皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。
昨日・一昨日と夜に始めたキハ58系の整備加工が日付けを跨ぐくらいまで時間が掛かり慌てて記事を書いていましたが、本日は昼間に予告編を書いていたのでゆっくりと投稿することとします。案の定日付が既に変わっています…。
Tomixさんから発売されたキハ58系盛岡シリーズのうち、最初に冷房車の急行「陸中」セットを整備し、その後2日間にかけて非冷房車2両セットのうち0番台車を2両ずつ整備しご紹介していました。本日は残りの400番代を4両一気に整備し、さらに昨年購入していた大昔の旧ロット製品の整備も併せて行うこととしました。なので時間が押してしまいました…。
今日は予告編を昼にご紹介していたのでそちらもご覧下さい。
予告編に導入部は書いていましたので早速整備したいと思います。
↑今回はTomix製盛岡色キハ58のうち、非冷房の400番代車を整備します。
↑キハ58の400番代中期車(549~654)を製品化したものです。このグループは盛岡には600台の車が多く存在しました。あまり変化が少なく加工するパターンもあまり多くありません。
↑助手席側床下には機器箱が付いていますが、この製造次数の車には付いていません(付いているのは440番まで)ので、後で切除します。
↑400番台中期車の目立つ特徴は「運転席窓バランサー点検蓋あり」「乗降ドア下部の丸窓あり」「通風器6個」となっています。盛岡のキハ58系は乗降ドア下部の丸窓は閉鎖された車が多かったので、これを再現する事にします。これは丸窓を完全に埋めたものと、鉄板等で塞いだだけの車がいました。塞いだだけのものは跡がバレバレでしたので、これを今回は再現する事とします。
↑東北や東海にはこのように塞いだ跡がバレバレの車が多く存在しました。
↑穴を塞ぐにはφ1mmのプラ棒を使用します。
↑プラ棒を適当な長さに切断し、端面を垂直に仕上げたのちに極少量の瞬接を付け、穴に差し込みます。先の写真のようにドアのツラ面から若干凹んだ位置で固定します。固着したら裏に飛び出ている部分はニッパー等で切断します。
↑こんな感じです。丸窓を埋めた車両には、埋めた部分を赤で塗り分けず真っ白の車もいましたので、今回はそういう想定にしました。(楽しただけという話もありますが…)
窓ガラスは、昨日キハ58 0番台に丸窓を開け400番台前期車を再現した際に、ストックパーツから丸窓を切り取って使っていました。つまり丸窓部を切除されたガラスパーツが余っていますので、これを今回丸窓を埋めた車に転用することでパーツを有効活用しています。
↑400番代の1両は幌付きとしました。なのでジャンパパーツを取り付けておきます。ジャンパパーツの塗装が一部剥げてしまっていますのであとでタッチアップすることにします。
↑今回の製品は400番台中期車ということで通風器6個車がモデルになっていますが、変化を付けるため2両は通風器8個車とします。
↑今回付属している列車無線アンテナ用の穴あけ治具は、通風器8個車を開けるための穴まで開いた、キハ56青帯車などにも入っていたのと同じ治具です。これを使ってアンテナ穴とデッキ上の通風器穴の両方開けることにします。
↑Tomix製通風器の凸部の径はφ1.3mmですので、φ1.4mmで開けることにします。
↑治具の「B」の部分がデッキ上通風器用の穴です。
↑無事に開きました。通風器は、ウチには昔Tomix製新ロットの非冷房キロ27を冷房化した際に発生した通風器が大量に余っていますので、これを用いました。別売されている箱型通風器でも良いと思います。
↑アンテナも取り付けて完成です。
↑後位側の通風器は特殊な形状です。これは色々なセットや単品に付いていた余りをストックしていますので、これを使うことにします。
↑これです。箱型通風器を、屋根肩の建築限界に合うように潰したような形状です。
↑何故かこれは取付穴が無いタイプですので、ゴム系接着剤で固定しました。
これで通風器8個車を再現するための屋根加工は終了です。
次に床下前位側のステップ等のパーツを整備します。
↑元の形状ではステップは幅狭でグレー成形色、機器箱付きです。しかし実際はステップの色は黒で機器箱はありません。
↑まずは機器箱をカッターナイフで切除します。切除した機器箱は、後にKATO製キハ58 0番代をTN化した時などに再利用しますので、捨てずに保管しておきます。
↑ステップは黒く塗装しました。
これで加工は終わりましたので、排障器や無線アンテナなどの付属品を取り付けて車体を組み上げて完了です。
↑これで400番台車も整備完了で、全車の整備が終わりました。
キハ58 620
↑製品の状態から何も仕様を変えていない車です。ただし前面は幌付きの向きとしたので、KATO製ジャンパパーツを取り付けました。連結器に近いので、あまり前にRを描かないように栓納めから真っすぐ下に向くようにケーブル部のくせを付けて付けています。
↑元々付いている機器箱を切除し、ステップを黒く塗った効果が出ています。この車は盛岡生え抜き仕様とし、汚物処理装置無し、スノープロウは複線用です。
↑後位側です。特に注目点はありません。
続いて2両目です。
キハ58 618
↑乗降ドア下部の丸窓を埋められた車をモデルにしていますが、この車はあまり綺麗に仕上がりませんでした…。勿体ない…。これも盛岡生え抜きなので複線用スノープロウ仕様です。
↑助手席側の床下は先の620と同改造を行っています。丸窓が埋まっています。
↑後位側です。こちらも特に丸窓が埋まった以外注目点はありません。
キハ58 709
↑製品は通風器6個の654までをモデルにした車ですが通風器8個車を再現してみました。
↑通風器を追加するのは治具もあるし簡単です。
