本格的な「畑」ジオラマ製作「あぜ道」簡単な作り方【鉄道ジオラマ】

本格的な「畑」ジオラマ製作「あぜ道」

鉄道模型Nゲージのジオラマにおける「畑」の作り方、少し本格的版です。
当方のジオラマは、固定式ではなく、分割式で保管・運搬が可能で、その都度、組み立てる方式になっております。
そのため、ボードとボードの繋ぎ目が、どうしても、目だってしまい、あまり、よろしくない状況が発生します。
そんな、すき間を、少しでも、わからなくするため、今回は、畑の制作を致しました。

畑の部分、水田の部分は、情景シートなどで、発売もされていますので、実際の畑面に関しては、市販品でも、なんとかなります。
しかし、そのまま、紙のペラペラシートを、ボードに張り付けても、その、畑の外側「境界線」部分が、ヘンな訳でして「あぜ道」的な盛り上がりが必要となってきます。
本来であれば、地面の高さが、あぜ道の高さとも言えます。
しかし、ボード地面を、わざわざ、畑や水田のために、掘り下げるのは非常に手間がかかります。
それだったら、極端な話、線路も、掘り下げて、地面とあまり高さが変わらないようにする必要性も、出てきます。


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KATOのNゲージレールで、高さが8mmありますので、これを1/150スケールではなく、実分換算しますと、1m20cmも高い訳です。
簡単に申し上げますと、都会でよくみられる、かさ上げされた線路の情景になっています。
都市部では、線路わきの道路から、電車を見たりしますと、もちろん、線路が高くなっている場合もありますが、畑があるような、郊外に行きますと、そんなに道路の高さと変わらない場合も多い訳です。
特に、駅の横にある踏切などでは、そうですよね。
そのため、本来であれば、線路も掘り下げるのが、適切な訳です。
線路や水田を、堀り下げるのではなく、逆に地面をかさ上げしても良いのです。
しかし、掘り下げても、かさ上げしても、その場合、線路の周りは、バラストを撒いて、段差を見えなくする必要もでてきます。

なんか、話がそれてしまいましたが、そのような理由もあり、今回は、地面の高さ、線路の高さなどは、そのままで、あとから畑を、追加設置するような場合における、畑の作り方になりますこと、ご容赦願います。


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今回り製作意図を、改めて確認しますが、分割式ジオラマのボード境界線に生じる、すき間を少しでも「隠す」効果を狙って作ります。
当初は、畑ではなく、建物を置いて街にしたり、大きな神社をセットすることも考えました。
しかし、ストラクチャー類は、調達費用も掛かりますし、多少、街のような情景は、すでに、他の場所に入っていることや、車両をカメラ撮影しやすいように、障害物をなくすと言う事からも、安値で作れる「畑」に致しました。

水田だと、作業も大変ですし、水源が無いので、つじつまが合いません。
そのため、安く制作できる畑にしても、少しでも、本格的な、畑の情景を目指してみました。

畑の素材

畑じたいを自作しても良いのですが、出来る限り簡単に済ますのがモットーですので、下記の津川洋行さんのを購入しました。
定価よりも、安くAmazonで売ってました。

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ちょうど、欲しかったサイズに近かったので、上記を選択したと言う理由もあります。
パッケージは下記のような感じです。

津川洋行 畑

これをもし、自分で作るとしたら、フォーリッジなどにボンドをつけて、ピンセットで、一直線に、チョンチョンと作って行く必要があり、気が遠くなりそうです。
津川洋行さんの畑シリーズは、結構、色々な種類が、発売されています。
同じ畑ばかりに、したくない時には、何種類が、購入すると良いです。

津川洋行 畑

下記が、作り方の説明です。

津川洋行 畑

それでは、まずは、基本的な畑の作り方です。

畑の作り方

あぜ道がある畑や水田にする場合、スチレンボードなどを「枠」として使用する感じが、簡単です。
今回は、ホームセンターの資材売場で売っていた「ザ・スリム」という、スチレン(スタイロ)の厚さ4mmを使用してみます。
4mmだと実際には、60cmの高さくらいと言えますので、ちょっと、高めかも知れませんが、余っていたスチレンが、これしか無かったので、採用しています。
下記のように、まず、シートを好きな形に、ハサミでカットして、その大きさよりも、数センチ大きなスタイロを用意します。

