今回の【駅】コーナーは、
愛知県豊川市西部(旧・音羽町)の山間部に位置する名鉄名古屋本線の駅で、駅前にはローカル風景が広がっている、
名電長沢駅 (めいでんながさわえき。MEIDEN NAGASAWA Station) です。
 
尚、「名電」を冠する駅は名電赤坂駅のほかに名電赤坂駅、名電山中駅、名電各務原駅がありますが(他に貨物駅の名電築港駅があります)、名電各務原駅を除く全駅はいずれも旧・愛知電気鉄道により「愛電○○」駅として開業しており、愛電と名岐鉄道の合併により現在の名古屋鉄道が誕生した3年後の1938年12月1日に「名電○○」駅へと改称されています(名電各務原駅の旧称は「二聯隊前駅 (にれんたいまええき)」でしたが、他の3駅と同じ1938年12月1日に現駅名へと改称されました)。
 
 
駅名
名電長沢駅 (NH 07)
 
所在地
愛知県豊川市 (旧・宝飯郡音羽町)
 
乗車可能路線
名古屋鉄道：名古屋本線
 
隣の駅
豊橋方…………名電赤坂駅
名鉄岐阜方……本宿駅
 
訪問・撮影時
2018年7月
 
 

名電長沢駅は地平駅で、上下線別にホーム、駅舎、改札口が分離されています。
改札内に上下線ホームを結ぶ連絡通路は存在せず、乗車前に行先に応じた駅舎・改札口を選択する必要があります。
踏切を挟んで手前(南)が下り1番線名鉄名古屋・名鉄岐阜方面ホームに面した南駅舎で、奥(北)が上り2番線豊橋方面ホームに面した北駅舎です。
両駅舎ともカマボコ屋根の簡易駅舎になっています。
尚、南駅舎の東側(写真右)には道路を拡張した形の簡易な駅前広場が整備されていて、豊川市コミュニティバス音羽線の停留所が併設されていて、自家用車での送迎も可能です(長時間停車には向きません)。
また、駅舎の後方には東名高速道路が名古屋本線と並走していて、壁のようになっています。
写真は駅南側より北東を望む。
 
 

下り1番線名鉄名古屋・名鉄岐阜方面ホームの西側(名鉄岐阜方)に設置されている南駅舎です。東を望む。
出入口は狭いですが、車いすが通行可能で駅外と駅舎の間に段差はありません。
駅舎の右側にはトイレがあります(多機能トイレはありません)。
右側には駅前広場があり、左側には踏切と北駅舎があります。左手には東名高速道路も写っています。
 
 

駅前(南側)の様子です。南を望む。
左側に南駅舎があり、後方に踏切と北駅舎があります。
駅周辺は住宅地で、田園も混在しています。商店は見られません。
約120m先(奥)では国道1号線が名古屋本線と並行する形で東西方向に延びています。山間部ですが片側2車線で、交通量は多いです。
国道1号の約80m先では旧東海道(県道374号線)が並行しており、沿道には昔ながらの住宅地が形成されています。
写真奥には蒲郡市との間を隔てる山並みが連なっています。
また、駅から約500m南東の国道1号沿いには豊川市立長沢小学校があり、駅から約950m南東には東名高速道路の音羽蒲郡インターチェンジがあります。
 
 

岐阜方面の南駅舎内にある改札口の様子です。東を望む。後方に出入口があります。
名電長沢駅は無人駅で、駅集中管理システムが導入されています。改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が2通路あり、左がICカード専用通路、右が磁気券兼用の幅広通路です。
改札口の右手前には『manaca』のチャージができない自動券売機が1台あります。
改札内にはICカードチャージ機と磁気券用の自動精算機があります。
入場時、ICカードの残額が不足している場合はICカードを改札機にタッチして入場し(残額0円でもタッチの上で入場可能)、改札内または下車駅のチャージ機でチャージする必要があります。
そして改札を通った先は名鉄岐阜方面下り1番線ホームで、改札とホームの段差は階段とスロープで解消していて、バリアフリーに対応しています。
尚、名電長沢駅構内に売店・コンビニはありません。駅前にもありませんのでご注意下さい。
ちなみにトイレは改札外、南駅舎の右隣にあります(多機能トイレはありません。改札内にトイレはありません)。
 
 

こちらは上り2番線豊橋方面ホームの西側(名鉄岐阜方)に設置されている北駅舎です。東を望む。
駅舎の左側には東名高速道路の高架橋が名古屋本線に並行していて、高架下には無料駐輪場が設置されています。
右側には踏切、南駅舎(トイレ併設)、駅前広場があります。
 
 

駅前の様子です。北を望む。
後方を東名高速道路が左右方向に延びており、左後方で東名をくぐった先に名電長沢駅があります。
駅北側は南側と比較して民家の数が少なく、すぐ近くまで山間部が迫っています。
奥への道路を450mほど進むと光用寺があります。その先には何もなく、山奥へと入っていきます。
また、写っていませんが左前方にそびえる京ヶ峰の中腹には巓神社があります。
 
