(2016年旅の記録5回目 前回は柳津から本吉まで)

 

気仙沼線BRTのバスは本吉に着いた。

 

 


本吉では数分停車時間があり、運転士が交代した。本吉から気仙沼の区間はBRTになってから本数が増えた。
本吉から国道45号線に出て、小金沢、大谷海岸と海に近い所を走る。

 

 

 


再び専用道路に入り、陸前階上(りくぜんはしかみ)に到着。

 

 

 


陸前階上ではホームも跨線橋もそのまま残り、ここが鉄道の駅だったことは一目瞭然だ。
陸前階上駅といえば、50年以上も昔の映画「喜劇・急行列車」を思い出す。作中、渥美清の演じる主人公は国鉄に就職し、最初に配属された職場が陸前階上駅であった。田舎の好青年とベテラン駅長の和やかな雰囲気が印象に残っている。バスの中からBRTの駅になった陸前階上駅を見ても、昔の映画の面影は感じられない。

 

 

 


陸前階上の次は最知(さいち)に着く。

 

 

 


この辺りは平坦な直線が続く。専用道路の両側はガードレールで囲まれているが、所々に人が横断できるように切れ目がある。BRTになる前は踏切があったのだろうか。

 

 

 


柳津を出てから2時間、ようやく気仙沼市内に入った。前方には気仙沼線のガードが見える。

 

 

 


気仙沼の一つ手前、不動の沢から最後の専用道路に入る。また対向車と「交換」する。

 

 

 


交差点の「踏切」では遮断棒が閉まり、バスはしばらく待たされる。鉄道時代には列車が優先で、車の通行を止めたはずだが、立場が逆になっている。これまでに見たことのない光景なので違和感がある。

 

 

 


気仙沼市街の南側を回り込むように右にカーブすると、左手から一ノ関からの大船渡線のレールが寄り添ってきた。

 

 

 


線路と共にも進んでいくと、気仙沼駅が見えてきた。大船渡線には車止めが設置されていた。

 

 

 


柳津から2時間半、気仙沼に到着。

 

 

 


気仙沼駅も跨線橋やホームはそのまま残り、BRTと大船渡線の列車が共存する新しい駅になった。
 

 

 

陸前高田方面へのバス同士が「交換」する。

 

 

 


気仙沼駅の駅前の様子。

 

 

 


気仙沼から大船渡線一ノ関行きに乗る。右側がBRTで、階段の乗り降りなしで移動できる。

 

 

 


気仙沼を出て、先ほど乗ってきたBRT専用道路が左に分かれてゆく。
一ノ関へ出た後、帰途についた。

(追記)震災から5年後の被災地の鉄道をわずか2日で、それも限られた地域のみを慌ただしく見るだけの旅であるが、実際に現地を訪ねてみると、報道で見聞きするだけではわからないことがたくさんあると痛感した。
気仙沼線のBRT区間は年々整備が進み、今では私が乗った時より、専用道路が延長されたそうだ。気仙沼より先、陸前高田方面のBRTにもいつか乗ってみたいと思っている。