【TJライナー】50090型が本線初走行!51092F“池袋・川越アートトレイン”南栗橋へ

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東武鉄道では、2020年秋より東上線車両の全般検査を川越工場から南栗橋へ移管した関係で、東上線で使用されている車両が相次いで本線へ入線してファンを賑わせています。

2021年3月16日から17日にかけて、東上線の着席列車「TJライナー」を中心に活躍する50090型の初走行が実現しました。

東武東上線の検査体制の変化

東武東上線で使用される車両は、従来は川越市駅に隣接する川越工場にて定期検査を実施していました。工場の収容能力が車両数に比べて少ないため、以前より8000系を中心に一部の編成の検査を南栗橋車両管区南栗橋工場で行う体制となっていました。

近年では、メンテナンス性が高い50000系列の定期検査のうち「重要部検査」については所属区である森林公園検修区内で済ませる体制とされ、後に30000系についても同様の体制となっていました。

それ以外の8000系・9000系列・10000系列の「重要部検査」「全般検査」と、30000系・50000系列の「全般検査」については、従来同様に川越工場か南栗橋工場に回送されて検査を実施していましたが、この体制が2020年9月末を以って改められました。

この体制変化では、従来の川越工場で実施していた定期検査を南栗橋工場へ移管しています。

これにより、検査入場の度に東上線の10両編成が小川町〜寄居間を走行する姿・秩父鉄道線内を機関車に牽かれる姿・そして本線を走行する姿が見られるようになりました。

特にファン目線ではそれまで見ることが出来なかった東上線専用形式の動向が注目されており、2020年のうちに地下鉄有楽町線・副都心線直通で活躍する9000系列の走行が実現しています。

なお、川越工場については「工場」としての使命こそ終えたものの、現在も設備を生かして一部のメンテナンスを実施しており、時折建屋内に車両が収容されて作業をしている姿・入出場の臨時回送が運行される姿が確認されています。

初入線となった51092F

今回の入場回送では、森林公園検修区所属の50090型・51092F(50092号編成)10両が回送されました。

2021年3月16日に森林公園→寄居を自走・17日に秩父鉄道の臨時貨物列車として寄居→羽生をデキ102号牽引で輸送・羽生→東武動物公園→南栗橋を再び自走という経路で回送されています。

秩父鉄道線内の機関車牽引時に連結される10号車(上り方)の51092号は自動連結器に換装、寄居駅の入換作業で機関車と連結される1号車の50092号はアダプターを設置しています。

東上線「TJライナー」で活躍する50090型が本線系統(伊勢崎線・日光線)を走行することは初の事例です。初の入場が通常カラーではなく、「池袋・川越アートトレイン」ラッピング編成となったことも意外な動きとなりました。

東上線の50000系列の本線走行についても、51008Fの転属回送に次ぐ事例となります。

いずれも本線で50050型の走行実績があることから、日中時間帯の自力回送となっています。

一方で、本線の入線実績がなかった9000系列については、事前に深夜帯に搬入して夜間の試運転が実施されていました。

先述のように、30000系や50000系は“新重検”と呼ばれるメンテナンス性能が高い車両で行われる重要部検査となっており、森林公園検修区内で施工が可能とされています。

これらの動きを考えると、特に30000系の“里帰り”・50000系列の入線は引き続き珍しいものとなりそうです。

ファン目線では、10両固定編成の出場試運転の過去実績に倣って日中時間帯の南栗橋〜北千住駅間を走行するものと考えられますので、50090型が本線の長大複々線を疾走するシーンが楽しみです。

特に現在のスカイツリーラインでは、「TJライナー」の弟分となる日比谷線直通の「THライナー」がデビューしたばかりです。時間帯的に優等運用ではない一方で、普通列車で使用されている時間帯ですので、複々線区間で70090型と並走する可能性も十分に考えられます。

また、東武鉄道はファン向けのイベント列車の運行に比較的熱心な会社です。

50090型に本線で乗車出来るツアー・70090型との乗り比べツアー・工場公開での撮影会など、定期検査の間合いを生かした今後のイベントでの使用にも期待出来そうですね。

ラッピング続きで“原色”が久しく途絶えている51092F

東上線の50090型は2008年6月のデビューに向けて4編成が製造されたのち、運行本数増加に向けて2編成が増備されて6編成体制となっています。

このうち、今回南栗橋へ入場した51092Fについては、現在の「池袋・川越アートトレイン」ラッピングとなる以前も全面ラッピングで運用されており、久しく“本来の姿”を見ることが出来ていない車両です。

以前は2015年11月〜2019年2月まで東上線開業100周年記念で往年のフライング東上号カラーを施した「ブルーバード号」として運用されていました。

2019年のデビュー時のプレスリリース(PDF)では運行期間を「当面の間」としており、引き続き「池袋・川越アートトレイン」として運行されるのか、本来のカラーリングに戻されるのか。はたまた新たなラッピングが施されるのかについても出場するまでのお楽しみです。

もし今回の検査で通常カラーに戻された場合、5年以上見られなかった“本来の姿”での走行が叶い、ラッピング後に東上した川越特急や、3月13日のダイヤ改正で登場したクロスシートでの普通列車運用は初めての運用となります。

前回の「ブルーバード号」でもラストランに関連したイベント列車が実施されており、今回はそのようなイベントや発表が一切ないことから、引き続きカラフルな装飾で沿線を賑わしてくれることに期待したいですね。

検査出場後どのような姿となるのかも気になるところです。

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今回の記事内掲載写真は、フォロワーの保線鉄のいっくん様(@ikkun_train)より掲載許諾を頂いています。

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