2019年11月に行った長野の旅の記憶。前回の渋温泉と地獄谷野猿公園の記事はこちら。
長野電鉄の長野から善光寺下までの区間は1981年に地下化されたらしく、40年経っているわけですが、権堂駅は当時の雰囲気をそのまま残してくれていました。
平成一桁生まれの私にとって、こういう風景は小さい頃の記憶に重なります。
沢山のインフォマーシャルに溢れています。
階段を上り地上に出ても昭和の景色は続きます。この相生座という映画館は現役でした。映画館というよりむしろ映画のセットのようです。
善光寺の参道である中央通りまで来ると一気に雰囲気が変わりました。電柱などもなく観光地として整備されています。(個人的には権堂駅のような自然体の雰囲気の方が好きですが、これはこれで素敵な景色です。)
おやきを食べながら門前町らしい雰囲気を歩きます。
善光寺の近くには、宿坊が軒を連ねていました。どこも建物と庭木が美しい。宿坊一つ一つもこれまたお寺だそう。
善光寺はどこの宗派に属しておらず、広く民衆を受け入れていて昔から人気があったらしいです。どことなく開放的な雰囲気を感じなくもありません。
三門をくぐり本堂へ。本堂はこれまで幾度も火災にあってきたのだそう…1707年に再建されて今に至るとのことです。
本堂から三門を眺めます。こちらの門は1750年築だそうです。戦争も乗り越え今こうやって江戸時代の人々が眺めていた景色を拝めるのは本当にありがたいものです。
宿坊の立ち並ぶ通りを歩いて門前町へ戻ります。
美味しそうな和菓子や食べ物を売る店が軒を連ねます。写真は違いますが七味唐辛子の八幡屋礒五郎の洋館が特に目を引きました。
短い距離でしたがバスに乗って長野駅に戻ります。善光寺付近から長野駅方面へのバスは次から次へとやってきました。
駅構内には名古屋行きの特急「しなの」。長野から名古屋までは姨捨の車窓や中山道の宿場の街並みなど数多く惹かれる場所があります。
台湾の列車を彷彿とした蜂のような配色の電車。
ちなみに私が台湾で乗車したことがある列車です。色合いが本当に同じ。
篠ノ井線は善光寺平の盆地の中を進みます。そして、徐々に標高を上げてゆき…
日本三代車窓の姨捨に到着です。善光寺平を見下ろします。
姨捨駅に停まる電車はスイッチバックを一度するような形になっています。特急が通過するまで暫し停車。特急はスイッチバックはせず、下に見える線路を駆け上がって行きました。
特急が遅れているということでホームをふらふらします。駅舎も洋館のようで素敵です。
乗車時間は大体1時間20分ほど、15:30に松本駅に到着しました。
何か首都圏郊外の駅というような雰囲気があります。まだまだ遠いのですが、長野市に比べて東京に近づいたなという気持ちになりました。
長野は善光寺の門前町、こちら松本は松本城の城下町。やはり街の雰囲気が全然違います。長野の方が開放的、松本の方が重厚的な感覚を覚えました。
女鸟羽川にかかる千歳橋(せんさいばし)を渡ります。色々な博物館などがあり、ゆっくり周ってみたかったのですが、時間と体力的に断念。この川は自然の川なのでしょうか。松本城のお堀としての役割も果たしていそうです。
女鳥羽川に沿って古いお店が軒を連ねる縄手通り。観光地っぽい雰囲気です。
どちらも古い建物そうです。このような古い街並みを歩いていくと松本城がありました。
ここを今回の長野旅行のゴールと考えてもいいでしょう。思い付きで長野新幹線に乗って渋温泉に一泊し、猿を見て、長野電鉄で善光寺参りをし、日本三大車窓を堪能して松本に至る。ノープランにしては素晴らしい出来だと思います。
この松本城をしばし眺めた後、アルピコ交通のビルから発着する京王バスに乗り込み新宿へと戻りました。 一泊二日の秋の逃避行おしまいです。