本宿駅【愛知県】(名鉄名古屋本線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
愛知県岡崎市南東部の山間部に広がる住宅地に位置する名鉄名古屋本線の急行停車駅で、山間部にありながら立派な高架駅であり、北側に位置する旧・額田町の玄関口でもある、
本宿駅 (もとじゅくえき。MOTOJUKU Station) です。
 
 
駅名
本宿駅 (NH 08)
 
所在地
愛知県岡崎市 
 
乗車可能路線
名古屋鉄道:名古屋本線
 
隣の駅
豊橋方…………名電長沢駅 
名鉄岐阜方……名電山中駅
 
訪問・撮影時
2018年7月
 
 

本宿駅は高架駅で、高架下に駅舎・改札口が設けられています。駅舎部分以外の高架下は名鉄協商の月極駐車場およびコインパーキングになっています。
以前の本宿駅は地平駅でしたが、南側(左側)を並行して走る国道1号線の拡幅および駅東側で交差する幹線道路の開かずの踏切の解消を目的に、山間部の駅にもかかわらず1992年に高架化されました。駅外と駅舎内の間に段差はありません。出入口前には飲料自動販売機があります。
しかし、高架駅ながら出入口は南側にしかありません。これは駅の北側を東名高速道路が並行しており、その東名が盛土になっていて壁のようになっているからと思われます。
駅前広場はありませんが、国道1号の側道(線路沿いの奥~手前)がその役割を担っています。側道は東行き一方通行で、駅舎前にはバス停留所とタクシー乗り場があります。
また、国道1号が通っているため、駅南側へは写真中央にある地下道を利用する形になります(階段のみでバリアフリー非対応。約120m西と約120m東に横断歩道(信号交差点)あり)。
 
 

また、2ヶ所ある地下道出入口の中間(地上)には旧駅舎の縮小模型が設置されています。
旧駅舎は昭和9年(1934年)に改築された木造2階建てで、上部に八角屋根が載せられた個性的な駅舎でした。
1992年の高架化に際して名鉄が運営する博物館明治村へ移設する計画がありましたが、費用等の問題で断念し、解体されました。その際、旧駅舎の姿をとどめるため、2年後に1/3サイズの縮小模型が設置されました。
 
 

 

駅前の様子です。2枚とも南南西を望む。
上写真は駅舎前にて撮影、下写真は国道1号南側にて撮影。
国道1号が拡幅された際、中央分離帯が設けられたため、駅南側へのアクセスが不便になりました。前述のように地下道を通るか東西の信号へ迂回するかしなければなりません。
駅南側は下写真奥を左右方向に通る旧東海道沿いを中心に昔から住宅街が形成されていました。但し、本宿に陣屋はあったものの宿場町ではありませんでした。
旧東海道沿いには商店も点在しています。約1.3km西には岡崎市立東海中学校が、約400m南の本宿陣屋跡には冨田病院が、約700m南東には新選組・近藤勇の首塚がある法蔵寺があります。
また、さらに南側の丘陵地には本宿緑町、本宿住宅等の新興住宅地が開発されていますが、これも本線の急行停車駅があるからでしょうね。
そして本宿から南の山間部へ分け入る国道473号を進むと、山を越えて蒲郡へ抜ける事ができます。この山越え道路は景色が箱根に似ている事から「新箱根観光道路」と命名され、名所として脚光を浴びたとの事です。
 
一方、駅北側は東名高速道路が名古屋本線に並行していて、駅北西側には東名本宿バスストップがあります。
東名の北側には住宅地が広がっているものの南側よりは規模が小さく、のどかな風景になっています。
北へ延びる国道473号を5kmほど進むと旧・額田町の中心部(現・岡崎市)に到達します。
約850m東には愛知県立岡崎特別支援学校が、約500m北には岡崎市立本宿小学校が、約900m北には人間環境大学が、約2km北にはアイシン・エイ・ダブリュなどが入居する東部工業団地があります。
 
 

高架下1階にある改札口の様子です。北西を望む。左に出入口があります。
本宿駅は有人駅で、インターホンは設置されていません。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が3通路設置されており、左端がICカード専用通路、窓口に面した右端が幅広通路で、有人通路を兼ねています。
改札口の右手前には出札窓口があり、出札窓口の右側に『manaca』のチャージが可能な自動券売機が1台設置されています。
尚、改札内にはICカードチャージ機と磁気券用の自動精算機がありませんので、精算やチャージが必要な場合は精算窓口へお越し下さい。
そして改札を通ると2階にある各ホームとを結ぶ階段・エレベーターが設置されています。階段は踊り場を経由します。
1階改札内コンコースにはベンチ(左)とトイレ・多機能トイレ(いずれも右)が設置されています。
尚、本宿駅構内に売店・コンビニはありません。駅前にもありませんのでご注意下さい。
 
