初回
前回
列車は長めの運転停車をしながら少しずつ進んでいきます。
途中の駅で、ちょうど桜の木の隣に停車しました。夜の桜もいいです。
さて、備中高梁は根雨以来の正式な停車駅となっており、ここでは降りることができます。
駅に併設されている図書館は延長営業を行い、地元の特産品などが販売されていました。
同時に地元の伝統的な踊りも披露されており、まさにお祭りムード。ここで夜食やパンフレットなどを受け取り、ホームに戻りました。
するとホームではなぜか人だかりができていました。
これは、このあと備中高梁駅に到着し銀河号を追い抜く「サンライズ出雲」号を見る人だかりでした。国内では非常に貴重な存在となった夜行列車が並ぶということで、銀河の旅における一大イベントだということです。
このイベントを盛り上げるため、ホームにいた乗客や地元の方たちには、駅員さんから旗が配られました。
そしてサンライズ出雲号が入線。瑠璃紺色の銀河号に対して、暖色系でまとめられた対照的な車体です。やはり寝台特急は、いくつになってもわくわくします。
そのあとは、話しかけてくれた地元のお母さんと談笑しながら出発を待ちました。列車が出発するときにはお母さんが手を振ってくれて温かい気持ちになりました。いつかこの備中高梁駅でも降りて、色々な場所をめぐってみたいです。
そのあとも列車は暗闇の中を走り、山陽本線に入ります。
明日の朝は早いですが、寝るのはもったい気がして、夜更かししてしまいました。
2021年4月4日
目が覚めると、外はまだ暗く、列車は兵庫県の大久保駅で停止していました。
列車は再び動き出し、山陽本線を快走します。このころには空が白みはじめました。
明石海峡大橋が見えてきました。早起きした人だけが見られる特別な車窓です。
兵庫県内のターミナル駅で乗客を降ろしつつ、大阪駅へ向けて最後の力走。
『ハイケンスのセレナーデ』のオルゴールが流れたあと「みんな、ほんまおおきに!」というアナウンスがあり、大阪駅に到着です。寂しさがこみ上げてきます。
銀河号とはここで本当にお別れです。
素敵な旅をありがとうございました。
また乗りたい、心からそう思える列車です。
朝6時のまだ静かな大阪の街。しばらく感傷に浸ってしまいましたが、旅はまだ続きます。
つづく
2021年4月9日:一部修正