阪急電鉄 撮影 令和元年8月31日(土) | ふなたんのブログ

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令和元(2019)年8月31日(土),久々に阪急電鉄(以下,阪急と略)の撮影に行きました。

令和元年に誕生30周年を迎えたのを記念して登場当時の姿に近付けた神戸・宝塚線用8000系,京都本線用8300系などを撮影するためです。

神戸線,宝塚線の8000系は撮影出来ましたが,京都線用8300系は時間の都合で運用に入っていてもタイミングが合わず,もしくは運用に就いていなかったからか撮影出来ず次回の楽しみとして取っておくことにしました。

※:画像や説明は撮影時点のものであり,現在とは異なる点がある事を予めお断りいたします。

 

【8000系車両誕生30周年記念列車第2弾】

阪急は昭和64(1989)年1月1日より運行を開始した8000系(京都線用8300系は平成元(1989)年7月より営業運転を開始)が令和元(2019)年で運行開始30周年を迎えたのを記念して,1月19日(土)から4月16日(火)まで神戸線所属の8000編成に記念ヘッドマークの掲出(2月28日(木)まで),運行開始当初は前面にあった飾帯と「H」マーク,旧社章をステッカーで再現した記念装飾を施し運転しました。

好評により,「阪急8000系車両誕生30周年記念列車第2弾」として5月22日(水)から神戸線8000編成を皮切りに同月24日(金)より京都線8300系8300編成,同月28日(火)より宝塚線所属の8004編成に記念ヘッドマークの掲出と記念装飾を施し運転を開始しました。

記念ヘッドマークは9月30日(月),記念装飾は11月1日(金)までが予定されています。

 

▲8000系8004編成,「急行 梅田」行。5月28日(金)から「阪急8000系車両誕生30周年記念列車第2弾」として宝塚線でも運行を開始した8000系建造当時の姿を8004編成に再現しました。同編成の前面窓下部分に飾帯を添え側面に「H」マークと旧社章を復元しています。

 

宝塚本線石橋駅-池田駅にて

 

▲梅田駅を出発し宝塚駅へ向かう8000系建造時当時の姿を再現した8004編成,「急行 宝塚」行。8000系は平成3(1991)年度新造車8006編成から前面の飾帯が無くなり,飾帯取付車両も順次飾帯が撤去されました(撤去時期は不明)。8000系は宝塚本線の初詣臨時特急でデビューしたので今回約25年ぶりに飾帯を取付けた8000系が宝塚線に戻ってきたことになります。

8004編成は平成2(1990)年度の新造車で飾帯を取付けていた時期は数年と短く約二十数年ぶりの登場当時の姿に近くなりました。制御装置・モータは平成30年に,前照灯がLEDにそれぞれ更新されていますが,冷房装置は交換されていないので比較的登場時に近い姿と思われます。

 

宝塚本線服部駅-庄内駅にて

 

▲雨が降りしきる中,梅田駅へ向けて疾走する8000系8000編成,「特急 梅田」行。8000編成を使用した「8000系誕生30周年記念列車」が好評だったために第2弾も行われることになりそのトップを切って5月22日(水)から再び登場当時の姿に近づいた8000系のトップナンバー8000編成。

 

神戸本線神崎川駅-園田駅にて

 

▲8000系8000編成,「特急 新開地」行。前照灯・標識灯の両方ともフル点灯で走行する8000編成「8000系車両誕生30周年記念列車」。8000編成はデビュー時は宝塚線所属でしたが,平成7年1月17日早朝に発生した阪神淡路大震災により被災した神戸本線の復旧に際して5か月間神戸本線に貸出され6月12日の神戸本線全線復旧後は宝塚線へ返却されましたが,平成9年に8006編成と交換で正式に神戸線に転籍となり,以来現在に至るまで神戸線で運用されています。

 

神戸本線神崎川駅-十三駅にて

 