畑の作り方

今回、この撮影に使用した畑は、余った部分を使ってみましたので、三角形の形になっていますが、基本的な作り方の説明につき、ご勘弁願います。
この畑の断片を、型紙がわりにして、周りにカッターを入れて、スチレンを「くり抜き」ます。

ジオラマ「畑」の作り方

くり抜いたスチレンを、畑に、合わせてみると、下記のような感じです。
ただ、スチレンが、垂直になっているので、土のあぜ道を作る場合には、斜めカットを施します。

ジオラマの畑

カッターで、斜めに刃を入れていけば、思っていたより、スムーズに切って行けます。
ただし、カッターは「刃」が命ですので、ちょっとでも、切れ味が悪いと感じたら、刃を交換しましょう。
そのほうが、仕上がり状態が、よくなりますので、ここで、ケチッては、いけません。
下記のような感じになれば、OKです。

畑の作り方

なお、水田などの場合、近代的な水田ですと、淵は「コンクリート」で、垂直の場合もありますので、その場合には、斜めカットせずに、灰色塗装すればOKです。
非舗装のあぜ道の場合には、上記ように、斜めカットしたら、そのあと、塗装とパウダー撒きを行います。

塗装と、フォーリッジを撒く際に、あぜ道は、手で持って、作業できると早いので、まだ、ボードに固定したり、畑を、くっつけたりはしません。

塗料は水性アクリルの薄めの茶色系統が、良いと思いますが、そのあたりは、お好みです。
緑が多いあぜ道にしたい場合には、緑系の塗料で良いでしょう。

塗料を塗ったら、乾燥しないうちに、お好みの色のフォーリッジなどを撒いて、塗料を接着剤がわりに、固着させます。
※塗料が、乾く前に、パウダーを撒くことで、水溶性ボンドが不要です。


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塗装とフォーリッジを撒いた際に、あぜ道の「裏側」へも塗料がついたり、パウダーが付着した場合には、乾燥しないうちに、取り除いておいてください。
ボードを貼り合わせた際に、段差・隙間ができてしまうことを、最小限に防ぐためです。

あぜ道の作り方

それでは、あぜ道の作り方を、もう少し、詳しく記載したいと存じます。
今回、小生は、分割式ボードに、あと乗せして、保管時には、畑を、撤去するため、ボードに固定はさせません。
ヘラヘラの状態で、保管します。
ボードに固定させる場合には、両面テープを使って貼り、あぜ道の外側に、多少の隙間ができた場合には、水溶性ボンドを使って、バラストやフォーリッジを撒き、違和感が、出ないように処方すると良いです。

色々と試してみますと、今回は、畑のシートを、ほぼ、すべて使用して、少し、広い畑ゾーンを作る必要に迫られました。
大きくなると、スチレンも、それなりに、大きいのが必要なのですが、余っていた、スチレンを使いたかったので、くり抜くのではなく「繋ぎ合わせ」方式を取ってみることにしました。

スチレンボード

あぜ道にあるスチレンを、適当にハサミでカットして、畑の外側に、繋がるように、畑と合わせて、確認しながら、あぜ道パーツを用意していきます。

畑の作り方

下記が今回設置したい畑の全容でして、あぜ道のパーツを置きながら、確認し、形を整えていきます。
くり抜く作戦ではないため、この確認は、慎重に行えると良いです。

畑の作り方

そして、パーツとパーツは、テープにて「仮止め」します。
今回、あとで、貼る予定がある訳ではないのですが、貼る予定がある場合には、このように、薄い、両面テープだと、良いでしょう。、

テープで仮止め

仮止めがすべて完了したら、今一度、畑を合わせてみて、大丈夫か、確認しておきましょう。
確認OKでしたら、あぜ道を、カッターを使って、斜めに、カットをしていきます。
昔の畑のイメージでしたら、一直線にならないほうが良いので、少し、ゆがんでカットしても、問題ありません。

