文字に惑わされてはいけない

鉄道は案内付きの道という意味

railwayの訳語として鉄道が使われます。railroadも使われます。いずれにせよ、元になる単語に鉄は出てきません。

 

wayは路(みち)ですし、roadは道です。そして、肝心なrailは軌条です。軌条のもとは溝のことで、轍(わだち)です。

 

道路を車が通った後、次第に轍ができます。道の車輪が通った部分がへこみます。轍が深くできた道を馬車などで通ると操縦を特にしなくとも轍に沿って車は勝手に筋状にへこんだ溝に沿って走ります。これが、railwayの元となりました。

 

 

 

 

railwayが鋼製のrailで作られるようになり、その後にそのシステムを取り入れてrailwayを敷設した国々では、Eisenbahnとか鉄道とかの言葉でrailwayを呼ぶようになりました。

 

実のところ、誤訳というより、railの材質のみに目を向けてEisenとか鉄という言葉を使って言葉を作ってしまった点が誤解を生む原因であり、言葉選びの失敗と呼ぶべきなのかも知れません。

 

鉄道という言葉には鉄の道という意味ではなく、新しい一つの単語としてrailwayを表すという見方ができればそれでよいのですが、鉄道と言われると、鉄の道…鉄でできていないとダメなんじゃないかと考え、言葉に囚われてしまう人が出て来てしまいました。

鉄道は全体で一つの概念を表す言葉

概念を表すというよりは見た目重視の言葉を作ってしまったために、概念が理解できず、誤解を招いてしまいました。

ただ、railを案内軌条などと長くするのは、語呂が悪くなってしまうかも知れません。

 

ロープウェイは?モノレールは?新交通システムはゴムのタイアだからどうなんだ、と悩む人が出て来てしまう原因は、ひとつの概念を表す言葉であるのに、その言葉をバラバラに分解してその意味にこだわってしまうからです。

鉄という言葉の問題

もう一つの問題は、鉄そのもの捉え方です。実際に鉄でレールを作ったら、減りは早いは、曲がるは、凹むはといろいろ不都合が生じます。

 

鉄道のレールを始め、一般に使われる鉄製とされる製品のほとんどは鋼で出来ています。鋼鉄と書かれるため、ますます混同されてしまい、鉄も鋼も変わらないじゃんか、と思われがちですが、鉄と鋼は違います。これについては長くなるので次回説明します。

交通(輸送)システムの分類…鉄道であるか見分ける

とにかく、鉄道というのは案内機能を持つ道を使った輸送システムのことであるということです。

 

ですから、ロープウェイは鉄道ですが、トロリーバスは操舵しなくてはいけませんので、バスなどの自動車の仲間となります。