8000系8000編成8000の車体側面。乗務員室後部の側窓(小窓)上部に「H」マーク,車両番号右側の側窓下部に旧社章がステッカーながらも再現されています。「H」マークは昭和50(1975)年の2200系で初採用されて以来,運転台の主幹制御器(マスターコントローラー,自動車のアクセルに相当)ブレーキハンドルが一体となったT形ワンハンドルマスコンを採用している車両のシンボルとなっていましたが,平成4(1992)年9月1日の新社章制定に伴い取外されています。

 

神戸本線西宮北口駅にて

 

▲8000系8000編成,8004編成の梅田駅方先頭となる8000,8004にはデビューヘッドマークをイメージしたヘッドマークが掲出されています。

 

宝塚本線石橋駅-池田駅にて

 

▲8000系8000編成,8004編成の神戸三宮駅,宝塚駅方先頭となる8100,8104には「H」マークと車両形式番号がデザインされたヘッドマークの掲出が行われています。

 

神戸本線西宮北口駅にて

 

【8000系 8300系】

8000系,8300系は阪急創立80周年を記念して同社初の量産型VVVFインバータ制御車で,神戸・宝塚線向け8000系は昭和63年12月に,京都線向け8300系は平成元年5月に登場しました。前面はこれまで阪急になかった額縁デザインと大幅にモデルチェンジが行われ,京都本線特急用6300系で採用された屋根肩部分のアイボリー塗装を初めて一般車でも採用するなど内外ともに阪急に新風を吹き込んだ車両の一つです。

8000系は平成8年度までに98両,8000系グループとなる8200系4両(2連編成2本を平成7年に建造。関西私鉄初の座席収納車として登場しましたが,平成19年度に固定式座席に改造),8300系は平成7年度までに84両が建造されました。

平成5年度以降は前面デザインが変更され,「くの字」形の半流線形となり,種別・行先表示幕が大型化されています。

神戸線に8連編成6本,2連編成4本の計56両と8200系2連編成2本の計4両が在籍,2連編成と8200系は平日朝ラッシュ時の10両用の増結車両として運用されていますが,前者のうち3本は7000系6連編成と連結し8両編成で運用,宝塚線に8連編成4本,2連編成は4本が在籍,2連編成は平日ダイヤ朝ラッシュ時の10両用の増結車両として運用されています。

京都線には8300系8連編成5本,6連編成6本,2連編成4本の計84両が在籍しています。6連編成は8300系または7300系2連編成と連結し8両編成で運用されています。

 

▲8000系8001編成,「普通 梅田」行。8001編成は神戸本線で最初の8000系として平成元年に投入されました。最初は6両編成で登場し同年3月より今津(北)線(西宮北口駅-宝塚駅)で営業運転を開始,同年6月に竣工した8601・8781が組み込まれ神戸本線で運用されるようになりました。

平成23年に8001・8101の前面額縁の高さ,形状を変更する改造(風圧が大きく車体汚れも著しいなどの問題が生じたため)が行われました。

平成24年8月8001に東芝が開発した1台の冷却器で4台のインバータ回路を冷却し1台の制御ユニットで4台の永久磁石式同期電動機(PMSM)を駆動する4in1VVVFインバータ制御装置(主回路素子には定格3,300V-500AのIGBT 2in1モジュールを使用),主電動機を定格出力190㎾の全閉扇PMSMを装備し実用試験が行われました。

平成28年7月には残る電動車3両のVVVFインバータ制御装置,主電動機も8001と同じ仕様に改造され,編成の全体の更新が図られています。制御装置の更新を行った4両は,形式変更が行われましたが車両番号は変更さていません。

冷房装置改良によりクーラキセもステンレス製に換装されています。

 

神戸本線神崎川駅-園田駅にて

 

▲8000系8007編成,「普通 梅田」行。平成3年度に建造された8両編成で宝塚線配置です。宝塚駅方の2両が扉間転換クロスシートとなっています。転換クロスシート車の連結はこの編成が最後となっています。宝塚線所属8000系の前面額縁部分は改造対象外となっています。

