前回の続きで、1月31日の乗り鉄旅を紹介します。

前日の徳満駅に続いて、この日は宗谷本線の廃止予定駅で最後まで未訪問だった北剣淵駅に向かうのですが、稚内駅6:36発の62D特急サロベツ2号に乗って、北剣淵駅の1つ手前である士別駅に向かいます。

 

 

そんなワケで早朝にホテルをチェックアウトし、雪の中を歩いて稚内駅へ。

 

 

 

最近、JR北海道のあちこちの駅で見掛けるシマエナガ(?)がモチーフのキャラクター。

この掲示物、稚内駅のベンチにソーシャルディスタンスの注意喚起として貼ってありました。

同じくシマエナガをモチーフにした札幌駅の公式キャラ(?)『さっぴー&ポロちゃん』に似ていますが、なんかちょっと違うみたい…?最近影が薄くなってしまった、元祖JR北海道公式キャラ『モジャくん』もお忘れなく!

 

 

 

はまなす編成のサロベツ2号は既に入線済み。

前夜の63Dサロベツ3号で再び稚内に入り、南稚内の車庫で夜間滞泊して再び旭川へと向かいます。

 

 

 

私はえきねっと予約した切符を指定席券売機で受け取り、改札口を抜けます。

車両編成の案内ははまなす編成のイラストですが、良く見ると『Trit261』のロゴが…!

 

 

 

サロベツのLED仕様のヘッドマークは、列車名がアルファベットになった以外はキハ183系時代のイラストマークを踏襲しており、他の列車のLEDヘッドマークと比較しても最も凝ったデザインだと思います。そういえば、新たに登場したラベンダー編成にはフラノラベンダーエクスプレスも新デザインでセットされています。ここまで表現できるのなら、いっその事旧デザインのオホーツクやとかちの再現を熱望したい!

 

 

(参考画像:キハ261系1000番台の幕式ヘッドマークには宗谷・サロベツの絵柄も用意されている。サロベツはキハ183系時代と同じで、列車名がカタカナとアルファベットを併記。※幕回し時に撮影)

 

 

 

今回も2号車指定席のキハ260-5301に乗車。

稚内からの乗客は私1人!この状態で発車し、次の南稚内駅からも誰も乗ってくる事はありませんでした…。

 

 

 

士別までは稚内~旭川の『えきねっとトクだ値50』で乗車しています。普通運賃¥4840+自由席特急券¥2420よりも大幅に安いので。

 

 

 

やっぱりこの日も利尻山は見る事ができず…。

 

 

 

7:15位に徳満駅を通過。

前日の普通列車が全面運休した影響で車両の送り込みができず、稚内5:20発の4324Dも(たぶん)運休したため駅訪問の同業者の姿は見当たりませんでした。

 

 

 

豊富を過ぎ、サロベツの雪原の中を走ります。晴れ間が出てきましたが相変わらず利尻山は見えず…。

 

 

 

3月12日限りで廃駅となった上幌延駅を通過。

以前からもお伝えした通り、徳満駅を除いた宗谷本線北部の廃止予定駅は昨夏にマイカーで廻っており、列車に乗り降りしての訪問は当駅も含めた数駅分を見送らせて頂きました。ご了承ください。

 

 

 

上幌延駅の少し先(南幌延方)の車窓から見える廃サイロに描かれたイラスト、いつも通る度に気になっているのです。誰が何のために描いたのか…?キハ40の普通列車に乗って初めて宗谷本線の旅をした1987年時点では既にあったと思います。同じ絵だったという記憶はありませんが。

 

 

 

コチラも、3月12日限りで廃駅となった安牛駅を通過。

 

 

 

列車は天塩川沿いの区間に入りますが、川面は完全に結氷して雪が積もり、その流れを見る事はできません。

(糠南~雄信内の問平陸橋付近)

 

 

 

幌延町内あたりまでは晴れ間が見えていたのですが、上川管内に入った処で天気が急変して吹雪の中を走る事に。写真は筬島~佐久の天塩川。

 

 

 

上の写真と同区間で撮ったエゾシカ。

視界不良に加えて動物侵入のおそれもあり、運転士は特に神経を遣います。

 

 

 

いきなり飛びますが、降車駅の士別が近づいてきました。

結局、2号車は稚内からずっと私1人の貸切状態でした…。

 

 

 

9:40、士別駅1番線に到着。

 

 

 

当駅では51D特急宗谷と交換するのですが、函館本線内での雪の影響か、数分遅れて到着したためサロベツ2号も遅れて発車。

サッサと改札口を抜けてしまったため、ホーム外での撮影になってしまいましたが、駅員さんに一声掛けて両者の発車までホームにいれば良かったかな…。

(2枚とも4K動画からの切り出し)

 

 

 

士別駅舎。今年で建築から55周年を迎えて老朽化が進んでいますが、士別市との共同で建物を改修する構想があり、多目的スペースとコンビニを併設する事になっているようですが、その際、売店と駅そばはどうなっちゃうんだろう…?

