NO.2446 3月改正で廃止、「有明」の平成26年熊本駅発着末期の姿(前編、熊本駅着~留置編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 当ブログでもこれまでも述べておりますように、来る3月13日のダイヤ改正を持ちまして特急「有明」は廃止される事になっておりまして、掲載時の時点で、いよいよ廃止まで数日と言う所まで来てしまっております。
 
 「有明」の現在までの姿に関しましてはNO.2408も参照していただければと思いますが、改めまして少々ご紹介しますと、この列車は昭和26年に準急列車として愛称が誕生しておりまして、さらに昭和42年に特急化されておりまして、門司港~博多~熊本~西鹿児島(現・鹿児島中央)間1往復で運行されておりました。
 

 昭和45年には、鹿児島線全線電化に伴いまして、昼夜使用可能の583系電車で運行されるようになりまして、さらに昭和50年には485系電車も運行されるようになりましたが、国鉄末期には博多~熊本(・水前寺)間の区間運行を増発した事に伴いまして短編成化した車両も誕生しておりまして、5両編成が主に門司港~博多・西鹿児島間、3両編成が主に博多~熊本(・水前寺)間の運行に改まっておりました。

 

 【いずれも「にちりん」時に撮影】

 (5両編成)~旧鹿児島総合車両所Dk15編成

 

 (3両編成)~大分車両センターDo2編成

 

 

 そして、JR化後の昭和63年には783系電車が導入されまして、3両編成が博多~熊本・水前寺間向けに、5両編成が博多~西鹿児島間向けに導入されておりまして、783系電車の特徴としてA室とB室に分かれた姿は当時から珍しい姿が見られておりました。そう言った事もありまして、翌平成元年には熊本編成が4両化されておりまして、783系電車の人気を伺わせておりました(詳しくは後述)

 

 (CM1編成(前5両))~新製当初は3両編成でした

 

 

 その後、平成4年には門司港・博多~西鹿児島間が「つばめ」化されまして787系電車が導入、さらに783系電車も上の画像のように5両化されましたが、平成11年に「有明」向けに787系電車4両編成が導入、平成12年には全787系電車化されまして、豊肥線乗り入れも行われておりましたが、平成23年の九州新幹線の博多~鹿児島中央間全線開通で787系電車4両編成は大分車両センターに転属した事から「有明」は大幅減便となりました。

 

 

 そして現在は、787系電車7両編成によりまして、大牟田→博多間1本のみの運行となりまして、この運行も、大牟田駅6時43分発→博多駅7時37分着となっている事からもわかりますように、運行されております時間帯も通勤時間帯にもなりますので、通勤客の方を中心にこの列車を利用しております。

 
 
 さて、冒頭でも述べました783系電車の運行は、登場しました昭和63年改正から平成12年まで、そして平成23年の改正から平成30年3月の改正までの2期の間運行されておりました。以下画像は、平成元年の3月改正の時刻でありまして、783系電車も当初3両編成から4両化されておりましたが、この時は西鹿児島系統も含めまして、当時は17往復で運行されておりましたし、783系電車以外は485系電車でも運行されていた頃でもありました。

 
 この時刻を見ますと、列車番号が水前寺→熊本間で「M」が表示されていない番号のみの表示ですが、これは豊肥線が電化されておりませんでしたので、DE10形ディーゼル機関車+ヨ8000形車掌車(電源車扱い)+783系&485系各電車の組み合わせで運行されておりました。そのため、水前寺方先頭はDE10形ディーゼル機関車ですが、熊本(博多)方先頭は特急型電車でしたので、水前寺→熊本間は推進運転を行っておりました。
 
 さらに、「スーパー有明」と書いてあるのがわかりますが、これは当時「有明」の速達列車を表していたものでありまして、停車地も博多・鳥栖・久留米・大牟田・熊本・八代・水俣・出水・川内・西鹿児島でありました。また、所要時間も4時間5分となっておりましたので、九州新幹線の速達列車(「みずほ」)が最速1時間19分となっている事を思えば、当時の約3分の1で福岡~鹿児島間は行けるようにもなっていた事がわかります。
 