平日の朝夕時に阪急宝塚本線梅田駅と能勢電鉄日生中央駅間で運転される「特急 日生エクスプレス」に充当されるため能勢電鉄直通運転対応車として改造され能勢電鉄用列車無線と防護無線を乗務員室に備え,先頭車屋根上部にアンテナ2本装備しているのが特徴です。

 

宝塚本線石橋駅-池田駅にて

 

▲8000系8020編成,「特急 新開地」行。8000系の基本編成のうち唯一6連編成で平成4年度に建造されました。8000系の20番代は6連編成を表すもので山陽電鉄に乗入運用にも充当されました。8000系の基本編成としてはこの編成が最後の増備車となり,以降は増結用の2連編成のみが増備されました。平成7年度末に阪神淡路大震災で被災し廃車となった車両の代替として建造された8620・8790を組み込み8連編成となりました。

平成19年に8020・8120の前面の額縁部分が改造され合わせて車両番号が前面貫通扉から車掌台側窓下に移動しました。額縁部分はその後再改造が行われましたが,車両番号の位置はそのままとなっています。

 

神戸本線神崎川駅-十三駅にて

 

▲8300系8301編成,「普通 高槻市」行。平成元年度に建造された8300系の第2編成です。

前面額縁スタイルによる走行時には他の車両より列車風が大きく,車体汚れも著しいなどの問題が発生しその問題を解決するため,平成8年度に神戸線所属の8001編成の8001,8002編成の8102と京都線8300系8300編成の8300,8301編成の8401(画像の車両)の4両に試行的な改造が行われました。前面左右の窓下部分の厚みを高くし額縁との段差を小さくした形態となりました。顕著な効果は得られず,この変更は4両に留まりました。神戸線の車両は後に再改造が行われましたが,8300系の2両は現在もそのままで異彩を放っています。

 

京都本線十三駅-梅田駅にて

 

【7000系 7300系】

7000系は神戸・宝塚線用として昭和54年度から昭和63年度にかけて210両が建造されました。車体,基本編成などは6000系(後述)の設計を受け継いでいますが,性能的には6000系と大きく異なります。主電動機を150㎾複巻電動機とし,制御装置は界磁チョッパ装置を採用しています。昭和59年度建造の7021編成(6連)からアルミ車体となりました。

平成11年度からバリアフリー対応改造,平成13年度から平成15年度にかけて大規模工事が実施され,平成21年度より深度化したリニューアル工事として開始されています。平成28年度からリニューアル工事と併せ制御装置をVVVFインバータ制御化する改造も行われています。

平成29年度より2連編成から廃車が始まり6000系の中間車2両と組合せて能勢電鉄へ譲渡されています。

神戸線所属の7006編成が観光列車『京とれいん雅洛』に改造され平成31年3月より京都本線梅田駅-河原町駅間で快速特急として運転を開始しています。同時に京都線に転籍となりました。

撮影時点で神戸線に両,宝塚線に両が在籍しています。

 

7300系は7000系の京都線仕様とした形式で昭和56年度から平成元年度にかけて83両が建造されました。基本性能は7000系に準じていますが,制御装置や主電動機などの電装品は東洋電機製造製を使用,車体寸法は大阪市交通局(現 大阪市高速電気軌道Osaka Metro)堺筋線乗入規格に準拠していますが,将来の神宝京3線統一寸法を指向したものが7000系と異なります。

車体は昭和56年度建造の12両は鋼製ですが,昭和57年度建造の7302編成8連以降の車両はアルミ製となりました。阪急最初の量産アルミ車両です。

昭和61年度建造の7310編成6連のうち7310に東洋電機製のVVVFインバータ制御装置を装架し平成30年度まで長期実用試験車として使用されました。

平成元年度建造の8両7327編成2連,7307編成6連は最終増備編成で8300系就役後に竣工の為,8300系に準じた内装となっています。

平成20年度に7320編成(鋼製車・アルミ製車混成)が7000系,7300系のトップをきってリニューアル工事が施工されました。車体内装に加え前面デザインの変更を含む大掛かりな内容となりましたが,制御装置は従前のままです。

