赤湯駅【山形県】(山形新幹線、奥羽本線【山形線】、山形鉄道フラワー長井線。2014年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
山形県南部、南陽市の中心部に位置する山形新幹線、奥羽本線【山形線】および転換第三セクター鉄道・山形鉄道フラワー長井線の駅で、古くからの名湯である赤湯温泉への玄関口である、
赤湯駅 (あかゆえき。Akayu Station) です。
 
 
駅名
赤湯駅 (駅番号なし)
 
所在地
山形県南陽市  
 
乗車可能路線
JR東日本:山形新幹線奥羽本線【愛称:山形線】  
山形鉄道:フラワー長井線
 
隣の駅
山形新幹線
福島方・東京方……高畠駅 
山形方・新庄方……かみのやま温泉駅 
 
奥羽本線【山形線】
米沢方・福島方……高畠駅 
新庄方・青森方……中川駅 
 
山形鉄道フラワー長井線
荒砥方………………南陽市役所駅
 
訪問・撮影時
2014年8月
 
 

赤湯駅は地平駅で南北方向にホームが延びており、東西に駅舎を構えています。
写真は正面口に相当する東口で、JR東日本が管理しています。
駅舎は故・鈴木エドワード氏が設計したもので、山形新幹線開業1年後の1993年に完成しました。パラグライダーを模したデザインになっています。建物内部に柱はありません。
駅外と駅舎の間に少し段差がありますが、駅舎両端に設置されたスロープで解消しています。
また、ロータリーを有する駅前広場が整備されており、バス停留所とタクシー乗り場が併設されています。
写真は南西を望む。
 
 

東口駅前の様子です。東北東を望む。後方に駅舎があります。
駅東側は住宅街で、東北東へ延びる駅前通り沿いには商店が点在しています。
この駅前通りを1.5kmほど進むと赤湯温泉街に到達します。赤湯温泉へは路線バス(コミュニティバス)もありますが、本数が少なく土休日は全便運休になりますので注意が必要です。
 
 

東口駅舎内の様子です。北西を望む。右後方に出入口があります。
赤湯駅は「新幹線」の駅ですが、やはりフル規格新幹線の駅と比較すると貧相な感じがします…。但し、LEDの発車標は設置されています。
段差のない車いす対応幅の有人改札があるのみで自動改札機はありませんが、改札内外に『モバイルSuica』用の簡易改札機があります。
改札口の右手前には『みどりの窓口』があり、その手前には新幹線用の指定席券売機(自由席も購入可能)と在来線の自動券売機があり、山形鉄道用の自動券売機もあります。
自動券売機のさらに手前側(右手)にはJR東日本系のコンビニエンスストア「ニューデイズ」があります。
改札外コンコースは待合室にもなっています。
また、改札外左側には観光案内所があり、トイレと多機能トイレもあります。改札内にトイレはありませんのでご注意下さい。
そして改札を通ると正面は1番線で、山形新幹線上り東京行きの『つばさ』が発着します。2番線、3番線と山形鉄道4番線ホーム、西口へは1番線右側にある跨線橋で結ばれています。但し、エレベーターがあるのは1番線と2番線の間だけなので、注意が必要です(3・4番線と西口はバリアフリー非対応)。
 
 

こちらは西口です。東を望む。
西口は山形鉄道が管理していて、1988年の長井線転換時に完成したログハウス風の平屋建て駅舎が使用されています。
こちらの西口にも駅前広場はありますが、歩行者用の公園スペースになっていて車両は乗り入れできません。
自動車での送迎時は、南側(右手)のロータリー状の区画に設置されている南陽市営赤湯駅西口駐車場(無料)を利用する形になります。
尚、西口にバス路線は乗り入れていません。
 
 

西口駅前の様子です。西を望む。後方に駅舎があり、正面は駅前広場です。
こちらの西口駅前は整然とした新興住宅地といった趣で、駅前に商店は見られません。裏口の雰囲気が漂っています。
駅前通りを500mほど進むと住宅地は途切れ、一面に田畑が広がります。
また、西口周辺にはため池が複数存在します。
そして、約1km北には南陽市役所がありますが、市役所の目の前に山形鉄道フラワー長井線の南陽市役所駅があるので、市役所へのアクセスはフラワー長井線が便利です。
 
 

