【スーパークモヤ】E493系オク01編成が本線初走行!郡山から尾久へ試運転

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JR東日本で活躍する各形式の牽引車として登場したE493系。

製造元の新潟トランシスから都心部を通過して郡山総合車両センターへ輸送されていましたが、2021年3月26日に東北本線での試運転ののちに所属区となる尾久車両センターへ初入線しました。

E493系の概要と現在まで

JR東日本では、運行コストのかかる機関車牽引列車の削減のため、相次いで新型車両の導入を進めてきました。

レール輸送にはJR東海のキヤ97形をカスタマイズしたE195系気動車を、バラスト輸送と非電化路線のその他用途に新規開発のGV-E197系を、そして管内各地で運行されている新造・廃車・改造等の車両牽引用のE493系を開発していました(プレスリリース)。

E493系は2021年2月8日未明に新潟トランシスを出場、陸路にて藤寄駅まで輸送されたのち、翌9日から10日にかけて甲種輸送(貨物列車としての輸送)が実施されました。

その後は構内で走行している姿が確認されていたものの、本線上に姿を見せることはなく動向が注目されていました。

初の本線走行で尾久車両センターへ

3月26日の動きでは、郡山総合車両センター→宇都宮〜新白河(2.5往復)→尾久車両センターでの試運転となっています。交直流電車の試運転では他形式でも見られるように、黒磯〜高久間の交直セクションを含む区間を中心に走行する動きとなっています。

先に姿を現し、試運転が既に頻繁に運行されているGV-E197系同様に、車体長が長く屋根高さが低めの特徴的な外観です。

側面の構成がGV-E197系と一部異なるほか、やはり電車ならではの床下機器構成、そして何より屋根が低い分パンタグラフの高さが目を惹きます。

このほか、GV-E197系では床下機器類がライトグレー・E493系ではダークグレーとなっています。

ダークグレーとなったことで、E233系やE235系のようなJR東日本の電車らしい雰囲気ですが、車体はGV-E400系譲りの窓形状となっているなど、どこかチグハグな印象があってなかなか興味深い形態です。

しばらく構内試験のわけ

今回製造されたE493系の特異な動きとして、製造からしばらく音沙汰がなかった点が挙げられます。

通常、鉄道車両が落成した後には車両メーカー社員の立ち合いの下、「公式試運転」と呼ばれる試運転を実施するのが通例です。会社によって保安装置や走行環境が異なるため、最終的な試験は鉄道会社への納入後、という事情です。

ただし、それ以前には車両メーカーの構内で低速までの試験も実施されます。この様子は通常撮影不可能ですが、つくばエクスプレスが公式のYouTube動画にて公開しています。

近年のJR東日本での新形式かつ他社製造の事例ではE261系がありましたが、こちらも輸送後10日程度で「公式試運転」が東海道貨物線で実施されていました。

一方で、新潟トランシスはほとんどの製造車両がディーゼルカーで、これまで製造した電車は北越急行HK100形と681系・683系のみとなっています。

電車の試験を実施する環境が十分でないことが推測でき、他社であれば輸送前に実施するような試験の一部郡山総合車両センターで実施された可能性が挙げられます。

これに加えて機器類が発するノイズが踏切・信号・保安装置などの機器に影響を及ぼさないかを確認する「誘導障害試験」も必要ですので、製造から2ヶ月弱の期間を要したとしても不思議ではないとも言えそうです。

当面は単独で試運転?

GV-E197系同様に、新造直後に所属区に向かわないという特異な動きとなったE493系。

今後は拠点となる尾久車両センターとその周辺での試験が実施されるものと思われます。

最近製造された横須賀線・総武線快速向けのE235系1000番台では、2020年7月に4両単独・8月は11両単独、その後併結と段階を踏んで試験が繰り返されました。

また、現在進行形となる車両としては、GV-E197系が両端の牽引車2両での試運転を繰り返したのち、現在はホッパ車構造のGV-E196を4両挟んだ6両編成での試運転を続けています。

今回製造されたE493系についても、まずは単独状態での性能確認目的の試運転が繰り返されることとなりそうです。

そして、牽引車の先行量産車という用途を考えると、実際に車両を牽引する試験も実施されることに期待が持てそうです。牽引の試運転では被牽引車はどの形式となるのか、実運用にも先行投入されるのかなど、興味が尽きません

走行するエリアも幅広くなることが想像できますので、平坦線区での高速〜急停車といった試験はもちろんですが、新造車の輸送が行われる上越線・廃車の輸送が行われる中央線などの山岳路線、そして交流線区での試運転など、JR東日本管内各地で試験が実施されることとなりそうです。

本格的な運用が始まるまではしばらく掛かりそうですので、試運転の動向に注目しつつ代替となるEF64形・EF81形の双頭連結器装備機の活躍の記録もしっかりしていきたいですね。

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今回のお写真は、結いっ子さま(@tetsu_mito66325ブログ)より掲載許諾をいただいています。

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