天賞堂製 東急7200系の台車交換と床下機器について クハをデハに改造する(3) | 模工少年の心

天賞堂製、東急7200系のクハ→デハ化改造工作についての報告、3回目になります。

 

屋根上の作業が終わった後、すぐには窓サッシ等の嵌め戻しをしませんでした。

どうせなら、ヘッドライト、テールライト、標識灯の点灯化工事を一緒にやってしまおうと思ったからです。

それがそう簡単には、できそうもないことを結論として得たあと、嵌め戻しておきました。

(Nゲージのライトユニットの構造を参考に、今後検討していきたいと思います。)

 

ということで、下回りの工作に着手しました。

 

そもそも、クハ→デハ化ができると踏んだのは、使える台車があったからです。

東急車両製の台車は、京王井の頭線の3000系用のTS801から東急7200系用のTS802、京王5100系、5000系用のTS803、TS804・805、京急400系用のTS806など、非常によく似た外観で、瓜二つの兄弟といってもいいくらいです。

 

これらの台車のうち、日光モデルからTS804・805台車が発売されています。これならデハ7500形のTS802にすぐに流用できます。

 

天賞堂の製品にもともと付いているプラの台車枠も出来がよく、申し分ありませんが、それでもダイカスト製の台車に馴染みのある自分にとっては、日光製台車の方が好ましく思われます。

(上は製品の台車。下は日光モデルの台車。)




日光製台車の台車枠をクレオスのセミグロスブラックで塗装したところ、もとのプラ台車と色調は全く同じになりましたので、言われなければ違いがわからないほどです。

 

ただし、日光の台車はボルスターアンカーが台車に付く構造になっていて、天賞堂の製品の方は車体側に固定する構造になっていることが大きな違いです。

 

TS804とTS802のボルスターアンカーの形状は異なりますから、当然ボルスターアンカーについては、製品のものを採用します。

 

そのために簡単な加工が必要になります。

ボルスターアンカー取付部の出っ張りをニッパーで欠き取りヤスリで台車枠の表面をフラットに仕上げます。

 

そうすると、台車枠の全幅は27ミリ少々でプラ台車と同じサイズになり、そのまま台車の交換することができました。

 

(これは私の教訓ですが、ディスプレー用台車枠を外した後は、ボルスターアンカーは、すぐに、ごく少量の接着剤で固定しておいた方がよいと思います。あのような立体的で、厚さがなく、それなりの強度が必要なパーツは、自作は無理で代替できるものはありません。なくなってしまったら、本当に困るパーツの一つです。)

 

床板の方も加工が必要です。

製品の床板はパワートラックが無加工で取付できるよう床板が嵩上げされていますので、プラバンを貼り重ねて、台車の取付部がフラットになるようにします。

 


実際には、1ミリ厚のプラバンを床板の凹みのサイズに2枚切り出し、1枚はφ9.0の孔を、もう1枚の方はφ6.0の孔を開け、2枚を貼り合わせます。

マクラバリは、KSモデルのNo.947、マクラバリE(厚さ1.5ミリ)を使うと、製品と車高が揃います。

 

もとの台車と日光の台車と比較すると、走行化パーツを組んだプラ台車も軸受メタルを付けますので、走行抵抗は、ほぼ同じ程度です。

ただ、レールに乗せて走らせてみると、走行音に明らかな違いのあることがわかります。日光台車の方は「ゴォー」という感じで、プラ台車の方は「サァー」という感じです。

こんなにも違うものかと思いました。

 

それと、日光の台車に替えると、取付が少し面倒な台車導電板を付けなくて済みます。

これは、私には、小さくないメリットと感じました。

 

私が使用した日光の台車は、旧価格の1650円(税抜き)で(現在は1840円に値上がっていますが)、製品指定の走行化パーツキットの価格が1200円です。

この価格差をどうみるかは、人それぞれだと思いますが、日光の台車にも検討の余地はあると考えます。

(ただし、クハのパイオニア台車(PⅢ-707)は、販売されていません。また、せっかくのプラ台車枠をムダにするというのも、気にはなります。)

 

床下機器については、当初は、アルモデルの京急デト用のパーツなどから使えるものを使い(あまりなさそうですが…)、複雑なシルエットの機器はオユマルで自作しようと考えていたのですが、そのような面倒なことはせずに済んでしまいました。

 

実は、天賞堂のデハ用の床下機器のパーツを手に入れることができ、そっくり交換してあっという間に完了してしまいました。

 

ロングセラーのカツミの103系用のプラ製床下機器が500円ですから、T-evolutionシリーズの床下機器は、もう少し高い値が付けられていても、多くの電車ファンから喜ばれそうです。

 

これでクハ→デハ改造は終わりますが、床下機器についての知識がなく、各機器の名称はもちろん、用途もわかりませんので、こういう基礎的なところから、(精通とまでいかないにしろ)一通りわかるようにしていきたいと思っています。