JTB時刻表、2021年3月JRダイヤ改正号を購入した。

 

 


長年の時刻表好きにはダイヤ改正号のページをめくるのはささやかな楽しみであるが、2021年ダイヤ改正はあちこちで減便され、近年稀に見る不作という感じがする。時刻表編集部もダイヤ改正号を盛り上げようにも明るい材料が乏しく、さぞかし苦心したのではと察する。もっとも昨年から続くコロナ禍で、どこの鉄道会社も減便せざるを得ない状況では仕方がない。
ダイヤ改正号をめくりながら、思ったことをいくつかまとめた。

(※あくまでもJR高崎線の一般利用者の素朴な疑問と感想です



1 23時以降の減便


今回のダイヤ改正でいちばんの関心はやはり終電繰り上げと本数削減だ。私がよく利用する高崎線でも、23時以降の下り列車がずいぶん減った。私は年に数回、神宮球場へ野球観戦に行き、帰宅が遅くなることがある。よく乗るのは上野発22時23分の快速で、これに乗り遅れても高崎方面への普通列車がまだ何本も続いていたが、2021年改正後は、快速のあとは2本しかない。これは痛い。もし試合が延長戦になって最後まで観戦したら帰れなくなる。それに本数を減らすと、ダイヤが乱れた時に少なくなった列車に乗客が集中する恐れがある。


2 特急「あかぎ」、平日と休日で料金が異なるのはなぜ?

今改正で東海道線の特急「踊り子」が全車指定席になり、特急「湘南」と合わせて東海道線の特急から自由席がなくなった。中央線と常磐線の特急はすでに全列車指定席となっており、特急列車に自由席があるのは、房総方面と高崎線となった。
高崎線の特急は、平日は「スワローあかぎ」で全車指定席、休日は「あかぎ」として運転され自由席がある。また吾妻線に乗り入れる「草津」は曜日に関係なく自由席がある。
そこで素朴な疑問。なぜ「あかぎ」と「草津」を曜日に関係なく全車指定席にしないのか。平日と休日で料金が変わるのはもうやめにしたらどうか。つまり平日の「スワロー」というおかしな名称をなくし、「あかぎ」に統一し、「草津」も含めて、曜日に関係なく全車指定席にした方がわかりやすいのではないか。全車指定席は常磐線や中央線の特急で定着しているのに、高崎線だけが平日と休日で自由席があったりなかったり、また、特急料金が変わる理由がさっぱりわからない。



3 宇都宮線に通勤特急がないのはなぜ?

首都圏の全車指定席の通勤特急は、高崎線、常磐線、中央線、東海道線に運転され、房総方面は自由席が主体の特急がある。そこで疑問なのは、宇都宮線だけ通勤特急がないことだ。
かつて特急「ホームタウンとちぎ」や、「ホームライナー古河」があったが、今は普通列車と快速だけである。2階建てグリーン車は全列車に連結されているが、座席指定の列車はない。高崎線は「スワローあかぎ」が7本もあるのに、宇都宮線はゼロ。この差はなんだろうか。沿線の人口や利用者数の違いもあるだろうが、宇都宮線にも古河行き、または小山行きの通勤特急があってもいいと思う。


4 高崎線 鈍足の特別快速

土休日の朝の上り高崎線で普通列車より遅い特別快速がある。もう何年も前から時刻表を見るたびにおかしいと思っているが、2021年改正でも変わらなかった。
その列車とは、高崎発7時58分、湘南新宿ライン経由特別快速小田原行き、4823Y。この特別快速の高崎ー新宿間の所要時間が変なのだ。

 

 


 このように、特別快速4823Yの高崎ー新宿間の所要時間は2時間1分。これだけでも遅いが、平日の同時刻に高崎を出る小田原行きは新宿着9時58分。所要時間は約2時間0分。特別快速より若干早い。
さらに前後の高崎発の湘南新宿ライン経由の普通列車を比較すると、


高崎発7時40分は、新宿まで1時間52分
高崎発8時14分は、新宿まで1時間50分

高崎線内各駅停車より特別快速の方が時間がかかるのはどう見ても変だ。しかもこのおかしなダイヤは、私が持っている時刻表で調べる限り、2014年頃から続いている。この矛盾を解消するには、特別快速4823Yを高崎線内各駅停車として運転すればいい。平日も土休日も新宿までの所要時間は変わらないことは時刻表を見れば一目瞭然なのだから。
特別快速には料金がかからないから遅くても利用者に損はないが、所要時間に矛盾があるのをほったらかしにしておくのはもういい加減にしてほしい。