 

4番線ホームに設置されている吊下式の駅名標です。電照式ではありません。
名鉄標準のデザインで、隣駅にローマ字表記がある新タイプです。駅ナンバリングも併記されています (NH 08)。
駅ナンバリング部分には名古屋本線のラインカラーである名鉄スカーレット(名鉄電車の赤色)が使用されています。
尚、駅ナンバリングの「NH」ですが、名古屋本線を意味しています。「N」は名古屋、「H」は本線です。
 
 

本宿駅は島式ホーム2面4線の高架構造で、南東~北西方向にホームが延びています。ホームは緩やかにカーブしています。
右のホーム(南西)が右から1番線・2番線の順でともに下り名鉄名古屋方面・名鉄岐阜方面、左のホーム(北東)が右から3番線・4番線の順でともに上り豊橋方面・豊川稲荷方面です。
内側の2番線・3番線が主本線で、外側の1番線・4番線が副本線(待避線)です。4番線の左側を東名高速道路が並行しています。
ホーム有効長は8両分で、ホームドアはありません。ホーム幅は全体的にやや狭くなっています。
上屋は各ホームとも概ね中央の6両分強に設置されています。8両編成の場合は両端各1両が雨ざらしになりますので、雨天時に下車される際は要注意です。
各ホームにはベンチ・飲料自動販売機・空調なしの待合室(各ホーム2ヶ所)が設置されています。
写真は上り3番線より豊橋方を望む。 
 
 

3番線より豊橋方を望む。右から1番線~4番線の順です。
また、左側に東名高速道路が並行しており、防音壁が見えます。右側の地平部には国道1号が並行しています。
この先、東名と国道1号に挟まれる形で右へカーブしながら住宅地の中を走り、進路を南に変えると地平に下ります。左右には山々が迫ってきます。その後は左へカーブして豊川市に入り、右手の国道1号沿いにある物流倉庫や工場を見ながら山間部を南東に走りますが、やがて左へカーブして右手に住宅地が見えてくると名電長沢駅へと至ります。名電長沢駅も左側(北側)には東名高速道路が並行しています。
 
 

3番線より名鉄岐阜方を望む。左から1番線~4番線の順です。3・4番線ホームの端には係員詰所があります。
また、副本線が本線に合流した先には上り線から下り線への片渡り線があり、当駅での折り返し(舞木検査場への出入庫など)で使用されます。そのため、4番線は岐阜方面への出発が可能です。
この先、東名高速道路が右へカーブして分かれます。名古屋本線は左手に住宅地を、右手に田園を見ながら直進しますが、すぐに左へカーブして、国道473号をアンダーパスします。その後は地平区間になり、山あいのローカル風景の中を左手の国道1号と並行する形で西北西へ走ります。そして右へカーブすると名電山中駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が本宿駅で下車(乗車)したのは2018年の1度きりです。名鉄全駅訪問計画の一環で下車しました(2019年8月に全駅制覇)。山中にある駅ですが、都市部にあるような立派な高架駅だった事に驚きました。また駅の南側には国道1号が、北側には東名高速道路が並行しており、駅は道路の大動脈に挟まれています。また本宿駅は急行停車駅なので名古屋への利便性も高く、駅前は古くからの住宅街ですが駅から離れると新興住宅地も見られ、名古屋や岡崎などのベッドタウンにもなっているようです。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、隣接する名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線・豊橋方面の快速特急or特急に乗車します。そして東岡崎駅で普通or急行に乗り換えて当駅下車です(急行へは知立駅でも乗換可能)。金山駅でJRから名鉄線に乗り換えてもOKです。あるいは急行の豊橋行きor豊川稲荷行きに乗車すれば乗換なしで本宿駅に到達できますが、途中で快速特急or特急に抜かれます。または、東海道新幹線で豊橋駅まで行き、名鉄名古屋本線の急行に乗り換えて当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からは東海道新幹線or在来線(東海道本線)で名古屋駅or金山駅、または近鉄で近鉄名古屋駅まで行き、以降は上記のルートで到達可能です。じゅうぶん日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約550m西の「セブンイレブン(国道1号北側)」「ファミリーマート(国道1号南側)」になります。1km圏内に飲食チェーン店はありません。事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京、大阪とも到達難易度はやや高いですが、名鉄名古屋本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は本宿駅でも途中下車されてみて下さい!
   
(参考:郷土史本宿研究会の石碑、Google地図、Wikipedia)