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この日、まだLED未稼働でした

本題に入る前に先週の答え合わせから。ガウォック駅と共にもう一駅、上下線が競合してしまうボトルネック駅はルンプヤンガンです。先日公開された前面展望動画をご覧になればわかる通り、ルンプヤンガン駅はホーム上屋のある1番~3番線がいずれも下り線に位置するという不思議は配線をしており、上り列車は当駅を通過するのに限り4番線を走行しますが、それ以外は一旦下り線に転線しなければなりません。



厳密にいえば、電車の始発駅、ジョグジャカルタも駅本屋を挟んだ南側(下り線)が普通・快速ホーム、北側(上り線)が長距離というように棲み分けをしているため、これもボトルネックなわけですが、電車にとっては折り返し駅ですので、そこまで大きな問題にはならないでしょう。それにしても、ジョグジャカルタもルンプヤンガン、それにソロバラパンと、インドネシアの鉄道黎明期(ジャカルタ~ボゴールより1年ほど早い)の各駅は不思議な配線をしています。上下線も間に駅本屋があるというのが当時の流行りのようですが(有名なアンバラワ駅もこのタイプですね)、使い勝手を考えたら全く効率的ではなく、オランダは何をやりたかったのか不思議に思います。もっとも開業時は単線で、クトアルジョ~ジョグジャ~ソロ間に至ってはJICAコンサルが線を引いているわけですから、何をか言わんや・・・なわけですが。まあいい加減刺されそうなので、これ以上は何も言いません。

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交番検査の為、クラテン電留線でお休み中のM22編成

で、ここからがタイトルの件に戻りますが、2月28日の交番検査時に205系M22編成の前面LEDが現地製LEDに交換され、ジョグジャ地区の行先表示に対応するようになりました。ジョグジャ転属組のM22&M23編成はジャカルタでの試運転時には既にROM更新が為され、ジャカルタ地区での行き先表示には対応済でしたが、まさかのジョグジャ転属となってしまいそれも水の泡となってしまいました。もっとも、UJI COBA OPERASI中は客扱いしていてもUJI COBA表示で乗り切っていたわけですが、本開業後はそうはいかず、せっかくの表示器が持ち腐れになってしまっていました。しかも、ライバル?であるKFWはテンキーシステムで好きな行き先を表示できるため、旅客案内の面で205系は大きなハンディキャップとなっていました。この点をKCIも問題として捉えており、ジョグジャ地区への対応を急いでいました。もちろん高額な正規ROMをこの2編成のために新調するわけにも行かず、無難に現地LEDを設置することになりました。

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拡大
側面流用のトホホLEDの数倍見やすいですが、
シャッター速度は相当落とさないと切れます

気になるのは、この行き先をどのように操作しているかです。側面LEDはKFWにも存在しないことから、今後は切の状態になってしまうと思われ(しかし大統領式典の画像を見ると側面にTIDAK UNTUK PENUMPANG表示が出ているのを確認できます)、LED背面に切り換えスイッチでも付いているのだろう?と思っていたのですが。

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え?アンチョルですか??
撮影:E103系

単純にソロ、ジョグジャカルタ、それにクラテンの3駅のみに対応しているのかと思いきや、この通りジャカルタ地区の駅名も収録しているようなのです。となれば、簡単なスイッチでは対応できず、何らかの指令システムがあるはずです。ANCOLなんてマニアックな駅を出せると言うことは、当然ジャカルタ地区の主要各駅を収録していて間違いはないでしょう。また、今後側面にも反映されるのか気になるところで、これでまた次回訪問時の宿題が出来てしました。

またジャカルタにも対応させているということは、今後M22・M23編成はKFWの増投入と共にジャカルタに再び戻って来るということを意味しているのでしょうか。それとも、ジャカルタのトホホLEDも順次これに置き換わるのか?いや、そんなことしたら、それこそ正規ROMとの兼ね合いが問題になると思いますが。とにかくどのようなシステムでこの表示器が動いているのか、次回訪問時にはチェックしなければなりません。

★今週もジョグジャリモート鉄★

本開業後初の動画です
205系バティック帯の走行をお楽しみください

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コメント

コメント一覧

    • Wawan
    • 2021年03月07日 15:22
    • こんにちは。日本で住んでいるインドネシア人(ジョグジャ出身)ですが、地元の鉄道事情を知りたくていつも拝読しております。

      ジョグジャカルタ駅舎についてですが、上下線に挟まれた理由は確か元々南側と北側が別の会社だったからです。南側がNIS社(私鉄、標準軌)で、北側がSS(オランダ国鉄、狭軌)の終点でした。つまり、正門にある踏切は元々なかったです。

      一方ソロバラパン駅は南北両側ともNIS社だったが、南側がJogja/Madiun行きで、北側がSemarang行きでした。憶測ですが、多分当時は別々の線の扱いで、乗り換えが必要だったのではないかと思います。(数年後Solo Jebres-Madiun線はSSに買収されたらしいですが…)
    • パクアン急行
    • 2021年03月07日 17:38
    • >Wawan様
      いつもご覧いただきありがとうございます。

      ジョグジャカルタ駅の配線、納得しました。確かにスマラン~ソロ~ジョグジャカルタはNISの標準軌区間でしたね。正門の明らかに不自然な踏切の謎が解けました。また、乗り換えのことを考えると上下線の間に駅本屋を作るというのも確かに合理的だったのかもしれませんね。ソロバラパンの駅前って何もありませんが、元々は乗り換え専用駅だったんでしょうか。
    • Wawan
    • 2021年03月07日 22:01
    • ソロバラパンの駅前のことですが、今考えると確かになぜあんな何もないところに駅を建てたのかと思いますよね。調べてみたら昔はそこにマンクヌガラン宮殿の広場があって、そしてその広場の北部に競馬場(Balapan)があったらしくて、そこで駅を建てたわけです。つまりソロバラパンはマンクヌガラン公国の中心部にあるらしいです。私も今調べて初めて知りました。
    • パクアン急行
    • 2021年03月08日 12:46
    • >Wawan様
      詳しく教えていただき、ありがとうございます。Balapanとは競馬場のことなんですね!!それにしても今や跡形もないですね。また何かありましたらコメントで教えて頂けると助かります。
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