 

 

 

今回もまた、道北バス名寄線(普通)に乗って北剣淵駅を目指します。

駅前バス停はさらに雪に埋もれて時刻表が見えず…。

 

 

 

10:20発の旭川行普通便は、29日の南比布駅訪問後に旭川まで乗車したバスと全く同じ車(1998年式三菱ふそうエアロスター・KC-MP717M、元神奈川中央交通)でした。車齢23年の古豪ではありますが、他の事業者も含めて道外からの中古車は融雪剤にさらされた期間が短いため、同じ年式と比較して自社発注車よりは長く使われる傾向にあります。

 

 

 

北剣淵駅からの最寄りバス停は、普通便しか通らない道道上にある難波田橋という停留所。

難波田橋とは、士別市と剣淵町の境目に流れる天塩川水系の犬牛別川に掛かる橋で、停留所はその橋を渡った先の剣淵町に入った処にあります。

ここまでの運賃は¥280でした。

 

 

 

ここから北剣淵駅へ徒歩で向かうのですが、約1.5㎞の距離があります。

バス停から約100m先の十字路を左折し、12線という道路に入ります。

 

 

 

この日も時折雪が降りしきる中の過酷な(!?)雪中行軍…。

鉄道防雪林の『深川林地』が見えてきました。

 

 

 

歩く事約20分、ようやく北剣淵駅に到着です。

コチラも幸いにして(?)同業者の姿はありません。

 

 

 

北剣淵駅の(ほぼ)全景。

駅は12線踏切に接していますが、待合室とホームの距離が離れています。

 

 

 

ホームと待合室をそれぞれ別に撮影。

 

 

 

駅名標。やはり真新しいですが、交換された頃は廃駅にするなんて当のJRも思っていなかったのでしょう…。

 

 

 

ホームから剣淵方を見た図。線路の両サイドが深川林地の防雪林に囲まれています。

 

 

 

コチラは士別方。待合室への道が除雪されているのが判ります。

 

 

 

それでは、待合室に入ってみる事にしましょう。

木造の羽目板張りで、東六線などと比較すると小さめのサイズでした。

 

 

 

 

 

 

 

壁には剣淵町『絵本の館』で販売されている当駅を描いたポストカードの告知ポスターと、2021年のカレンダーが貼られていましたが、訪問時はまだ1月だったのにフライングで2月になっていました。

 

 

 

 

内壁の合板は老朽化で表面の層が剥がれてしまっています。

 

 

 

ベンチに置かれていた駅ノート。

 

 

 

人型の鏡は一体何のために…?

 

 

 

剣淵方の窓際には古い電話台が置かれていて、上には卓上カレンダーなど、下にはゲーム雑誌が置いてありました。左に見えるオレンジ色のハードカバーの本は何の本だったか確認するのを忘れちゃいました…(汗)。

 

 

 

発車時刻表と運賃表。

下りは朝夕それぞれ2本ずつ、計4本停車していましたが、上り列車は朝、昼、夕と1日たったの3本しか停車していませんでした。私は11:35発の上り324Dに乗る形で当駅を利用します。

 

 

 

この日も冷え込みが厳しく、窓ガラスには木の枝のような霜の模様が付いていました。

 

 

 

40分余りの訪問でしたが、踏切警報器が鳴りだしたのでホームに出る事にします。

相変わらず雪は降り続いていました。

 

 

 

 

このシリーズで既に3度目の登場ですが、名寄からの324Dが到着します。コレに乗って終着の旭川へ向かい、特急ライラック24号に乗り換えて札幌へ戻ります。

駅に加えて宗谷本線でのキハ40運用も消滅したので、こんなシーンはもう2度と見られなくなってしまいました。

 

 

 

車両はキハ40 830+1725(いずれも旭アサ)の2連。

やはり未更新車という事で、先頭の830のほうに乗車しました。製造時の原番号は105、1977年製で44年もの長きに渡って活躍をしてきた『初期ヨンマル』です。残念ながらこの車両もダイヤ改正後は運用離脱した模様…。

 

 

 

せっかくなので北剣淵が表示された運賃表を客室側から撮影。

 

 

 

途中駅からの乗車ですが、2連なので今回も空席を余裕で確保できました。

乗客の中には、キハ40の惜別乗車と思われる乗り鉄の姿も見受けられます。

 

 

 

北剣淵からの乗車券は予め士別駅で購入しておきました。

前回士別駅に行った際に3種の駅カードを全て頂いているのですが、せっかく乗車券を購入しているので剣淵駅の分だけ再び頂いてきました。

 

