列車は「大草原の小さな駅・厚床(あっとこ)」に到着。

六角さんが「呑み鉄・夏の花咲線」で、厚床駅をこう称してましたね。

 

いろんな旅人が、雪のホームを歩いているみたい・・

厚床駅は1989年に廃止となった「国鉄・標津線(厚床支線)」と根室本線との分岐点。

標津線の歴史を語り継ぐ看板が、今は駅に設置されている。

 

我が故郷を走った標津線・・

高校に通うためタラコ色のキハ22に乗った3年間は、とても楽しかったな~

学業より乗り鉄!だったので・・笑

※写真1・2:厚床駅とありがたい標津線の紹介看板

 

懐かしい記念グッズで、標津線(根室標津~標茶間(本線)69.4km・中標津~厚床間(支線)47.5km)を、ご紹介します。 

 

この写真は「地域の名峰・武佐山」を背景に、厚床支線を走るキハ40。きっとここは、中標津の市街地郊外あたり?

次の写真は標津線を思い起こす、お気に入りの一枚!

 

ここは本線の西春別駅。手動式の腕木式信号機は、やっぱりいいね~

赤い羽根が下を向いているので信号は青。キハ40は標茶方面に発車した直後で、列車後方から撮影した写真。

 

そして電柱!

往年の函館本線から見れば、小さな「ハエたたき」だが、本当に懐かしい。

次のオレンジカードは、まさに「ザ・標津線」!(オレンジカードって何?笑)

 

標津線を走る根釧台地は、平坦な大地より低地に川が流れる独特の地形なので、中標津~標茶間(本線)、中標津~別海間(厚床支線)には、このような「ジェットコースター線形」がある。

 

ここは厚床支線。

列車は駅を発車するとすぐに、急な下り坂を惰性走行ながら、一気に加速。川を渡り上り坂が始まると、エンジン全開!

 

しかし馬力不足で、あっという間にスピードダウン・・ 何とか坂を上り切り「やれやれ」と思いきや、次の「ジェットコースター線形」がまた現れる。

 

昔「ゆりかご列車」と言われたのも、わかりますね。この独特な走りは、まさに「無形文化財」。

※写真3~5:今や大切な宝物!標津線記念グッズ

 

おや・・線路の向こう側に、SLの転車台跡を発見!

標津線を走ってたSLが、ここで方向転換したのだろう。これは貴重な鉄道遺産だ。

一方、かつて標津線を走ったC11-171の勇姿は、時を越えて、今も「SL冬の湿原号」で見ることができる。これは奇跡!

※写真6・7:懐かしい転車台(厚床駅)と道東を走るC11-171(釧網本線)

 

話を花咲線に戻して・・

午前9時59分、釧路発根室行普通列車(5629D)、厚床駅発車。

乗客は相変わらずの7人で、車両後方に陣取るのは私だけ。両側の車窓の景色を楽しめる最高の環境は続く。

※写真8:写真は午後3時8分発・根室行普通列車(5635D)(2020年2月)

 

列車は広大な牧草畑を通り過ぎ、原生林の森の中を走り続けている。

 

この直線は、最高だ!

どこまで続いているのだろう・・

 

動物の足跡も、相変わらず多いな~

人間だけでなく、野生動物の移動にも貢献度大の花咲線。

大自然の魅力は、スケールが大きい。

厳冬でも葉が落ちない力強い松林と、美しい白樺林。心に残る車窓の景色が続く。

※写真9~12:人里離れた大自然を走る花咲線(厚床~別当賀(べっとが))

 

ガタン~ゴトン~♪ガタン~ゴトン~♪

列車が来るぞ~、来た~ルパン列車!

 森の中を軽快に走り去って行った。

 

※写真13~15:嬉しい出会い、ルパン列車!(厚床~別当賀)

 

おっ!あっちこっちに足跡発見!これは凄いね。

ここは森が切り開かれているエリア。

きっと多くのエゾ鹿さんが、雪解け早い海岸近くの丘で、草を食べるために線路を越えて行くのだろう。

衝突しないことを祈る。

釧路駅を出発して約2時間・・

遂に、全国屈指の絶景ポイントにやって来た!

次のカーブを左に曲がると、どんな景色が待っているのだろうか?

※写真16・17:エゾ鹿との衝突を避けながら、列車は絶景ポイントへ進む(別当賀~落石(おちいし))

 

うわ~綺麗だな~!

海がキラキラ輝いている・・

ここは落石・三里浜海岸。

凄い・・最果てを感じる景色・・

ここで降りたいね・・

 

※写真18~22:絶景!落石・三里浜海岸(別当賀~落石)

 

ここは撮り鉄さんの、人気スポット!

 

キハ54の車体がギラリと反射する午後や夕方が狙い目で、今日、釧網本線では「SL冬の湿原号」が走り、しかも平日。

予想どおり、5629Dを撮影する人はゼロ。新型コロナの影響で、乗客はほぼいないはず。めったにない機会と思い、近くでパチリ。(2021年2月)

 

列車がやってきた!

 

 

キハ54はここからエンジンを唸らせ、上り坂の急カーブを進んでいく。

 

 

遥かなる落石・三里浜海岸!

この地に立つと、誰もがその雄大さに圧倒され、魅了されると思う。

エゾ鹿さん、よい場所を譲ってくれて、ありがとう・・

定番の撮影場所で、私もパチリ!

憧れの聖地に来れて幸せです。

※写真23~30:絶景!落石・三里浜海岸(別当賀~落石)

  

  (つづく)

 

※追伸

「北海道ローカル線旅日記!冬の花咲線(釧路駅~根室駅)」をご訪問いただきまして、誠にありがとうございます。

 

本州は春到来と思いますが、北海道はまだ雪と寒さが続いています。

雪景色の中を走るローカル線は風情があり、人気があると聞きますので、「冬の花咲線」で北海道の冬のローカル線を味わっていただければ幸いです。