あぜ道の作り方

今回は、あぜ道を、繋ぎ合わせたため、どうしても「隙間」が生じてしまいます。
そのため、模型用の柔らかいパテ(Mr.ホワイトパテ R 低粘度タイプ)を使って、すき間を、埋めてみることにしました。
隙間にパテを入れるのは、固定させない、あと置き式の畑の為、強度を少し、持たせると言う意味もあります。
この低粘度タイプは、小さな隙間などに塗布しやすく、硬化すると、スチロール樹脂と同じような硬さになるので、余計な部分を、カッターで落としたりもできます。
溶きパテよりも、こっちの方が良いです。
なお、パテは、セメダインの臭いが、プンプンしますので、換気など、ご注意願います。

あぜ道の作り方

この作業では、低粘度タイプのパテを使いましたが、山など、大きな情景にて、発生した、もっと大きな、すき間だと、100円ショップで紙ねんどを購入して、水を紙粘土に追加て、少し、ドロドロ状態にして、パテがわりに埋めてたほうが、安上がりです。
なお、この作業では、あとで塗装してパウダーを撒く予定があります。
単純に、すき間を、わかりにくくするためですので、念入りに、パテの造形まではしていません。
ただし、もし、明るい塗装、明るい情景にする場合には、繋ぎ合わせ箇所が、目立つことがありますので、ある程度、きちんと、埋めたほうが良いです。
乾燥させる際には、全体がゆがまないように、平面に置いて、ところどころ、重しを乗せてみました。

パテ埋め

私、パテ埋めも、何もかも、ヘタなのですが、これで、問題ありません。
一晩など、パテが乾燥するのを待ちます。
次の日、パテが固くなったら、塗装して、フォーリッジなどのパウダーを落とします。
パウダーを撒くことで、つなぎ目箇所は、もう、どこだったのか?、ほとんど、分からないようになります。
人が歩く部分や、軽トラが走行する部分は、薄め(黄土色)のパウダーを落として、そのあと、周りに、緑系などのパウダーなどを落とすと、道っぽくなります。
下記では、先に、茶色バラストを真ん中に撒いたのですが、そのあと撒いた違うパウダーと、ほとんど同色になってしまいました。
あまり、ハッキリとは、色違いに、しないほうが、良いのですが、あまりにも、同色に見えてしまいます。

ジオラマ製作「あぜ道」

このままでは、人が歩くような部分との区別が、わからないため、更に改善しました。
歩く部分(中央付近)にあるパウダーを、毛が強い、筆にて、軽く、削り落としていきます。
適切な筆が無ければ、割りばしの先っちょなどで、軽く、ゴシゴシと、削っても良いと存じます。
今回、下地の塗装が茶色ですので、色は、そんなに、かわりませんが「削る」ことで、人が歩く箇所のように、踏み固まっているような、地面の表現にできます。

あぜ道の作り方ジオラマ

下記では、小さな水貯まりが、できる箇所を、2箇所、設けてみました。
そこだけ、強めに削って、ほとんど、下地の塗装を見せることで、水たまり風にもできます。

あぜ道の作り方

ただし、ここまで、細かいところを処方しても、実際に、ジオラマをみて頂けるギャラリーさんのほとんどは、気が付かないことでしょう。
写真を拡大表示しないと、水たまりがあると、わからないことと存じます。
この、畑を入れる分割式ボードは、組み立てると、幅2.4m、縦1.2mの大きさですので、畑は、ほんの一部に過ぎません。
小さいジオラマを造れは作るほど、細かいところは、こだわった方が良いですが、大きい場合には、そんなに神経質になることはないと言えます。
しかし、今回は、制作方法をご紹介もしていますので、水たまりを「強調」してみました。
下記は、泥水塗装したものです。

水たまり塗装

という事で、細かい演出は、このくらいにして、塗料の乾燥を待ちます。
前述もしましたが、あぜ道の「裏側」に塗料がついたり、パウダーが付着した場合には、乾燥しないうちに、取り除いておいてください。
なお、100円ショップなど、安いものは、塗料が染み込むと、しなってしまう(湾曲する)、スチレンもあります。
その場合、パウダーが固着するまで、軽く、ダンボールの板を、上に載せるなど、何か、対策をして、乾燥させると、良いかも知れません。

本格的な「畑」ジオラマ製作「あぜ道」

人形も、置けると、良いですね。
もう少し、周囲に、草を生やしたいとは存じますが、これで、分割式ジオラマボードの、繋ぎめ隠しが、1枚、完成しました。
ポンと、置くタイプの畑の「あぜ道」作り方でした。

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