平成26年度からアルミ車8連のリニューアル工事が開始され併せて制御装置を界磁チョッパ制御からVVVFインバータ制御化されています。

平成27年度までに8連貫通編成のリニューアル工事が完了し平成30年度から2連+6連のリニューアル工事が始まり併せて8連固定編成に変更され,7000系・7300系で初めて運転台撤去のうえ中間車化改造が行われています。 7851が平成19年3月から休車となっています。

 

▲7000系7008編成,「特急 梅田」行が8000系8002編成,「普通 梅田」行と緩急接続を行います。平成22年度にリニューアル工事が施工された7008編成は,前面が8000系に似た大幅なデザイン変更,種別・行先表示器がフルカラーLED式に交換,界磁チョッパ制御装置等の更新ブレーキ受量器の追設により回生優先ブレーキ化,客室内装改良などが行われています。7000系・7300系前面デザイン大幅変更車は7007・7008・7320編成のみとなります。

 

神戸本線西宮北口駅にて

 

▲7000系7014編成,「特急 新開地」行。平成28年度にリニューアル工事が施工されました。阪急のリニューアル工事を多く手掛る「アルナ車両」ではなく「近畿車輛」でリニューアル工事が行われた事が特筆されます。リニューアル工事と併せ走行機器を神戸・宝塚線最新車両1000系に準じた4 in 1 IGBT-VVVFインバータ制御装置と主電動機はPMSMの採用により更なる省エネ化,低騒音化が図られています。

 

神戸本線西宮北口駅-武庫荘駅にて

 

▲7000系7015編成,「普通 雲雀丘花屋敷」行。平成29年5月19日付でリニューアル工事およびVVVFインバータ化が完成しました。宝塚線所属の7000系で初のリニューアル工事施工車で,宝塚・神戸寄先頭車で連結器下の電気連結器装備の車両としてもリニューアル工事施工は同編成が初めてとなります。7000系リニューアル工事,VVVFインバータ化車両の前面は車両番号を車掌台側へ移設,台枠部の足掛の大型化,前面貫通扉窓ガラスの大型化が行われています。

 

宝塚本線石橋駅-蛍池駅にて

 

▲7300系7325編成(2連)+8300系8311編成(6連),「準急 梅田」行。7000系・7300系の登場時からのデザインはこの姿です。7325編成は冷房装置の改良(除湿機能付き)が行われクーラーキセもステンレス製に変更されていますが,前照灯のLED化は行われていません。

 

京都本線南方駅にて

 

【6000系】

昭和51年から昭和60年にかけて130両が神戸・宝塚線向けとして建造されました。走行装置などは5100系に準じていますが電気指令式ブレーキを採用,車体は昭和50年登場の電機子チョッパ制御の長期実用試験車2200系(形式廃止)と全く同じとなっています。昭和51年登場の6001編成8連のうち6560,6570の2両は阪急最初のアルミ車両です。数々の試験を行った結果を踏まえ翌年には6000編成6連をアルミ車両で製造,同時に製造した鋼製車6561,6571と6560,6570とを交換し8連全部をアルミ車両で組成しました。6000系のアルミ車体はこの1本のみで本格採用は7300系からとなりました。昭和59年度建造の6670,6671,6680,6681は室内が7000系と同仕様となっています。試験の役目を終えた2200系10両を改造・形式変更のうえ編入し140両となりました。平成10年に山陽電鉄への乗入が休止されたこともあり,大半が編成替えのうえ宝塚線に転籍しました。神戸線系統は今津(南)線・甲陽線用ワンマン運転対応の3連編成,6両編成(3連(ワンマン運転予備車兼用)+3連)が配置されいます。

令和元年7月に6050編成(8連)の先頭車6050,6150の2両が7000系7090,7190に改番のうえ7000系に編入されました。

宝塚線系統は,6000編成の6600がアルミ車体の経年による変化を調査するため運用上余剰

となっていた6614と交換のうえ編成から外れ解体調査が行われ,調査終了後も復旧することなく平成23年に廃車となりました。大規模更新工事は6007・6015編成に施工されました。

