KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2021.04.18

半世紀ぶりの大変革。

X79340.jpg

京成3000形 SRアンテナ
2020.4.5/**

▲SR無線用のアンテナを搭載した京成3000形。先頭部屋根上のグレーの突起物がそれ
X81729.jpg

北総7800形 SR簡易モニター
2021.4.17/**

▲電源が入ったSR無線用の簡易モニター。メニュー画面には、乗務員支援、運行情報などの項目が並ぶ。SR無線では文字情報を配信できるようになるため、それをこのモニターで表示するものとみられる
X81727.jpg

北総7800形 SR車上操作器
2021.4.17/**

▲こちらも電源が入ったSR無線用の操作器。写真は北総車が京成線内でIR無線を使用しているところ

4月17日、京成線と北総線において始発列車よりデジタルSR列車無線(SR無線)の使用が開始された。SR無線を使用する区間は、京成線全線(北総線と重複する区間を除く)と北総線全線、ならびに京成が運行を担当する芝山鉄道線となっている。なお、SR無線に対応していない車両などのために、従来のIR無線(アナログ無線)も引き続き使用する。

現時点で実際にSR無線を使用しているのは、アンテナなどの本設工事を終えてSR無線に対応した自社の車両のみとなっている模様である。SR無線の工事を終えていないなどで非対応となっている車両は当然のことながら従来のIR無線を使用するとして、他社局の車両はSR無線に対応していてもIR無線を使用している。

京成車と北総車もSR無線を使うのは今のところ自社線内のみに限られているようで、北総線内を走る京成車と京成線内を走る北総車はいずれもSR無線を使用していない。京成成田スカイアクセス線を走る京成車については、SR無線を使うのは印旛日本医大〜成田空港のみ。成田スカイアクセス線を走る京成車にとっては北総線と重複する京成高砂〜印旛日本医大は自社線でもあるものの、この区間の列車無線は北総管轄のためIR無線を使用する。

プレスリリースによれば今後も車両に対するSR無線工事を進め、順次使用を開始するとしている。京成車でSR無線の工事が進んでいるのはAE形と3100形、3000形(3050形含む)、3700形で、古参組の3600形と3400形、3500形については今のところ動きは見られない。SR無線に対応するかどうかはその車両を今後も使うかどうかにかかわってくるだろうから、特に後者の3形式に対してSR無線に対応するのかしないのか気になるところだ。

◆ ◆ ◆

ある列車に乗車中、たまたま乗務員室から漏れてくるデジタルSR無線の音を聞くことができた。聞こえてきたのは四万十川の清流のようなクリアな音! 雑音まじりのIR無線とは雲泥の差である。乗務員の列車無線に対するストレスは軽減されることであろう。ひいては保安度の向上につながるはず。京成線で列車無線が開始されたのは1969年10月とのことなので、デジタルSR無線の導入は半世紀ぶりの大変革と言える。

  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成電鉄「2020年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

11月10日、京成電鉄より2020年度の鉄道事業設備投資計画が発表された。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。例年は5月中旬頃に発表されている京成の鉄道事業設備投資計画だが、今年度は...

京成電鉄「2020年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる

2021年3月に運用開始を予定している京成線のデジタルSR列車無線の導入について、このほど新しい動きがあったので見てみよう。2017年度より進められている京成線の列車無線更新。これに関連して...

京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる
京成線 タブレット端末を活用した自動放送始まる

京成線に自動放送がやってきた。3月29日より、京成線で自動放送の使用が始まった。対象となるのは従来より自動放送を実施している成田スカイアクセス線のアクセス特急を除く京成本線や千葉・千原線など...

京成線 タブレット端末を活用した自動放送始まる
京成3000形など 「逗子・葉山」駅名変更に伴う行先表示の改修

3月14日に予定されている京急線の駅名変更に伴い、京成3000形などで行先表示器の改修(ROM更新)が行なわれている。行先表示器の改修について、現時点で確認できている内容は以下のとおり。合わせて...

京成3000形など 「逗子・葉山」駅名変更に伴う行先表示の改修
北総7800形7828編成 登場

2017年度も年度末に近づくにつれ、京成電鉄や京成グループで車両の動きが出てきている。北総鉄道では、7800形7828編成が登場した。7800形7828編成は京成3700形のリース車両となって...

北総7800形7828編成 登場

最新記事

京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在
京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月上旬より3400形3448編成において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行っている。佐倉市において毎年この時期に実施している観光キャン...

京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正

新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...

新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正