さよなら215系「湘南ライナー」① 【東海道線を駆け抜けた異色のオール2階建て電車】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


(東京駅で発車を待つ215系「湘南ライナー」)


2021年(令和3年)3月13日(土)ダイヤ改正で定期運用を終了する、異色のオール2階建て電車「215系」
215系電車は、1992年(平成4年)~1993年(平成5年)にかけて、10両編成4本(40両)のみ製造。211系の2階建てグリーン車をベースに設計。10両全て2階建てで、普通車の座席はボックスシート、グリーン車の座席はリクライニングシート。
デビュー当初は、首都圏のJR東海道線の通勤ライナー「湘南ライナー」等のほか、東海道線の快速「アクティー」(東京―熱海)にも使用されたが、東海道線では10両という短編成と、乗降に時間がかかる2ドアがネックとなり、快速「アクティー」からは撤退。
その後、一時湘南新宿ラインの列車にも充当されたこともあるが、現在は通勤ライナー「湘南ライナー」等及び波動用として活躍。
座席定員は10両1編成で1010名、在来線車両中、最大の座席定員を持つ車両。

現在、平日は、東海道線系統の朝夜の通勤ライナー「湘南ライナー」(東京↔小田原)と「おはようライナー新宿」(小田原→新宿)で活躍。その他の運用はなく、日中はずっと茅ヶ崎(神奈川県茅ヶ崎市)等の留置線で休憩。
通勤ライナーの運用がない土日祝日には、行楽列車として、JR中央東線の臨時快速「ホリデー快速ビューやまなし号」(新宿〜小淵沢)の運用に就くこともあった。

2021年(令和3年)3月13日(土)JRダイヤ改正により、現在、唯一定期運用を持つ「湘南ライナー」等が全廃になり、215系は活躍の場を失う。(※215系が、ダイヤ改正で新たに運行を開始する特急「湘南」に充当される可能性はない。これは、215系は座席がボックスシートであり特急列車に馴染まないことや、特急「湘南」に装備される着席サービスシステムは215系は未設置であることによる。)
215系唯一の波動用運用であった臨時快速「ホリデー快速ビューやまなし号」は2020年(令和2年)11月29日(日)の運行をもって廃止になった
JR東日本から正式な引退発表はないが、役目を終えた215系は、順次廃車になり終焉を迎えることになるそう。






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JR東海道線 藤沢駅ライナー専用ホーム
午前7時59分発、「湘南ライナー8号」東京行き

この「湘南ライナー8号」が停車しているライナー専用ホームは、東海道線の貨物線を走行する一部のライナー列車のために、藤沢駅茅ヶ崎駅だけに設けられたもの。

ライナー専用ホームは、ライナー列車(夜の下りライナー列車は「快速」列車扱い)が発着する月曜日〜金曜日の朝晩だけ開放されるが、それ以外の日時は常に閉鎖される。
もともと貨物線であり、毎日貨物列車が頻繁に通過するためでもある。

朝の上り「湘南ライナー」6号と8号は、東海道線の貨物線経由であるほか、終点の東京駅は、東海道線地上ホームではなく、横須賀・総武線地下ホームに到着する珍しいルートを走る。東京駅到着後は、総武線・錦糸町(東京都)の留置線に入り、少しすると日中の留置先である東海道線・茅ヶ崎(神奈川県)の留置線に向かう。

東海道線貨物線を走る215系が、東海道線旅客線と並走する姿を見られるのもあと僅か。




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※2021年2月8日(月)
東海道線 東京駅9番線ホーム
19時00分発「湘南ライナー3号」小田原行き



前面窓下に小さく「湘南ライナー」の表示


215系は、10両編成のうち、両端の各2両(1.2.9.10号車)だけ電動車(クモハ215形-モハ214形)となっており、残りの中間車(3〜8号車)はすべて付随車という、電車では珍しいプッシュプルの動力集中方式


1号車と10号車の両先頭車の階下は機械室スペースになっており、客室はない。









普通車は、4人掛けの向かい合わせボックスシート



オール2階建てだが、台車上の車端部だけ客室は平屋

2021年春のダイヤ改正では、215系・185系湘南ライナーのほか、特急踊り子号から185系も引退する。10両・15両などの案内板も見納め。


夜の下り湘南ライナーの東京駅と品川駅では、乗車口で係員によるライナー券の検札を行うため、乗車できる号車は限られている。係員がドアを手動扱いで開ける。

9番線ホームの乗車口案内板


10両編成中、グリーン車は2両連結

グリーン車のドアは普通車より幅が狭い。

グリーン車も、東京駅と品川駅では、乗車口で係員がグリーン券の検札を行うため、乗車口は一か所のみ。









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※2021年(令和3年)2月22日(月)
東京駅9番線ホーム、18時30分発「湘南ライナー1号」小田原行き

「湘南ライナー1号」は、東海道線貨物線経由で小田原に向かう。したがって、貨物線上にライナー列車専用ホームがない、大船駅、辻堂駅、平塚駅には停車してしない。

「湘南ライナー1号」の行程は、東京1830発ー品川1840発ー(東海道貨物線経由)藤沢1918発(ライナー専用ホーム)ー茅ヶ崎1924発(ライナー専用ホーム)ー小田原1943着

この日の「湘南ライナー1号」は、4編成ある215系のうち、215系NL-3編成(国府津車両センター)を使用。
①クモハ215-3+②モハ214-3+③サハ215-202+④サロ214-3+⑤サロ215-3+⑥サハ214-6+⑦サハ214-5+⑧サハ215-102+⑨モハ214-103+⑩クモハ215-103







行先表示幕を回転
「団体」

「快速」。
215系を使用する定期快速列車は、現在はもう無いと思われがちだが、実は、夜の下りライナーだけは、正式には、湘南(大船・藤沢)以遠は全車自由席の「快速」として運行されている。(ただし幕は「湘南ライナー」のまま)

「湘南ライナー」


普通車車内(車端部の平屋部分)。普通車の座席は全てボックスシート。

普通車の乗降扉



普通車車内(2階席)。天井は低いが2階建て部分の客室にも頭上に小さな荷物棚がある。

一部の車両には、ダブルデッカーライナーのマーク




3号車(普通車)と、4号車(グリーン車)の連結部。普通車(左)がボックスシートなのに対し、グリーン車(右)がリクライニングシートであることが分かる。
ちなみに、普通車とグリーン車の間の通路は、下りは大船駅到着前まで、上りは品川駅到着前まで原則鍵がかかり通り抜けはできない。





通勤時間帯は、2両連結のグリーン車も混み合う。

4号車グリーン車乗車口前で、グリーン券の検札

グリーン車は自由席のため、満席の場合は立席になる。その場合でももちろん普通列車グリーン券は必要。




発車間際になっても、まだグリーン車乗車口には人の列。


★現在、215系を使用する「湘南ライナー」等は次のとおり。(2021年(令和3年)2月末現在)

【下り】
湘南ライナー1号(東京1830→小田原1943)
湘南ライナー3号(東京1900→小田原2021)
湘南ライナー9号(東京2030→小田原2143)
湘南ライナー15号(東京2230→小田原2343)

【上り】
湘南ライナー6号(小田原658→東京813)
おはようライナー新宿24号(小田原709→東京833)
湘南ライナー8号(小田原722→東京848)



★動画(You Tube)
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★215系過去記事
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オールダブルデッカーの臨時列車「ホリデー快速ビューやまなし」【オール2階建て215系 ②】 



(続く)