平成26年に6002編成が能勢電鉄へ譲渡されました。1000系の増備により平成30年から4連に短縮された編成が,神戸線系統の伊丹線用として転籍しています。この際余剰廃車となった中間車は7000系2連編成と共に能勢電鉄へ譲渡されたほかは解体されています。

神戸線に両,宝塚線に両が撮影時点で在籍しています。

 

▲6000系6005編成,「急行 梅田」行。画像の6005編成は6006編成とともに先頭車前面の種別・行先表示器が大型化されているのが外観上の特徴となっています。また両編成とも能勢電鉄乗入対応となっています。6005編成は冷房装置の改良(容量は130500kcal/hにアップ)が行われており屋根上部のクーラーキセがステンレス製に交換されています。前照灯のLEDへの交換は行われていません。

 

宝塚本線石橋駅-池田駅にて

 

▲西宮車庫構内で入換運転中の6000系6004編成。平成30年7月に伊丹線用として転籍しました。転用に際して伊丹駅方2両(画像手前の2両)が電装解除され車両番号が6104→6154,6604→6694とそれぞれ改番されています。6694は床下機器は一部を除き撤去されパンタグラフは2基から大阪側は撤去され神戸側の1基のみとなっています。6154の補助電源装置へ給電する為に6694のパンタグラフを使用しています。

 

神戸本線西宮北口駅にて

 

【5000系】

昭和42年から昭和44年にかけて神戸線向けとして47両が建造されました。昭和39年登場の3000系と車両性能は同等ながら神戸線の電車線電圧が1500V昇圧後に登場したため3000系に搭載していた複電圧の機能は省略しています。台車は京都線3300系と同タイプのSミンデン式で空気ばね台車を履き8000・8300系までの標準台車となっています。更なる増備が計画されていましたが,冷房搭載の車両として製造されることとなり別形式となりました。登場時は冷房を搭載していなかったため昭和48年から冷房化改造が行われています。昭和52年以降の8連編成化に際しては2021系改造の2071系など12両を中間に連結しました。昭和63年から平成2年にかけて表示幕装置が設置されました。神戸線主力車両として今後とも長期間使用することを目的としたリニューアル工事が平成13年から平成19年にかけて実施されました。この際,編成中に連結していた2071系などは外され5100系中間車両5650形を同一仕様のリニューアル工事を行い5570形へ改番のうえ5000系に編入しました。車内設備を中心としたリニューアル工事で主な内容は,化粧板を8000系と同色,乗降扉は更に濃い色調とし高級感を演出,荷棚をポリカーボネイト製のボード形に交換,窓をパワーウィンドゥ化,ガラスを乗降扉を含めUVカットガラスに変更,乗降扉のガラスを下方に拡大し複層ガラスとし断熱効果を高めた,座席端部に袖仕切を設置,3色LEDスクロール式車内案内表示器を1両あたり3か所設置,一部車両に車椅子スペース設置,乗降扉開閉予告チャイムを各扉に設置,冷房装置を新型に取替て冷房能力と除湿能力をアップなどです。

外観は車体前面下部に排障器取付,前面貫通扉ガラスを下方に拡大,標識灯を角型としLED化パンタグラフをシングルアーム式に換装,屋根肩上部分をアイボリー塗装化などです。

平成28年から今津(北)線への転用が始まり,この際に6連編成に短縮され余剰となった車両は廃車となっています。

 

▲5000系5000編成,「普通 神戸三宮」行。撮影時点で神戸本線で唯一運用されている5000編成。リニューアル工事施工順序は7本目となります。

5000系リニューアル車は施工年度により内容が若干の変更が行われています。2ハンドル車では初めてアイボリー塗装の組合せとなりイメージを一新しています。在来形式を本格的にリニューアルした初の例です。この頃新造車の製造が見送られていた時期でもあり,最新鋭の8000系と同等の車内設備となり車両の体質改善に大きく寄与し,内装の色調変更は9300系以降の新造車や他形式のリニューアル工事にも引き継がれ以後の阪急の標準となりました。