 
 ここまで、「有明」に関しまして現在までの姿を改めてご紹介しましたが、ここからは平成26年2月に撮影しておりました、翌3月のダイヤ改正で廃止となります、熊本駅発着「有明」廃止前の姿を前編・後編の2回にわたりまして皆様にご紹介してまいります。ここでは、来る3月改正で一部編成が姿を消す事が予想されます783系電車の編成も出てまいりますので、かつて活躍した姿を偲んでいただければとも思っております。
 
 (CM32編成)
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 冒頭にもご紹介しましたように「有明」は、九州新幹線が博多~鹿児島中央間が全線開業しました平成23年3月改正で大幅減便となっておりまして、これによりまして先述・上の画像のような多くの本数は見られなくなっておりました。この改正では、本数も下り4本・上り3本に減便されておりましたが、下り3本・上り2本が長洲駅発着に改められた以外は1往復のみ熊本駅発着が残されておりました。
 
 そんなこの熊本駅発着の「有明」は、平成23年の九州新幹線全線開通後も、博多発深夜(7号)、熊本発早朝(1号)に運行されておりました列車でありまして、いわゆる新幹線の補完する列車として運行されておりまして、新幹線開通によりまして「有明」自体が大幅減便となりながらも1往復だけ残されておりました。
 
 これは、主に九州新幹線が運行終了後の補完列車として運行されていたものでありますし、早朝発も九州新幹線の始発列車が運行される前に運行していた列車でもありまして、以下の表のような運行形態でもありました。
 
 7号 博多0時15分発→熊本1時48分着
 1号 熊本4時43分発→博多6時10分着

 

 

 しかし、先述のように平成26年3月の改正に伴いまして熊本駅発着の「有明」は廃止されておりまして、それ以降は長洲駅発着に全ての列車が改められましたが、平成30年のダイヤ改正より、冒頭ご紹介しました大牟田駅発1本を除く全てが廃止されまして、現在のように787系電車による1本のみの運行に改まっておりました。

 

 

 さて、ここからは熊本駅での撮影までの模様をご紹介してまいります。この時の撮影は、廃止まであと1ヶ月に迫っておりました熊本駅発着の「有明」でありましたので、その姿を見てみたく今回の撮影決行に至った次第でありましたが、福岡から熊本へは画像の高速路線バス「ひのくに号(九州産交バス便)」で熊本まで足を運んでおりました。
イメージ 2

 

 この時乗車しておりました「ひのくに号」は、当時天神バスセンターを23時40分発、熊本駅を1時39分に着くバスでありまして、いわゆる最終便でありました。尚、この運行は「新型コロナウイルス」によります需要減で廃止されておりまして、現在福岡発最終便も1時間以上繰り上げまして22時30分発に改まっております。
 
 この系統は、他の便が博多バスターミナルを経由しまして熊本へ運行されているのに対しまして、この便のみ博多バスターミナルを経由しない天神高速バスターミナル発着便でもありました。したがって、他の便が渡辺通りを南下するのに対しまして、この便のみ渡辺通りを北上し、天神北ランプに乗る形となっておりました。

 

 

 そんなこの「ひのくに号」は、熊本駅には7分ほど早く到着しました。そんな駅前は画像のように車も通らないほど寂しい姿が見られておりまして、まさに深夜だなという印象さえも感じられていました。
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 熊本駅のバス停で下車しましてから、熊本駅構内に入ってまいりましたが、画像にありますように、すでに券売機自体も消されておりまして、券売機の購入自体できなくなっておりました。そのため、この時間の券売機での入場券自体の購入もできなくなっておりました。
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 (アップ)
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 また、改札機自体も使用できなくなっておりました。そのため、駅員さんも呼ぼうとしましたが残念ながらいらっしゃいませんでしたので、別の場所から入る事ができないかと思いまして新幹線口へと行きますと入る事ができておりましたので新幹線口の在来線改札口より入りまして、ホームへと向かっておりました(尚、券売機は新幹線口でも使用はできませんでした)。
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 こうしてホームに入ってまいりますと、普段にぎやかな熊本駅も静寂な姿が見られておりました。しかし、この後「有明7号」が入って来る事にもなりますので、その姿も間もなく止まろうとしておりました。
 
