書籍「鉄道車両色見本帳4」 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 鉄研三田会の組織力を痛感させられた力作「鉄道車両色見本帳」の第4巻が刊行され、遂にこのシリーズが完結した。
 第4巻に収録されているのは、第三セクター鉄道、路面電車、そして専用線だ。よくぞ、この時代にこんなところまで…と感心させられる膨大な画像が収められている。
 鉄道車両の色についての貴重な資料なのだが、パラパラとページをめくるだけでも各地の思い出が蘇ってきて実に楽しい。鉄道模型愛好家の立場からあえて贅沢を言わせていただくと、車内のカラー写真も収録していただけるとありがたい。シートやカーテンの色、天井・壁・床といった車内の色が分かる資料が意外と少なく、模型で内装を作ろうとすると苦労するからだ。
 「色見本帳」という名の通り、オール・カラーでの収録なのだが、その色調がナチュラルなのが本シリーズの高ポイント。印刷物にありがちな不自然さがなく、どの写真を見ても自分の記憶にある色が違和感なく再現されているのがすごい。監修に関わった方々と出版社・印刷会社の努力の賜物だと思う。
 こうして一冊にまとまると、第三セクター鉄道の数が増えたのに驚かされる。そのほとんどが不採算路線の転換と、新幹線開業に伴う在来線の転換だが、開業当初の車両から世代交代した鉄道も多く、時間の経過を実感させられる。
 後世に残る偉業と言っても過言ではない素晴らしいシリーズ、手元に置いておく価値のある全4巻だ。