KATOとTOMIXの違い
KATOは模型屋、TOMIXは玩具屋です。作ったNゲージの製品は、どちらもおもちゃとしての模型ですが、模型屋の作った模型と玩具屋の作った模型は、似ているようでもやはり違います。
さて、
前回に続き、いよいよ「Nゲージの複線間隔は27mmが実感的」の真相を探ることで、この違いを体験していただきます。
複線間隔27mm
複線間隔が27mmになる線路が存在します。ただし、道床付き線路ではありません。線路だけの線路です。
しかも、日本製ではありません。イギリス製です。輸入品、現地での価格も高く、取り扱う店も少なく、ほぼ手に入れることができません。
PECOという商標の製品です。線路関係だけ売っているわけではありません。車両模型やアクセサリーも扱っています。KATOやTOMYTECと同じ(英国型の)総合メーカーです。
KATOなどとの大きな違いは、カタログだけではなく、鉄道模型専門誌も発行しているという点です。月刊誌です。日本で例えるならば、TMSやとれいんやRMと同じです。出版部門も持った鉄道模型専門メーカーの老舗です。
TMS=鉄道模型趣味
RM=レイルマガジン ここでは
模型専門誌 RM MODELS
日本型の車両はおろか、線路もなかったNゲージ黎明期
1960代台後半になっても、Nの日本型はほぼ手に入りませんでした。模型店に関水の製品が入るとほぼすぐ売り切れました。入荷数が少なすぎました。数がたくさん必要な線路は全く見当たりませんでした。
関水がやっと日本型車両を出すと知ったTMSの発行元機芸出版社は、品薄のレール関係で支援することに決めましたが、自社生産は難しく、出版関係で付き合いのあるPECO(提携)のレールを、輸入元として販売することにしました。
そして、時は1969年8月末PECOの線路が、日本へ初上陸したのです。
日本型よ、どこへ行く
当時は、「Nは車両を作るゲージではない。」と、TMSは、言ってはみたものの全く日本型が発売される気配さえなく(関水はアメリカ型を国内でも発売してお茶を濁しているとファンは憤慨していました。)、しびれを切らしたファンが作った日本型車両制作記事(TMS254号 ’698月「9mm国鉄型を作って」谷伸輝)を載せなくてはならないほど切迫した状況でした。
関水=関水金属 商標がKATO
高級線路の仕様
直線や曲線レールは輸入されず、フレキシブル線路と各種ポイント類が発売されました。利益はほとんど見込まず、輸入原価で販売されました。
(それでもポイント1個で客車1両分ぐらい。電動ではありません。)
「使用上の注意」から
フレキシブル線路は高級線路であるため外観を重んじ,取付用孔はあいていない。…(略)…
一番高級な取付法は,前述の方法或いはピンを使わずにスパイク(70番レール用など)で枕木周囲を止め(接着と併用),これにボンドバラスト法(TMS230号)を使って道床を作ることである。
…(以下略)
高級は現在ならばファインと呼びかえればよいでしょう。枠付きのべニア合板にレールをピンで打ち付けるのが、当時の最も簡単なレイアウト(運転台)の作り方でした。
伝説誕生
TMS’69 11月号 No.257 ミキスト
(山崎喜陽)
★9mmゲージのレイアウトを計画している方も少なくないと思うが,…(略)…
★さらに細かいことをいうなら,従来のドイツやイタリーの9mm線路のポイントをつき合わせて渡り線を作ると、複線の間隔は30mmとなるが,これはヨーロッパ大陸のHOよりもスケール的とはいえ,やはりトイ・トレインに近い。…(略)…
実感的とは何か
数値的なもの
実測の一つの方法
航空写真などを使って手軽に調べることができます。
(google map)
実測との比較