転轍器

古き良き時代の鉄道情景

LPガス専用タンク車

f:id:c57115:20210403215313j:plain

 豊肥本線を行く9600やC58の牽く貨物列車は灰色の長いタンク車がよく連結されていたのを見ていた。タンク車と言えば油が積まれているものと思い込み、鶴崎の石油精製基地から熊本近郊の竜田口の油槽所に向かうものとばかり思っていた。しかし外輪山を越える貨物列車にタンク車がつながれている写真は見たことがなく不思議に思っていたが、まさか撮影場所の隣りの中判田までとわかったのは随分後のことであった。灰色のタンク車はLPガス専用ということも最近になって理解したことだ。 豊肥本線滝尾~下郡(信) S44(1969)/8/13

f:id:c57115:20210403215415j:plain

 ワムやワラばかりの黒い貨物列車の中で灰色のとても長いタンク車は異様に映ったものだ。出光興産のマークがひときわ眩しいタンク車はインパクトがあった。車票を見れば運用区間は一目瞭然であったであろうが当時はそのような感覚はなかった。 タサ5722 形式タサ5700 出光興産株式会社  豊肥本線滝尾 S45(1970)/5

f:id:c57115:20210403215456j:plain

 タサ5700はLPガス専用の20トン積タンク車で車長は17.8mもある。塗色は灰色1号が指定されている。きりの良いナンバーはタサ5700の30000番台ということであろうか。 オタサ35700 形式タサ5700 熊本石油株式会社 LPガス専用 燃G23 宇土駅常備 日豊本線鶴崎 S56(1981)/3

f:id:c57115:20210403215545j:plain

 タキ25000はタサ5700の発展形で25トン積となった。タンク体はタサ5700のようなキセと呼ばれる遮熱板が付いていない丸味のある外観である。鹿児島本線宇土・有佐・八代は化学工業が立地している。 オタキ25310 形式タキ25000 三角石油瓦斯株式会社 LPガス専用 燃G23 有佐駅常備 日豊本線鶴崎 S56(1981)/3