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エトセトラ

2021.04.04

3月27日、京成線では新型コロナウイルス感染症の流行による深夜の鉄道利用の減少と、夜間の保守作業の時間確保を目的としたダイヤ変更を実施した1)。終電の繰り上げと始発の繰り下げが主な内容となっているが、どういった変更が行われたのか見てみよう。

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京急新1000形 1169編成
2021.3.16/新鎌ヶ谷

▲緊急事態宣言の発出に伴い1月20日からアクセス特急品川行として運転していた2324H。3月27日のダイヤ変更では京成高砂で列車が分割され、2324Haアクセス特急京成高砂行、2324Hb普通品川行として運転されることになった

ダイヤ変更の内容は以下のとおりとなっている。

終電繰り上げとそれに伴う変更(平日)
  • 2243普通京成成田行を宗吾参道行に変更
  • 2255Kb通勤特急京成成田行を快速特急に変更
  • 2307普通宗吾参道行を京成成田行に変更
  • 2313普通京成成田行を京成津田沼行に変更
  • 2391普通京成高砂行を23A03快速京成佐倉行に変更
  • 2361K通勤特急京成佐倉行を普通京成高砂行に変更
  • 2388K普通押上行〜2489K普通京成高砂行運転取り止め
  • 2337普通京成津田沼行を京成高砂行に変更
  • 21B12b回送(京成津田沼→京成高砂)運転取り止め
  • 2322普通京成津田沼行からの折返しで2323回送(宗吾参道行)を新設
京急線ダイヤ改正に伴う行先変更(平日)
  • 2252H普通三浦海岸行を京急久里浜行に変更
  • 2386H快速羽田空港行を神奈川新町行に変更
  • 2324Hアクセス特急金沢文庫行を2324Haアクセス特急京成高砂行〜2324Hb普通品川行に変更
始発繰り下げ(平日・土休日)
  • 京成高砂4時45分始発普通京成上野行→10分繰り下げ
  • 京成津田沼4時41分始発普通京成上野行→10分繰り下げ
  • 宗吾参道4時35分始発普通京成上野行→4分繰り下げ
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京成線 2021年3月27日ダイヤ変更

▲時刻表をもとに深夜時間帯の運行をダイヤグラムふうに描画したもの。左がダイヤ変更前、右が変更後。京成高砂〜京成成田で全体的に終電が繰り上がっているのがわかる。※下り列車のみ記載、回送列車は省略

ダイヤ変更については11月下旬に概要が発表されているが、概ねその通りとなっている。京成高砂〜京成津田沼で10分程度、京成津田沼〜京成佐倉で15〜20分程度、京成佐倉〜京成成田で15分程度の終電繰り上げ、京成上野〜青砥と京成高砂〜京成津田沼で10分程度、青砥〜京成高砂と京成津田沼〜宗吾参道で5分程度の始発繰り下げられた。

今回の終電繰り上げで象徴的なのは、やはり最終の通勤特急京成佐倉行(2361K)がバッサリと切られたこと。同列車は普通京成高砂行に変更される。この列車については別の記事でも紹介しているが、1992年4月ダイヤ改正で登場したもので、29年の歴史に幕を閉じることになった。その代わりに京成上野始発普通京成高砂行を区間延長する格好で快速京成佐倉行(23A03)が新設されているが、都営浅草線方面から利用する場合は青砥で乗り換えが必要となり、いささか分かりづらいのが難点。今後のダイヤ改正等で改善が求められる。

終電繰り上げに伴い行先変更等が多数生じているのに対し、始発の繰り下げは単純に列車の時刻を繰り下げる格好になった。この影響で京成上野での折り返し列車に変更が生じており、一部の運用に変更が見られる。

なお、1月20日に実施された緊急事態宣言発出に伴う終電繰り上げは、今回のダイヤ変更・ダイヤ改正に伴い京成線と京急線、北総線ではその前日の26日に終了した。都営浅草線のみ現在も継続して終電繰り上げが実施されており1)、平日2322T・土休日2334Tが所定の西馬込行から泉岳寺行に変更して運転されている。

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