 

こちらは豊橋方面の北駅舎内にある改札口の様子です。東を望む。
後方に出入口があります。改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が2通路あり、右がICカード専用通路、左が磁気券兼用の幅広通路です。
改札口の左手前には『manaca』のチャージができない自動券売機が1台あります。
改札内にはICカードチャージ機と磁気券用の自動精算機があります。
そして改札を通った先は豊橋方面上り2番線ホームで、改札とホームの段差は階段とスロープで解消していて、バリアフリーに対応しています。 
尚、こちら側にトイレはありません。踏切を渡って南駅舎隣のトイレをご利用下さい。
 
 

2番線ホームに設置されている吊下式の駅名標です。電照式ではありません。
名鉄標準のデザインで、駅ナンバリングも併記されています (NH 07)。
駅ナンバリング部分には名古屋本線のラインカラーである名鉄スカーレット(名鉄電車の赤色)が使用されています。
尚、駅ナンバリングの「NH」ですが、名古屋本線を意味しています。「N」は名古屋、「H」は本線です。
前述の通り当駅は1926年に「愛電長沢駅」として開業し、前身の愛知電気鉄道が名鉄になった3年後の1938年に現在の駅名へと改称されました。
 
 

名電長沢駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、東南東～西北西方向にホームが延びています。ホームは緩やかなカーブを描いています。
右(南)が1番線で下り東岡崎・名鉄名古屋・名鉄岐阜方面、左(北)が2番線で上り伊奈・豊橋方面および豊川稲荷方面です。2番線の左隣には東名高速道路が並行しています。
ホーム有効長は4両分で、6両編成の場合は後2両がドアカットになります。後方が2両編成の場合は当駅で下車できなくなるため、下りは国府駅までに、上りは本宿駅までに前4両に移動して下さい。
優等列車が高速で通過しますがホームドアは未設置です。ホーム幅は全体的に狭く、各番線とも豊橋方の端(奥)は狭くなっています。
上屋は各ホームとも名鉄岐阜方(手前側)の約1両分しか設置されていません。雨の日に当駅で下車される場合は名鉄岐阜寄りの車両にご乗車下さい(上り列車の6両編成の場合は4両目)。
各ホームにはベンチが設置されています。そして各ホームの名鉄岐阜方(後方)に駅舎と改札口があり、左右にはスロープが見えます。
また、前述の通り両ホームを結ぶ改札内連絡通路は存在しません。
写真は2番線より豊橋方を望む。
 
 

2番線より豊橋方を望む。左側には東名高速道路の築堤が壁のように並行していて、視界が悪いです。
この先、東名高速道路が左へ分かれて、山あいの農村風景の中を東南東へ走り東名の音羽蒲郡ICを通過します。その後は右から国道1号が寄り添いますが、しばらくすると右へ離れます。そして田園風景の中を東南東へ走ると右カーブが始まり、カーブの後半にホームが設置されている名電赤坂駅へと至ります。
 
 

2番線より名鉄岐阜方を望む。各ホームの端に駅舎・改札口があり、そのすぐ先に踏切があります。
この先、右手に東名高速道路を、左手に国道1号や住宅地を見ながら山間部を西北西へ走ります。やがて右へカーブしながら東名と国道1号に挟まれた中を走るようになり、岡崎市に入って進路を北に取ると高架区間になって左へカーブしながら左手に住宅地を見て走り、今度は進路を北西に変えると程なくして急行停車駅である本宿駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が名電長沢駅で下車(乗車)したのは2018年の1度きりです。名鉄全駅訪問計画の一環で下車しました(2019年8月に全駅制覇)。山中にある小駅で、乗降客は少ないです。北側に東名高速道路がなければ相当なローカル風景だったと思われます。集落は約200m南の旧東海道沿いを中心に形成されています。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、隣接する名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線・豊橋方面の快速特急に乗車します。そして東岡崎駅で普通電車・伊奈行きに乗り換えて当駅下車です。金山駅でJRから名鉄線に乗り換えてもOKです。または、東海道新幹線で豊橋駅まで行き、名鉄名古屋本線の特急に乗り換えて国府駅で下車。さらに東岡崎方面の普通電車に乗り換えて当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からは東海道新幹線or在来線(東海道本線)で名古屋駅or金山駅、または近鉄で近鉄名古屋駅まで行き、以降は上記のルートで到達可能です。じゅうぶん日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約650m南東の「ファミリーマート(国道1号沿い)」になります。1km圏内に飲食チェーン店はありません。事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京、大阪とも到達難易度はやや高いですが、名鉄名古屋本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は名電長沢駅でも途中下車されてみて下さい！
   
(参考：Google地図、Wikipedia)