↑通風器8個車でドア下部の丸窓が残っていた車としては709がありましたが、当車は元秋田車で実車は尾灯が外ばめ式に改造されています。しかし今回はこの部分には手を付けていません…。気合のある方は外ばめに改造されると良いでしょう。
↑後位側です。後位側も目をつむった点があり、実車は通風器が8個になった655から妻面左側にゴミ箱用の出っ張りが付いています。本当はこれを再現すると良いのですが今回は手付かずです。出っ張りを付けるだけなら0.5mm程度のプラ板を切って貼るだけなのですが、標識灯掛けが干渉してしまいます。実車でもこのゴミ箱の出っ張りが付いた655以降は標識灯の位置が外側へずれています。これが非常に面倒なのでそのまま放ったらかしにしています…。
↑後位側デッキにも通風器を設置します。キハ56やキハ58たかやま等に入っているパーツです。
キハ58 758
↑最後にちょっと変な車を1両混ぜました。ぱっと見は普通の盛岡色とあまり変わりませんが…。
↑通風器8個で、ドア下部の丸窓を閉塞した仕様の車にしています。ただし758番は新製時より尾灯が外ばめ式になったグループですが今回は加工を見送っています…。気合のある方は再現されると良いでしょう。
↑後位側の仕様は先の709と同じです。
↑スノープロウを付けていません。それはこの車は晩年キハ110系投入やキハ58系の機関換装に伴う予備車確保等の理由から、盛岡から中込に転じた車なのでした。中込ではスノープロウを即刻撤去し、「盛岡色でスノープロウ無し」という変な車になってしまいました。そして中込では貸し出しでやって来た飯山色のキハ58系と組んだり、またこの車自体も長野に貸し出されたりと使用された後、一連の改造が落ち着いた段階で廃車になりました。廃車後はサハリンに譲渡されましたが盛岡色のままサハリンに行ったのはこの車だけでした。
これで4両のご紹介が終わりました。あと、今回の整備のついでに昨年入手していたキハ58 1500番代冷房準備車も一緒に整備しました。
↑キハ58 1500番代です。20年前の旧ロット製品ですが今でも全く見劣りしませんのでこれも併せて整備します。右の車は中古で入線時より正面幌枠辺りに傷?がありますので、この車は幌付きにしてこれを隠すこととします。
↑ジャンパ用の穴を開けます。まずは0.4mmくらいで下穴を開けて、後に0.7mmで仕上げます。写真は下穴の状態です。
↑ジャンパパーツを付けました。先日白く塗ったものはすでに使い切ってしまったので、とりあえず車体に付けてからあとで白く塗る事とします。
↑完成です。
では整備が済んだ非冷房車を並べてみました。
↑これで様々なタイプが揃いました。製品の0番代、400番代だけではなく、乗降ドア下部の丸窓があるが運転席窓バランサー点検蓋が無い400番代前期車や、通風器8個車、1500番代冷房準備車とバリエーション豊富です。タイフォンも回転式や新潟竹槍もありますね。
↑盛岡にはキハ58非冷房車がウジャウジャいた印象が強いので、たくさん並べると実感的です。
左端に仲間外れのように1両はじかれていますが…
↑1両は中込に転じたキハ58 758仕様です。こうやって小海線へ貸し出し中の飯山線色のキハ58と組んだりできるのも模型ならではです。
↑中込のキハ58冷房準備車(1533・1534)と組んだり…
↑首都圏色のキハ52と組んだり。
中込に転じて小海線で盛岡色のまま異彩を放っていたキハ58 758は是非とも再現したいアイテムでしたが、今回の製品化でやっとその夢が叶いましたね。
なお、キハ58がこれだけ在籍していると同じく盛岡では一大勢力を誇ったキハ52も登場させたいところですが…
↑Tomixさんからはちゃんとキハ52の盛岡色&赤鬼色も製品化されているのですが…。
↑Tomixさんのキハ52盛岡シリーズは、機関換装後の製品で、また側窓も2段窓から1段上昇窓に改造された後です。
↑油タンクも角型に換装された後です。
つまり、キハ58系は徹底的に機関換装前(1992年頃まで)の仕様であるのに対し、キハ52は更新・機関換装・窓改造後の1993年頃以降の姿になっており時代設定が合いません。
しかし、先日製品化が発表されたキハ56系モデルチェンジ車では、とうとうキハ58系についても機関が別パーツ化されることになりました。これはキハ58系においても機関換装車が模型化される可能性を秘めるようになったということで、製品化されるとするとキハ52等も充実しているこの盛岡シリーズがかなり有力ではないかと個人的に思っています。
↑キハ52では既に機関や油タンクが外れる構造になっていましたので、次回発売されるキハ58系も同じ仕様で出るのでしょう。というかエンジンのパーツはキハ52で既に作ってあるので、メーカーさんにとっては比較的簡単にキハ58の機関換装車シリーズを再現できる?
ということで今回でキハ58系盛岡シリーズの整備は完了です。予想通りなかなか楽しませてくれた製品でした。冷静に考えるとTomixさんでキハ58系の非冷房車を製品化するのは初めてとなっています。(以前出ていたのはキハ56系、キハ57の最初期の頃、キハ58の富士急行仕様) 地域色のバリエーションもありがたいですが、ここまでで培ってきた金型で急行色の面白いセットもそろそろ期待したいところです。
さてこれでキハ58系模型のネタは終わってしまいましたね。次からは何をネタにしようかな…?
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!
是非私のホームページ
http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html
にもキハ58系各車の解説がありますのでご覧になってください。