「奥出雲おろち号」を広島方面から利用するには? | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(貴重なJRの客車列車)

 

2021/4/18〜5/30の金・土・日と,4/23〜5/5の毎日運行される「奥出雲おろち号」は,今や全国でも貴重な客車を使用したJRの観光列車であると同時に,その利用しにくくさでも知られます.どれくらいかと言いますと,出雲地区での前泊が勧められるほどです.「サンライズ出雲」でさえも,この列車をフルに楽しむ助けにはなりません.

広島方面から利用しようにも,普通にアプローチしようにしても三次からの先の列車がなく,やむを得ず三次に前泊,6:55の始発列車に乗り,備後落合駅で何時間も待つということになります.これからの季節では雨・暑さなど厳しいものがあります.

 

そこで,どうしても広島方面から「奥出雲おろち号」を使用するためのルートを紹介します.

 

広島 7:02発 のぞみ94号(「のぞみ2号」ですとぎりぎりの接続になります.)

7:42着 岡山 8:05発 やくも3号

10:51着 宍道 11:27発 備後落合行き

13:50着 出雲坂根 14:07発 奥出雲おろち号

14:55着 出雲三成 15:16発 備後落合行き

17:01着 備後落合 17:15発 三次行き

18:35着 三次 19:05発(平日は19:04) 広島行き

20:56着 広島

福塩線の場合は塩町19:17発の列車に乗り換え,福山着21:44着です.

 

この方法であればとりあえず「出雲坂根〜出雲三成」で「奥出雲おろち号」には乗車できる,ということです.ただし,一部見れない車窓・体験できない光景がありますことをご容赦ください.

この場合でも岡山に前泊した方が良いかもしれません.岡山に前泊した場合は山陰方面への列車に「倉敷5:43発西出雲行き;早いですが岡山・福山からも乗り換えられます」「サンライズ出雲」「やくも1号」も選択できます.「サンライズ出雲」は「ノビノビ座席」を利用することで実質「やくもマイナス1号(上りはやくも32号)」となります.現在でしたらパノラマグリーン車を二回まで粘って待つ,という使い方もあり得ます.

 

抽選申し込み制ツアーですが「WEST EXPRESS 銀河(WE銀河)」の京阪神発着ツアーを使う,という手もあります.この場合は21:03発「のぞみ78号」を使用して新神戸→三ノ宮への移動で「WE銀河」に乗り込み,米子に7:46着,8:11発「スーパーまつかぜ1号」を宍道(8:51着)で下り,木次線9:09発木次行きに乗り継げば「奥出雲おろち号」に乗車可能です.あとは米子に戻り(やや時間が空きますが芸備線.伯備線経由でも戻れます),ツアーの要請通りに1泊して,ツアーで使用できる最早の「やくも18号」を使用すれば,15:58発「のぞみ36号」(ツアーで「さくら」は利用できません),16:30に到着してツアーを終了させた後,新神戸で折り返して帰ることができます.山陰方面発のツアーを利用する場合は何かしらの方法で山陰にあらかじめ向かう必要があります.

参考に,帰り便の「奥出雲おろち号」と「WE銀河」を利用する場合は,「やくも26号」に乗り換えることで,「WE銀河」に松江・米子から乗車します.

 

かつては芸備線側で臨時列車が用意されたり,「奥出雲おろち号」が広島側からの利用に考慮されたダイヤで運転されたり,はたまた「奥出雲おろち号」の車両を使用した団体臨時列車が芸備線で運用(しかも,定期列車を宮原の12系に変更して併結)されたりしていたもので,時が経つにつれ,鉄道のネットワークが十分に生かされていない残念な現実を見ることになりました.これでは「廃止された三江線はもちろん,芸備線(特に三次以東)・木次線の役目は終わっている」「『広島〜松江・出雲』の移動は高速バスで」,ということも理解せざるを得ません.

 

本来この記事はもう少しゆっくり考えて出そうと思っていましたが,「WE銀河」の5月分の申し込み締め切りが3/17 18:00となっていることから,急遽記事化したものです.間違いはご容赦ください.見つけ次第修正しようと思います.

3/17 修正:早速ですが,運転日程が間違っていました.平日ではありますが,4/26〜28にも運転されます.

また,折り返しの上「出雲坂根」からの乗車は,「サンライズ出雲」でアプローチする場合でも有効です.帰りは米子経由で帰ることが勧められます.「やくも26号」に乗り換え,当日に東京に帰ることもできます.

なお,実際の旅行の際は運休などにご注意ください(この記事に取り上げた列車は,3/17時点では運休していません).

3/17 さらに追記修正:「WE銀河」のツアーを終了させるための手続きを行い,折り返しの新幹線に乗車するための時間が6分ではやや非現実的である可能性があるため,修正しました.また,各種追記を行っています.この記事はアプローチも鉄道利用を前提として書いていますが,実際の利用では家族連れの方々を中心に,自家用車で移動し「備後落合駅で下ろして,木次駅で拾う」というアプローチもされているようです.