列車内公衆電話の終焉 | 鉄道きさらんど

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いつも列車・バスなど公共交通の事ばっか考えてます。

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041010.pdf

新幹線の公衆電話サービスが6月いっぱいで終わる。よくぞここまで続いたものだと思う。N700Sにまで設置されているがいったい誰が使うのだろうかと思っていた。

 

しかし、一昔前までは在来線列車にもあって在来線からはなくなった列車内公衆電話が新幹線にはあるのは理由がないわけではない。通信事情が在来線より優れているからである。いまだに在来線はトンネルで携帯の電波が拾えない区間ばかりだが新幹線ではトンネルで携帯の電波が拾える。携帯普及以前からLCXがあり公衆電話も区間の切れ目なく使えた。

 

新幹線の列車公衆電話システム・概要
~アナログ・デジタル LCX システム~

列車電話には、大きくわけて二つの方式があります。一つは、特急などに搭載される自動車・携帯電話システムをそのまま、流用したもの。もう一つは、新幹線に搭載される専用の LCX システムです。

 前者は、長距離/高速バスやテレビ局のロケバスなどにも設置され、見たことのある方もいらっしゃると思います。システム自体は、自動車・携帯電話網(PDC 800MHz)を利用しているだけなので、端末がテレホン・カードに対応する、という違いがあるにすぎません。

 しかし、新幹線の列車電話に限っては、専用のシステムなのです。

在来線が列車電話を撤去してもなお新幹線は全編成で公衆電話を使えるのはよかったと思う。しかし時代の流れは速く公衆電話を使う人など近年はほとんどいなくなってしまった。わざわざ新車には新品の電話機がついていたが今となっては無駄である。

 

自分は一昨年東海道・山陽新幹線乗車中にこんな光景を見た。

 

電話機が故障していてもはり紙を貼ってるだけで修理手配が遅いのか故障より数日たってもなおっていない。これでえも困る人がほとんどおらず急いで直す必要性がもはやないからだろう。恐らく補修部品もなかなか入手できないとかいう理由もあったのではないだろうか。

 

かつて、新幹線車内の電話機は電話ボックスのような個室の中に設置されていた。デッキの騒音から隔たれた壁とドアの内側で静かに通話するため。東海道・山陽新幹線だと700系まではそういう構造の電話室でN700系からはデッキにそのまま設置する構造となった。この時点で公衆電話の重要度が下がっていた。そして今はほとんどつかう人もおらず無用の長物となった。

勿論今後は駅構内・ホーム上には公衆電話が置かれるが一般の公衆電話と列車内設置の電話機は機種が違う。せっかくなら再来月までに見比べておくといいかもしれない。