川重がバングラディシュ向けの鉄道車両を初出荷 首都ダッカの都市鉄道に導入



川崎重工業(川重)は3月4日、バングラデシュの首都ダッカで建設中の都市鉄道(MRT)向けに製造した車両を神戸港より出荷したと発表した。4月にはダッカの車両基地に到着する予定。現地での納入整備や走行試験などを経て、MRTを運営するダッカ都市交通会社(DMTCL)に引き渡される。

ダッカMRT6号線向けの車両。【画像:川重】

この車両は2017年8月、川重と三菱商事が144両(6両編成24本)を共同で受注。ダッカMRTの6号線に導入される計画で、今回の出荷が最初の編成になる。車体はステンレス製で、寸法(先頭車)は長さが19.8m、幅が2.95m、高さが4.1mだ。

室内用CCTVカメラに加え、ワンマン運転時に乗降客やプラットホームの状況を確認するための車外用CCTVカメラも装備。客室内の乗客だけでなく、乗降客やプラットホーム上の安全にも配慮しているという。このほか、大容量空調装置を1両につき2台搭載。高温多湿の現地環境においても快適な車内環境を実現するとしている。

6号線はバングラデシュで初めて建設されるMRTで、ダッカの中心地を南北に縦断する鉄道路線。全線高架で全長は約20km、16駅が設けられる。ダッカのMRT開発は計画策定段階から日本の国際協力機構(JICA)がバングラデシュ政府の支援しており、6号線はJICAが同政府との間で結んだインフラ整備支援に関する円借款契約により建設が進められている。

ダッカでは6号線以外のMRTの建設も計画されている。川重は「経済発展と都市化の進展により、今後MRT車両の需要が継続的に増加することが期待されています」としている。