 

神戸本線神崎川駅-十三駅にて

 

【1000系】

老朽化した従来車取替用として神戸線・宝塚線向けの新型車両として平成25年度に登場し現在も増備が続いています。9300系・9300系の開発コンセプト「すべてのお客様に快適な移動空間」を継承し「静かさ」と「省エネルギー」を追求,かつ製造コスト・保守コストを抑えた系列です。9000系に引き続き日立製作所製で,車体は同社が考案した「A-train」と呼ばれるアルミ合金大押出型材によるダブルスキン構体,アルミ構体の新しい接合技術「摩擦攪拌接合」(FSW),モジュール艤装を採用しています。安全対策としてダブルスキン部を乗務員室出入口部まで拡張,前面に梁を追加して強度を上げています。アルミ車体ながら全塗装が行われ,ダブルスキン+FSWの特徴である平滑な外板は阪急伝統のマルーン塗装をより美しく引き立てています。増結編成を連結しない単独8連での運転となる事から前面に幌を取付ける必要が無く長く続いたステンレス製の幌座は廃止され,桟板(渡板)も取付られていません。

車内は木目調の壁面にゴールデンオリーブという緑色の座席の色の組合せと阪急の伝統を継承しています。座席は9000系と同じく壁から支持する片持ち式で扉間は3-2-3人掛けとなり座席を区切る中仕切が入ります。座席端部は阪急初の袖仕切大型化とし縦手すり設置となっています。

バリアフリー設備として車椅子スペースを各車両に1か所,連結面間に転落防止幌取付,扉開閉予告灯およびドアチャイム,非常通報装置,1両に3か所乗降扉上部に32インチハーフサイズフルハイビジョン対応の大型液晶ディスプレイを設置しています。

側面窓は扉間は3連・車端部は2連のユニット窓を採用,3連窓の両端と2連窓の乗降扉側は開閉可能となっています。ガラスは薄緑色のUVカット複層ガラス。日除けはフリーストップ式のカーテンで,カーテン布地の上部は立客が車外を少し見れる様なものを使用しています。

走行装置は主回路にIGBTを用いたVVVFインバータ制御装置,全閉自冷式永久磁石主電動機(PMSM)を採用。PMSMを関西の私鉄で初めて採用。車内外の騒音の低減が図られています。高効率主電動機の採用,前照灯を含む全ての照明機器をLED化により既存車両(抵抗制御車)と比べ約50%の消費エネルギーの削減,前形式の9300・9000系と比較しても約20%の消費エネルギーの削減を達成しています。台車はボルスタ付きモノリンク式空気ばね台車です。

 

▲1000系1012編成,「普通 雲雀丘花屋敷」行。外観は阪急の伝統を踏襲しながらも先進性が採り入れられ洗練された洗練されたデザインとなりました。9300・9000系では冷房装置などが側面から見えない様にアイボリー色の板が設置されていましたが,これは廃止されています。9000系と同じく神戸線・宝塚線のどちらかの車両が検査入場やリニューアル工事で不足する時に貸出が行われる車両です。

 

宝塚本線服部駅-庄内駅にて

 

【ラッピング編成】

1000系1015編成,「普通 梅田」行。絵:あだち なみ氏,文:あいはら ひろゆき氏による人気絵本作品「くまのがっこう」と阪急電鉄のコラボ企画として,令和元年7月7日(日)から10月31日(木)にかけて神戸線1005,宝塚線1015,京都線1305の各編成が主人公のジャッキー号」となり特製ヘッドマークと車体装飾および車内にオリジナルストーリーの広告を掲出して運転しています。

 

宝塚本線石橋駅-池田駅にて

 

【参考文献】

・「阪急 新1000 車両アルバム.18」(レイルロード)

・「鉄道ピクトリアル」「鉄道ファン」各号