続・タキ11500をつくる | 書斎の汽車・電車

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 西武鉄道のバラ積みセメント輸送の主力は、総勢52輛のタキ1900形でしたが、わずか6輛の少数派とはいえ、タキ11500形も活躍していました。という話は以前にも当ブログで書きました。あの時は、タキ11500形の内でも、タキ1900によく似たグループ(11538・11539)の模型制作記事でした。今回は、タンク体が葉巻形のグループ(11508~11511)を作りましたというお話なのですが、重複を承知でもう少し実物のことに触れます。

 三菱鉱業セメントのタキ11500形は、元々九州の豊国セメント向けに製造された貨車で、葉巻形タンク体の4輛が昭和43(1968)年、タキ1900に似た2輛がその翌年にいずれも日車支店で製造され、昭和48(1973)年に三菱鉱業セメントに移籍、常備駅も黒崎から東横瀬に変わり、西武鉄道の貨物輸送の終焉まで活躍し、平成8(1996)年3月に廃車されました。

 

 前回この形式をご紹介したのは一昨年秋のことですが、あれは西武秩父線開業50年に因んでのこと、模型そのものは5年程前に完成しておりました。あの時は、とにかく自分の腕を考えてタキ1900に似たグループをつくりましたが、葉巻形タンク体の方も、いつかはモノにしてやろうと色々と検討しておりました。具体的には、タキ35000形のタンク体を切り継いではどうかということで、河合商会のタキ1輛が分解されたりしましたが、手すりをどう再現するかなど問題山積で、作業はストップしたのでした。

 

 そんな折、前回ご紹介した西武ホキフ71形の車掌室のキットを出した「とまれみよ販売所」さんから、「タキ11500 葉巻型セメントタキ コンバージョンキット」が発売されましたので、一も二もなく飛びついた次第です。

 キットにはタンク体、はしご、デカールなどが含まれており、KATOのタキ1900からは、台枠、台車、吐出口、渡り板、ウエイトを流用します。

 このキット、説明書が入っていませんが、メーカーを主宰する「喜多車輌製作所」さんのブログに詳細な組立手順が紹介されており、これに従えば失敗なく組みたてることが可能です。

 下地仕上げ、塗装を経ての組立は難なく終了。形式・番号や常備駅の表示等はキット付属のデカールを使用しました。三菱マークと三菱鉱業セメントの社名のレタリングはキットには含まれませんで、各自調達となります。私は、以前も使用した「ショップねこまた」のデカールを使用しています。前にも書きましたが、かなり古いデカールで、今回も各種デカール用マテリアルを駆使して、無事に貼ることができました。

 

 以前つくったタキ11538との2ショットです。今回は車番をタキ11511としています。

 

 こうして、長年の懸案事項だった葉巻形タキ11500が、あっという間に当社のセメント貨物列車に加わりました。E851の牽引する列車に混ぜるのが一般的な楽しみ方でしょうが、実は私がこの形式の実物を初めて見たのは、E71が5~6輛のタキを牽く軽貨物列車でした。この組み合わせも似合うのではないかと思います。そして、とまれみよ販売所の貨車、もう1形式手元にあります。こちらも長年の課題であった形式です。近日中に着手し、皆さまにお目にかけたいと思います。

 

 とにかく西武ファンならとことん遊べそうな貨車です。皆さまもぜひチャレンジしてみてください。