【未成線について】

叡山電鉄には数々の路線計画があったのはご存知でしょうか?

完成しなかった路線・計画されていた路線を未成線と言いますが、そのうちの一つを紹介します。

 

今回紹介する未成線は二軒茶屋〜北大路間に計画されていたものです。

実際には北大路ではなく小山という場所で、現在でいう北大路から少し北に位置する場所です。

二軒茶屋駅は叡山電鉄をご存知の方なら知っているかと思いますが、複線から単線になる駅で、二軒茶屋行きの電車も設定されるほどの叡山電鉄の中では比較的主要駅といえる駅です。

 

【少し詳しく】

二軒茶屋駅の東側(出町柳側)には少し斜めになった三角形の空き地があり、現在もそのまま放置されています。

↓(出町柳方面を撮影した写真 奥に向かって土地が続いている)

実はこの未成線で計画が確認できる遺構はここにしかありません。

数少ない遺構ということは計画はほとんど進んでいなかったと捉えられます。

実際に工事されたこともなければ土地を買収していたということも確認できませんでした。

そのためこの路線がどこを走って北大路までいくルートだったのか正確には確認することができませんでした。

ですが、以前にこのようなものが作成されていました。

少し画像を借りて紹介させてもらおうと思います。

この図は略図のためイラストのようなもので実際の地図とは全く異なりますが、

駅名と路線について確認することができます。

(ここで気になることはもう一つ山端駅から大宮までの路線についてですが、今回は触れません笑

ちなみに山端駅とは今の宝ヶ池駅のことです。今も昔の駅名標が宝ヶ池駅に残っています)

二軒茶屋

↓ 山を越える

柊野

↓ 京都産業大学

西加茂

↓ 川を渡る

大宮(山端行の路線が分岐)

小山(北大路)

の順に走行していくルートになっているように確認できます。

大宮というのは堀川通の一番端にあたる位置なので昔から人がいたのでしょうか?…

今でも大宮町という町が存在しているので、場所は北大路の北側というように考えられます。

 

【現在からみての考察】

現在、西賀茂〜柊野には京都産業大学が建っており、学生が多く通っています。

そのためこの路線があれば、地下鉄北大路駅から乗り換えると利便性がよく、

利用者も一定数いるのではないかと考えてしまうのですが…

京都産業大学の学長は以前に静かな落ち着いた土地に大学を開校したかったと述べていたことから、

叡山電鉄がこの地を走行していたら大学はこの地に建設されなかったかもしれません。

 

そのため岩倉・二軒茶屋地区の人たちが北大路・京都方面に出たい場合の利用にとどまるかもしれません。

(京都方面から鞍馬方面への観光客は多いかもしれないですけどね)

この場合、シーズン性のある路線(秋に集中する)となってしまい赤字路線になっていたかもしれません。

 

また地下鉄が北大路〜国際会館駅間に走っていることから岩倉地区の需要は地下鉄に取られてしまっていたことでしょう。

結果、現在から考えると『建設の必要はなかった』と言えます。

ですがこれは結果論に過ぎませんので実際には京都の鉄道網が変わっていたのかもしれません。

 

【最後に】

この記事ではこの辺りでお別れにしたいと思います!

未成線は自分で妄想することに楽しみを感じたりしますからね!

それではまた次の記事でお会いしましょう。お読みいただきありがとうございました。