています。おそらく、「36ぷらす3」に乗車しない場合でも条件さえ満たせば購入することはできるでしょう。

 運賃は東水巻~八代間(205.2Km)と川内~宮崎間(172.0Km)の営業キロ・擬制キロを合算し377.2Kmとなり、JR九州区間は361~380Kmの運賃テーブル6,820円を適用します。そのうえで50%の株主優待割引を適用した3,410円に、肥薩おれんじ鉄道の無割引の運賃2,670円を合算した6,080円が発売額になります。

 肥薩おれんじ鉄道はJR九州としか連絡運輸を行っていないため、このきっぷは(株主優待割引でなくても)JR九州と九州内の旅行会社の一部でしか発売できません。連絡運輸の範囲の条件を満たしていてもJR他社では発売できません。

 ただ、その情報はこの文章を書いている4月上旬時点で「36ぷらす3」の特設サイトには載っていません。(赤の路)の運転開始のプレスリリースの片隅に以下のように小さく載っているだけで(赤線の部分)、周知が不十分だと思います。

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2020年11月2日『「36ぷらす3」 木曜日ルート“赤の路”運行開始について』より

 特急券は新幹線との乗継割引はないので、九州外からの利用の場合は特急券だけJR九州のネット予約で押さえて、九州に到着してから別途通過連絡の乗車券を買うのが無難です。

 連絡運輸は会社間の契約なので仕方がない部分はありますが、「36ぷらす3」は九州外からも乗りに来る人も狙っているわけですから、こういう普通の人にはよく分からない制約はどうにか解消できないもんかと感ずるところです。肥薩おれんじ鉄道の通過連絡となる区間に限り、食事付きプランを電話受付するツアーデスクで乗車券とグリーン券を手配し、郵送してくれるサービスがあるといいんですが。