【房総ワンマン】車体・機器違いの新区分!E131系80番台R11編成が落成

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千葉エリアでは、2021年3月ダイヤ改正より新型E131系の投入とともに輸送体系の大幅な見直しが実施される予定となっています。

ローカル輸送の新しい標準形式として開発されたE131系ですが、早くも番台区分となるE131系80番台が登場しました。

房総方面ローカル輸送の世代交代

房総方面では、総武線快速電車・京葉線からの直通列車を除き、京浜東北線から転用された209系2000番台・2100番台が活躍しています。6両編成・4両編成が配置され、連結した8両・10両での運行も多く実施されてきました。

房総半島では、乗客数が比較的少ない南部(内房線君津以南・外房線上総一ノ宮以南)と鹿島線のローカル列車について、専用形式の投入によりワンマン化を実施することとなりました。

2021年ダイヤ改正で新型のE131系12編成24両が導入されることとされており、このうちR01編成〜R10編成が製造されていました。

最近発売された各社の時刻表3月号や駅掲示・各種プレスリリースなどを総合すると、E131系の導入とともに10両編成列車の8両化・6両編成の4両化などの減車を進めることとなります。

少なくとも列車番号3000番台が付与されている列車はワンマン運転の対象ですが、それ以外の4両ツーマン列車の一部にもE131系が運用されるかなど、時刻表からだけでは車両の動きの予想が難しいところです。

ただし、従来から4+4両の8両編成しか乗り入れない成田空港のホームドア対応工事をしていた一部の6両編成が4両化される動きも相次いでおり、今後数週間で白紙改正となった千葉エリアのダイヤ改正の全貌が見えてきそうです。

ダイヤ改正後は余剰車両・編成の動きがある他は、今後実施されることが組合資料等で示されている2024年度以降の千葉近郊へE233系が投入されるまではひと段落……でしょうか。

新造されたE131系80番台

今回登場したのは、E131系80番台の2両です。これまでの増備車と同様に幕張車両センターのR11編成とみられます。80番台を付与されているものの、編成番号は0番台の続番です。

従来車同様に総合車両製作所(J-TREC)新津事業所にて製造されていますが、これまで2編成ずつ落成していたところ、初めて単独出場〜そのまま単独で配給輸送となってとなっている点も特徴的です。

同編成は2021年2月24日に新潟エリアで試運転が実施されたのち、3月2日に京葉車両センターまで配給輸送(機関車牽引での回送目的の列車)されています。

この80番台の特徴は、線路モニタリング装置の搭載に関連した設計変更となります。

これまでJR東日本ではメンテナンス効率向上のため、営業列車で架線や線路の状態を監視して保守作業計画に役立てる機能を積極的に取り入れており、このうち線路モニタリング装置については新造されているE235系などだけでなく、在来形式にも各路線1〜2編成へ搭載改造を進めていました。

この改造では、床下艤装スペースを広く必要とするため、追加搭載改造は従来機器の移設などが生じていました。特に編成が短い4両編成では、2種類の検測機能(変位・材料)を分散配置することで対処するなどの工夫もされています。

今回のE131系80番台では、床下機器の配置の見直しで線路モニタリング装置スペースを確保した一方で、溢れた床下機器の一部を車体に搭載しています。搭載位置も運転台から3ドア目〜4ドア目ボックスシートの脇に設置される2名用ロングシートを潰す格好で、乗務員室周辺や車端部ではない点が興味深いところです。

外観からも、当該ドア付近の側面窓だけ長さが異なることが確認できます。

同じ千葉を走る新型・E235系1000番台では蓄電池搭載の電動車は屋根上に元空気溜めを搭載する構成とされていましたが、E131系80番台では保安装置(ATS)関係の機器が床下に見当たらないため、これらを車体搭載とされたものと思われます。

機器搭載スペースの制約から旅客乗車スペースを一部減らした設計は、103系・105系・115系の一部の冷房改造など複数の事例があります。

特に保安装置関連の機器を後付けした関係で乗務員室周辺に機器が迫り出す……といった車両は各地に見られますが、運転台周辺や車端部でもない場所となると、比較的珍しい事例と言えそうです。

E131系が今後増備される線区では、0番台同様に量産車と2編成の線路モニタリング装置搭載編成……といった増備体制が考えられそうです。

次の投入路線は鶴見線・南武支線?今後の展開考察

さて、E131系は房総エリアへの配置はもちろんですが、将来的に他路線への展開を強く意識した構成とされています。この点については計画の噂が出てきた頃からファンの間で注目されていました。

特に2両・3両編成の代替は、編成構成の都合から都心部向けの形式の編成短縮では対応出来ないため、E131系の投入先のヒントとなりそうです。

各種報道・組合資料などを総合すると、2024年度より京浜東北線・横浜線へE235系を投入することで、E233系1000番台・6000番台は他線区へ転用される計画となっています。

E233系の転用先としては、今回の房総方面(千葉近郊)の209系で残される千葉近郊のほか、205系が残存している仙石線、211系が運用されている高崎エリア・甲府松本エリアが組合資料に案として記されています。

これらの話題に出ていない205系の運用線区かつ、E233系の投入が困難な鶴見線・南武支線はE131系の投入先と考えるのが自然でしょう。209系以降の新系列電車では、踏切事故対策設計などの都合から先頭車化改造は実施されない傾向から、それ以外の代替方法はないと言って差し支えない状態です。

また、相模線の205系についても、E233系の転用かE131系の投入かが妥当な線区です。もともと短編成気動車が運行されていた路線性質を考えると、需要に応じて2+2両編成とする方が効率的と判断されるかもしれません。

このほか、現在は211系が配置されてE233系の代替が示されている中央本線についても、6両編成相当分はE233系・3両編成相当分は2〜3両のE131系で代替するのが適当にも思えます。両者の性質がある程度分けられていますので、千葉エリアのようにあえて2形式が投入されても不思議ではありません。

E127系で短編成ワンマンの下地がある点も後押ししそうなほか、2020年に実施された小淵沢までの試運転が実施されたこととも整合性がとれます。

E131系増備と深く関連するE233系の転用考察については別記事で記していますので、併せてお読みいただければ幸いです。

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