去る2月21日のことですが、道の駅くしもとで橋杭岩を眺めながら、名物であるきんかんソフトクリームを食べていました

この日は、風が強いものの天気はすこぶる良く、引退を間際に控えた105系の姿を記録すべく、串本町までやって来たのでした

 

 

ソフトクリームを食べていると、なにやら橋杭岩の向こうから何やら見慣れない形をした船が近付いてきました

 

 

そのシルエットは、よく見慣れている漁船やタンカーの類ではなく、帆船であることがはっきりと見て取れます

しかも、こちら側へ向かって徐々に近付いてきました

 

 

 

まさか陸地の方へ向かって接近してくるとは思わなかったので、思いがけず帆船と橋杭岩の奇跡の共演をカメラに収めることができました

ところで、日本で帆船といえば海技教育機構が保有している日本丸か、もしくは海王丸のどちらかということになります

 

 

やがて、橋杭岩の横を抜けて、堤防の先からよく見渡せるポイントに船がやって来ました

撮影した写真を拡大してみると、船体サイドに配されたラインが濃いめのブルーであること、そして救命艇がオレンジであることから、この帆船の正体が日本丸であることが窺い知れます

 

 

さすがは”太平洋の白鳥”との異名をとるだけのことはあって、その姿はたいへん優美なものですが、これで帆を広げていたらより美しかったことでしょう

最後に、くしもと大橋と並ぶ姿まで見れたものですから、まさに眼福を味わわせていただきました

 

なぜ、日本丸がここに来て、この後どこに行ったのかは謎ですが、19日の午前中に神戸港を出港したことが判明しました

大島の内側にあたる部分は、まだ船に動力がなかった頃から、風が強い時に避難する風待ち港になっていました

 

この日はかなり風が強かったので、もしかしたら日本丸も外海に比べて波の穏やかな大島の内側へ避難してきたのかもしれません

もしくは、橋杭岩を見に来ている観光客を楽しませようとしてくれたのでしょうか?

 

いずれにせよ、こんなところを帆船が航行することは、とても珍しいことに違いはなく、わざわざこの日に串本まで来た甲斐がありました