つい、こないだローズピンクに塗り替えられたと思っていたEF81 81。でも、7年前のことなんですね。

画像は復活塗装後の姿ではなくて、れっきとした国鉄時代のもの。しかも、牽かれる客車はジョイフルトレインではなくて、お召し列車。勿論、公式のお召し列車になります。

このお召し列車は、茨城県内で開催された国民体育大会や全国植樹祭で運転されたものではなく、昭和60年に筑波研究学園都市で開催された国際科学技術博覧会 (科学万博) に天皇陛下がご臨席されるために運転されたものです。

 

科学万博関連のお召し列車は同年4月24日、4月26日、6月25日、6月27日に運転されました。行程としては、基本的には上野-土浦間の運転だったんですが、1回だけ水戸線経由で運転されたことがありました。画像はその時に撮られたものと思われます。同じ茨城県ながら、背景がどう見ても常磐線ではないし。

常磐線を走るお召し列車ということで、EF80が候補に挙がるのは自然の理なんですけど、既に老朽化が著しく、状態の良い機関車はありません。そこでEF81に白羽の矢が立つわけですが、田端機関区配置機のEF81の中で、81号機が最もコンディションが良かったことから、お召し機に選定されたそうです。

 

お召し機らしく、整備の際、連結器や台車、手すり等々に銀色の色差しが行われただけでなく、車体側面に銀色の細線を入れました。明らかにEF58 61の○○リなんですけど、だったら、選定機も61号機にすれば良いのにと思ったのは私だけではないはず (因みに、EF81 61号機は当時、長岡運転所にいた) 。

 

以降、EF81 81は田端運転所の人気機として、寝台特急からジョイフルトレインまで幅広く運用をこなすのですが、平成2年には 「北斗星」 牽引機として、外板塗色を赤2号に流れ星デザインをあしらった、通称 「星ガマ」 に塗り替えられました。平成26年の全般検査で前述のように、外板塗色を再びオリジナルのローズピンク (赤13号) に塗り直し、銀細線も再現。しかし、 「北斗星」 は既に無く、日々の仕事は工臨の牽引とたまに 「カシオペア」 を牽くことだけで、車齢から考えたら、悠々自適の隠居生活に入ったのでしょうね。

 

JR東日本は、EF64 1000やEF65PF、EF81にDD51といった国鉄形機関車を保有している割りには、牽引相手の客車の少なさが問題視されます。ジョイフルトレインは殆ど消滅しちゃったし、稼働状態にあるのは 「ばんえつ物語」 用の12系とC61やD51が牽く旧形客車、そして波動用の12系だけでしょ。それだって、騙し騙し、直し直し使っているのが現状で、老朽化は否めません。JR西日本のように客車を新製しようとは思わないのかな? まぁ、もっとも、機関車自体も老朽化しているし、そこまで金かける必要なないと思ってるのかもしれませんね。ましてや今はコロナ騒ぎでそれどころじゃないしね。

 

【画像提供】

タ様

【参考文献・引用】

季刊 j train Vol.72 (イカロス出版社 刊)