 (3番ホームより1番ホームを望む)
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 (3番ホームと向かいの5番ホーム)
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 しかし、この日の「有明7号」はなぜか遅れておりまして、熊本駅1番ホームに滑り込んできましたのは定刻1時48分から7分も遅れまして、到着も深夜1時55分と間もなく2時を回ろうとしている頃の到着となりましたのでまさに未明の到着と言う事になっておりました。本当に、この列車は九州新幹線の補完列車ではあった訳ですが、このように未明に到着していたと言うのは遅くまで運行していた事を実感する姿ではなかったかとも思う所ではなかったでしょうか。
 
 (入線)~画像が乱れまして申し訳ありません
イメージ 9イメージ 10

 

 783系電車4両で熊本駅に到着しました「有明7号」は、3番ホームから見ました所、数名の下車客しかいらっしゃいませんでした。おそらくはその前の上熊本駅以前の停車駅で下車されていたでしょうから、終点の熊本駅まででそれだけの下車客しかいらっしゃらないのもわからなくはありませんでした。
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 そんなこの日の「有明7号」は、783系電車CM31編成でありまして、いわゆる「きらめき」・「かいおう」の運用を中心とする編成でありました。ちなみに、この編成は前日には「ハウステンボス」の運用にも入っていたとの事でもありましたので、その後この「有明」の運用に戻っての運用であったようでありました。
イメージ 12イメージ 13
 
 ちなみに、CM31編成はこのほど5両化されております。この編成も3月の改正でどうなるか?とも言われておりますが、この編成(特に先頭車)は元々は鹿児島「有明」編成でもあった車両でもあります。こういった時に5両化されたのもかつてを偲ばせる所でもあったのではないかとも思う所でしょうか。
 

 

 この編成の行先は、既に行先は「回送」となっておりました。この後この編成は先の熊本車両センターへは行かずに、後述のように熊本駅構内で休む事にはなりますが、一旦ホームを離れますのでこの行先はわからなくはなかった姿でしょうか。
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 さて、時間も以下画像のように間もなく2時を回ろうとしておりましたが、既に構内には乗客もいらっしゃらず、私も改札を出て行きました。駅の改札を出て行きます際には、先述のように新幹線改札口からお金を払わずに入っておりましたので、駅員さんに新幹線改札口から入った事を伝えまして、入場料160円を支払いましてから改札口を出たのでありました。
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 (静まった構内)
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 その後783系電車CM31編成は、私が改札から出た直後に、熊本駅1番ホームを出まして八代方の本線上に一旦停車しまして、その後以下画像にありますように3番ホームに転線して停車しました。さらに3番ホームに停車しました直後にパンタグラフが下されまして、この日の運行は終了しまして、約2時間40分後に運行する事になります「有明2号」発車まで休む事になります。
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 (パンタグラフが下されました)
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 今回は平成26年に撮影しました、783系電車で運行されておりました「有明」に関しまして、前編として熊本駅到着~転線までの姿をご紹介しましたが、この姿からも新幹線を補完する役割は果たしていたようではありますし、深夜2時近くまで運行されていた所が、九州新幹線が新八代~鹿児島中央間開業前まで運行されておりました「ドリームつばめ」を彷彿とさせる所が懐かしい所ではなかったかとも思います。そんな「有明」も今度の改正で廃止、783系電車も同じく今度の改正で動きが見られるようではありますが、次回後編では、折り返し列車でありました「有明2号」の姿をご紹介しますので、次回もご覧いただきたいと思います。
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