勘の鋭い方ならタイトルでピンときたかもしれません。
北千住で五十肩の診察(注射とリハビリ)を受けて足が勝手に東武鉄道スカイツリーライン北千住駅の1番線ホームへと歩きだしました。
そして何を思ったか主人の私の意向には構わず急行・南栗橋行に乗り込んでしまったのです。
そして途中で下車して引き返そうとする私に抵抗して頑としてシートから立ち上がろうとせず、尻が呼応してシートに永久磁石のように吸い付いてどうにもならず、終点の南栗橋まで連行、さらに降りたホームの反対側に停車中の普通・東武宇都宮行へと拉致されました。
東武宇都宮行の電車は以前は毎日通勤でお世話になっていた東京メトロ日比谷線乗り入れ用の20050型と20070型を東武鉄道の北関東エリアのローカル輸送用に改造した車両で、20400型に改番されてワンマン化対応、乗降扉の半自動化による開閉ボタン設置、車内もリフレッシュされてシートも彼らを駆逐した70000系同様のモケットに取り替えられています。
20000系一族のうちVVVFインバーター制御となって後期に製造された20050型は8両固定編成のうち編成両端2両ずつの計4両が片側5扉車、20070型はすべての車両が片側3扉というスタイルでした。
東武鉄道日光線・柳生にて。
東武鉄道のステンレス車が巻いているマルーン帯から濃紺帯となり、前面に黄色い帯がアクセントに入る姿となって編成もバラされて4両固定編成に組成し直しています。行先表示器もフルカラーLED化されています。
柳生駅で下車して列車を見送ります。
乗車してきたのは20070型からの改造車。
柳生駅があるのは埼玉県加須(かぞ)市。
なお、加須駅は日光線ではなく、伊勢崎線にあります。
そしてひとつ浅草寄りの新古河駅も同じ加須市にあるのですが、渡良瀬川を隔てた茨城県古河(こが)市に由来した駅名で、JR東日本宇都宮線(東北本線)の古河駅は茨城県側にあります。
ひとつ東武日光寄りの板倉東洋大前駅は群馬県邑楽郡板倉町(おうらぐんいたくらまち)に所在する駅です。
そして、柳生駅付近には谷中湖という人造湖があり、渡良瀬遊水地と言った方が通りがいいかもしれません。
この遊水地の所在地は左岸が栃木県栃木市・小山(おやま)市・下都賀郡野木町(しもつがぐんのぎまち)・茨城県古河市、左岸が群馬県邑楽郡板倉町・埼玉県加須市という4県6市町に属しています。
この遊水地がなぜ作られたのかということはみなさんもご存知でしょうが、わが国初の公害事件として「足尾鉱毒事件」について学校で習ったことでしょう。
渡良瀬川上流の足尾町(現在の栃木県日光市足尾)の銅山開発により流域の群馬県や栃木県に甚大な鉱毒事件を引き起こしたもの…として習っていると思うのですが、その毒物を沈殿させて水質を改善させるために当時の谷中村(栃木県栃木市谷中)に遊水地が建設され、旧谷中村は湖底に沈むこととなりました。
わが国初の公害事件、そして上流から流れ出た毒物を沈殿させるために犠牲となった村…いわば暗い過去を背負っている渡良瀬遊水地ですが、皮肉なことにとでもいうか…結果的にはわが国の本州以南最大の湿地となり、多くの野鳥たちの生息地となりました。そして平成24年(2012年)7月3日にラムサール条約登録湿地となりました。
と、ここまで述べたら今回の記事のタイトルがネタバレしたような気もしますが…。
今回の訪問地は群馬・栃木・埼玉の県境が集まる三県境…いわゆる3密地帯(?)です。3県の県境が集まるところは他にもありますが、多くは山奥であったり海上や湖や河川の上だったりで、平地で容易に三県を踏破できる場所は珍しいということでテレビ番組などでも紹介されています。
柳生駅を背に歩きだします。
その前に…お昼を食べましょう。
駅前からすぐのところにある丸一食堂さんへと入ってみました。
実は、この三県境訪問にあたってもうひとつ画策していることがあったのです。
というのは、私は鯰(なまず)の天ぷらが好きで、利根川や渡良瀬川、荒川流域にあたる埼玉県の北部や中部、群馬県のうなぎや川魚料理を提供するお店ではわりと見かけるメニューなのです。
今回の三県境訪問にあたって駅から近いところにそういうお店がないものかGoogle Mapで調べたところ、駅からすぐのところにあるのをみつけたので、立ち寄ってみることにしたのです。
目的はなまず天麩羅定食かなまず天重だったのですが…。
テーブルの上に置かれた平日限定ランチタイムサービスメニューが目に止まってしまい、鰻も食べたくなってしまって口が勝手にAコースを注文してしまったのです。
次回へ続きます。