 

 

この列車は完全各駅停車なので、廃止予定駅にも全て停車します。

1月23日に訪問した東六線駅。

 

 

 

12:05発車予定の塩狩駅では3321D快速なよろ1号と交換するのですが、それが遅れていたのに加えて、ようやく到着したは良いものの当方の324Dがスリップしてしまったため発車できず、少し後退してやり直しの上ようやく発車できましたが、所定よりも10分遅れてしまいました。

交換相手だったキハ40 721は700番台としては珍しくダイヤ改正後も生き残って運用に就いているようですが、そのうちに運用離脱という事も考えられるので撮影や乗車は早めのほうが良いかもしれません…。

 

 

 

一昨日に訪問した北比布駅に停車。

 

 

 

列車は北旭川駅に隣接する旭川運転所の傍らを通り、様々な留置車両を見る事ができます。『タラコ』こと釧路から出張中のキハ40 1758はひと休み中だったようです。

尚、この324Dは旭川駅へ送り込まれる交替乗務員が乗り込むため乗降所で一旦停車し、車内自動放送でもその旨が流されます。

 

 

 

両端にラッセルヘッドを装着したDE15 2511。

おそらく石北ラッセルの運用に入るのでしょうか。

 

 

 

士別まで乗ってきたはまなす編成は、旭川駅13:35発の61Dサロベツ1号の運用に備えてスタンバイ。

 

 

 

結局ズルズルと遅れを引きずって、旭川駅6番線に到着したのは所定より13分遅れの13:01。本来ならば乗換列車の札幌行3024M特急ライラック24号が発車している時間ですよ~!

 

 

 

もちろんライラック24号は待っていてくれましたが、対面乗換ではないため階段を駆け廻って4番線に急ぎます…。そのため先頭車の顔を撮影する事はできませんでした😣

 

 

 

ライラック24号2号車指定席(モハ788-103)の車内。

この時間帯は1時間に1本しかないため、比較的乗客が乗っているほうです。

 

 

 

こんなコトもあろうかと、『えきねっとトクだ値45』で予約していたライラック24号の切符も稚内駅で受け取っていたのです。まぁ、乗り遅れたら乗車券のみは有効だし、列車の遅れによって乗り継げなかったら何らかの救済措置があるので。

結局、所定の13:00を5分程度遅れて旭川駅を発車します。

 

 

 

この日は空知方面が特に大雪に見舞われたため列車の運転に支障が生じ、滝川→岩見沢の普通924D(キハ40形2連)が奈井江駅で抑止された影響で、その救済措置としてライラック24号は同駅に臨時停車して924Dの乗客を移し、美唄・岩見沢方面への足を確保しました。

 

 

 

当のライラック24号も大雪による視界不良で徐行運転を余儀なくされます。

線路際にはかなりの高さで吹き溜まりができていました。

 

 

 

ようやく最後の停車駅・岩見沢です。この時点で定刻より20分以上遅れています。

この冬は2012年以来の災害レベルの大雪に見舞われた岩見沢でしたが、それによる運行トラブルも多発、除雪要員の人手不足も相俟ってJRにとっては特に苦難の冬となりました…。

 

 

 

空知方面とは打って変わって札幌圏に入ると天気が一変、晴れ間が見えてきました。

 

 

 

結局、終着の札幌駅到着は定刻よりも30分遅れた14:55でした。

本来は2番線の到着なのですが、接続列車である14:38発の16D北斗16号(キハ281系)を待たせている関係で8番線に変更されています。

 

 

 

今回の編成は789系HE-103+HE203(札サウの『SOYA』ラッピングでした。まさに今回の旅に相応しい?

 

 

 

車両はそのまま、15:00発の3023Mライラック23号(発車番線は所定通り)となります。

本来、折返し運用を行う際は琴似駅手前の待避線まで回送し、折返し準備を行うのですが今回はそのまま車内清掃を行い、わずか6分という早業で旭川へ向けて再び出発していきました。たった1分の遅れに留めたのはお見事です。

 

 

昼食を摂っていなかった私はこの後、札幌ステラプレイス6Fにある牛角に行って、バカ騒ぎしている若者を尻目に『ひとり焼肉』を堪能してきました…。焼き肉屋は無煙ロースターがある関係で換気がしっかりしているので他の飲食店よりは感染リスクが低いとの事ですが、旅行も食事も『おひとり様』をもっと優遇してもらいたいモノですね。

 

本シリーズの次回は、石北本線の生野駅と釧網本線の南斜里駅への訪問記を予定していますが、その前に明日3月31日を以て鉄道営業を終了してしまう日高本線の記事を紹介したいので、1回お休みさせて頂きます。

 

つづく