西口駅舎内の様子です。東を望む。
駅員が配置されていますが、2014年時点で営業時間は平日・土曜の10:30~19:00のみで、それ以外の時間帯と日曜・祝日は無人となります。
丸太造りの改札ラッチがあり(有人改札)、右側には乗車駅証明書発行機があります。
改札口の左手前には出札窓口がありますが、マルスはなさそうなので山形鉄道線のきっぷや定期券だけを発売していると思われ、JR線のきっぷは乗車駅証明書を取ってから車内や降車駅で精算する方式と思われます。山形新幹線の指定席特急券が購入したい場合は乗車駅証明書をお持ちの上で東口へ回る必要があります。尚、単に東口へ通り抜ける場合は入場券が必要になります。駅員がいる場合は窓口での購入が必要で、駅員不在時は東口の改札口で入場料を支払わなければなりません。
ちなみに自動券売機は無かったと記憶しています。『モバイルSuica』用の簡易改札機もありません。
駅舎内には待合室(ベンチ)があります。駅舎内北側(左側。改札外)にはトイレがありますが、駅舎外にしか出入口がありません。
そして改札を通って右へ曲がると跨線橋の階段があり、各ホームと東口へ行けます。
尚、こちらの階段にはエレベーターがなく、バリアフリー非対応です。車いすで乗降の場合は東口へお回り下さい(3・4番線は介助が必要)。
また、西口側に売店・コンビニはありません。駅前にもありませんのでご注意下さい。
 
 

JR線・2番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR東日本の標準デザインで、矢印の中央には在来線の標準軌区間の路線愛称「山形線」のラインカラー(オレンジ)が表示されています。
山形線、山形新幹線には駅ナンバリングは導入されていません。
他に旧デザインの駅名標、建植式の駅名標、東口駅舎の色に合わせた駅名標があり、バラエティに富んでいます(2014年時点)。
 
 

赤湯駅は単式ホーム2面、島式ホーム1面の計3面4線の地平構造で、南北方向にホームが延びています。
 
右(東)の単式ホームが東口に面した1番線で山形新幹線と山形線の上り米沢・福島・東京方面、中央の単式ホームは右側の線路が撤去されていますが、左側が2番線で山形新幹線と山形線の下り山形・新庄・青森方面、そして左端(西)の島式ホームは右が3番線で山形線上り米沢方面の一部列車が使用し、左が4番線で山形鉄道フラワー長井線の全列車が使用します。さらに左側には西口があります。
 
現在のホーム有効長は1番線、2番線が山形新幹線に合わせて7両分ですが、両端に未使用部分(改軌前に使用していた部分)が残っています。3番線は6両分ですが、ホームからはみ出す形で山形新幹線の7両編成の列車が運転停車する事は可能です。山形鉄道の4番線は4両分ありますが、終端部1両分には停車しないため、実際は3両分です。また、主要駅ゆえに各番線とも一定のホーム幅が確保されていますが、1番線の新庄方と4番線の荒砥方(ともに写真前方)は狭くなっている部分があります。
上屋は1番線、2番線につきましては両端を除く大部分に設置されているものの、3番線・4番線につきましては中央部の約2両分(4番線は終端方の1両弱分)にしか設置されていません。
1番線ホームと2番線ホームにはベンチが設置されており、3・4番線ホームには待合室(ベンチあり。空調は?)が設置されています。
そして各ホーム間と東口・西口の間はホーム中央にある跨線橋で結ばれていますが、エレベーターは東口・1番線と2番線にしかありません。
写真は跨線橋の1番線~2番線間よりJR線・新庄方、山形鉄道線・荒砥方を望む。
 
 

こちらは跨線橋の1番線~2番線間より奥羽本線・福島方、山形新幹線・東京方、山形鉄道線・終端方を望む。
左から東口、1~4番線、西口の順です。
東口駅舎の向こう側、1番線福島方の反対側には貨物設備を転用したと思われる保線用の側線があります。
遠方には山形県と福島県の県境をなす西吾妻山などの山並みを望めます。
 
福島方はこの先、米沢盆地の田園風景の中を南下します。吉野川を渡ると高畠町に入り、市街地が見えてくると山形新幹線の停車駅でもある高畠駅へと至ります。
 
 

山形線の3番線より奥羽本線・青森方、山形新幹線・新庄方、山形鉄道線・荒砥方を望む。
3番線には原則として山形新幹線の列車は発着しません(1・2番線のみ)。
また、赤湯駅から5.5km先の北赤湯信号場までの間は複線区間になっています。
 
