西武鉄道の9000系の10両固定編成が先日消滅した。これにより、所沢車両工場で製作されたサハ(中間付随車)が無くなったとともに、日本国内から鋼製の10両固定編成が消滅したそうだが、これはあまり思いつかなかったとともに、「なるほどな」と思った。

 

9000系が誕生したのは1993(平成5)年。この前年から地下鉄直通用の6000系が製造を開始したが、それと並行する形で所沢車両工場で製造された。鋼製車両しか作れなかった、同工場の最後の新造形式でもあった。

 

1994.10.26 高田馬場

 

池袋線の車両というイメージが強いが、最初に製造された9101Fから9104Fは新宿線に投入された。車体は2000N系だが、正面の手すり靴すりといった部分は黒色になり、幕関係は6000系と同じものを使用しているため、遠目からでも違いは認識できた。足回りは101系で、最初は抵抗制御であった。尚、最初の2本はスカートも2000N系と同様の欠け取り部分が大きかった。

 

200611.18 所沢

 

その後、9105Fからは池袋線に投入された。所沢車両工場の製造能力の関係から、最初は4両編成で落成し、狭山線で暫定使用した後、10両編成になるという事が多かった。尚、画像の9108Fは最初からシングルアームパンタが装備された。

 

9000系は10両編成8本製造され、最終的には全編成池袋線の所属となる。

 

 

2007.3.25 所沢

 

その後、2003(平成15)年から4年かけて制御装置をVVVFインバーター(当時の新車だった20000系や10112Fと極力同じもの)に更新する。その際、前面貫通扉にステッカーが貼られた。尚、施工は最初の2本は武蔵丘車両検修場で行われたが、その後は東急車輛製造にて実施された。

 

2011.5.5 西所沢

 

2018.4.1 所沢

 

その後は戸袋窓が塞がれたり、ステッカーが剝がされるなどの小変化とともに、ラッピングも何編成か行われるようになった。

 

まずは9101F。西東京市出身の歌手・きゃりーぱみゅぱみゅのメジャーデビュー5周年を記念した「SEIBU KPP TRAIN」。2016(平成28)年6月より運行を開始。

 

その後、新宿線でも運行される。

 

終了後は装飾ははがされ、ピンク一色で暫く運用されたのちに廃車。

 

9103F。当初、京急が1000形1057編成を「YELLOW HAPPY TRAIN」と銘打って走らせたラッピングが西武鉄道の車両とそっくりという指摘を受け、京急が西武に企画を持ち込み、受けた西武鉄道が行ったのが「RED LUCKY TRAIN」と銘打って京急そっくりの塗装にしたのが、これ。

 

尚、ステッカーが剥がされるとますますそっくりに。

 

最後に9108F。こちらは3000系3015Fに施された、「L-TRAIN」を二代目として引き継いだ。レジェンドブルーの塗装に装飾が施された。

 

2017(平成29)年度から廃車が始まり、9106F、9101F、9107Fは全車解体されたが、9108Fからは9100-9200-9900-9000の4両は編成を組んでワンマン改造されたうえで多摩湖線に投入された。これは国分寺駅がホームドア設置対象駅となり、3ドア車両が入線できなくなるからで、

簡易的な改造を施したのちに、多摩湖線に投入された。

 

以降、9015F、9102Fも同様に改造され、現在、9103Fが改造中。そして、先ごろ、残っていたv9104Fも4両編成に組みなおされ、武蔵丘車両検修場に入場した。

 

今後は多摩湖線での活躍となるだろうが、改造内容からして、暫定使用の感は否めず、そう遠くないうちに再び別の車両に置き換わる気がしてならない。

 

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 鉄道ブログ 関東の鉄道へ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