JR線はこの先、郊外を北上し、山形鉄道線が左へ分かれます。その後は右へカーブしながら上り勾配になり、右手に赤湯の町並みを見下ろしながら東へ走ります。そして左へカーブすると国道13号線と並行しながら山間部を北北東へ走ると周囲が多少開けてきて国道13号をアンダーパスすると北赤湯信号場に差し掛かり、それより先は単線区間になります。その後は山あいの農村風景の中を走り、右へカーブして進路を北東に変えると右手に「かわでん」の工場が見えてきて、中川駅へと至ります。山形新幹線はさらに2駅先、かみのやま温泉駅まで停車しません。
 
 

こちらは4番線に設置されている山形鉄道フラワー長井線の建植式駅名標です。電照式ではありません。
山形鉄道の標準デザインで、書体は違うものの国鉄式と同じ内容になっています。
下部のコーポレートカラーは車両のラインと同じ配列です。
尚、フラワー長井線に駅ナンバリングは導入されていません。
また、上屋下には吊下式の駅名標もあります。
 
 

4番線よりフラワー長井線の終端方、山形線の福島方を望む。
左から東口、1~4番線、西口の順です。4番線と西口の間には山形鉄道の側線が1本あり、前方に車止めがあります。
山形鉄道フラワー長井線は4番線の1線のみを使用します。当駅において4番線と側線を除く全ての線路が標準軌になっており、狭軌のフラワー長井線は必然的に4番線と側線にしか入れません。また、会社も軌間も違うため、山形鉄道と奥羽本線はレールが繋がっていません。
実質的有効長は3両分ですが、フラワー長井線の多くの列車は1両か2両です。4番線は点字ブロックも設置されておらず(3番線も同様)、エレベーターもないためバリアフリー非対応です。。
上屋は跨線橋辺りにしか設置されていません。跨線橋の荒砥寄り(手前側)には待合室が設置されています。
 
 

4番線より荒砥方を望む。右から東口、1~4番線、側線、西口の順です。ホームの先でフラワー長井線の4番線と側線が合流します。
この先、右側の山形新幹線・奥羽本線【山形線】と並走して住宅地の中を北へ走り、小国街道(国道399号)をアンダーパスすると左へカーブして、直進するJR線と分かれます。その直後、左前方にシェルターなんようホールと南陽市役所が見えてくると南陽市役所駅へと至ります。市役所が目の前にありますが、フラワー長井線の本数が少なく、広い駐車場が整備されている事もあり1日平均乗車人員は1桁と低迷しています…。
 
 

4番線より山形鉄道フラワー長井線の終端方を望む。左が3番線で、右が西口です。
跨線橋の少し先で4番線と側線の車止めがあります。
この景色を見ると、国鉄時代は奥羽本線とレールが繋がっていたのでしょうね…。
 
 
あとがき
私が赤湯駅で下車(乗車)したのは2006年、2014年の計2度です。いずれもJR線と山形鉄道線の乗換のため、必然的に下車して駅の外にも出ました。駅は長井線の三セク転換時や山形新幹線開業時に新しくなり、JR管理の立派な東口駅舎と山形鉄道管理のログハウス風西口駅舎の対照的な姿が面白かったです。駅は赤湯の市街地の西端部に位置しており、赤湯温泉は1.6kmほど東にあります。余談ですが2006年訪問時、山形鉄道フラワー長井線では私の地元である兵庫県加古川市出身の女優・上野樹里さんが主演を務めた映画「スウィングガールズ」のラッピング車両があった事に驚きました。
 
東京からですと山形新幹線『つばさ』に乗り、当駅下車です。一部の列車は当駅を通過するので乗車列車にご注意下さい。ダイレクトアクセスが可能で、余裕で日帰り訪問可能です(最大滞在時間12時間半程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東京まで東海道新幹線を利用して、東京駅から先は上記と同じルートで到達できます。若干タイトな日程になりますが、じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間7時間程度)。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、東口駅舎内(改札外)にコンビニ「ニューデイズ」があり(営業時間・6:20~21:00)、米沢駅弁「牛肉どまん中」も販売しています。一方、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りの飲食チェーン店は約900m北東の「かっぱ寿司」になります。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
特に大阪からの到達難易度が高いですが、山形新幹線、奥羽本線【山形線】、山形鉄道フラワー長井線を乗り鉄の際は、赤湯駅をスルーせずにぜひ一度は駅の外に出られてみて下さい!
 
(参考:JR東日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)