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神戸三宮駅の可動式ホーム柵は、大阪梅田方から「1-1・1-2・1-3・2-1・2-2・・・」の順で1番ホームは「8-3」までの24箇所、2〜4番ホームは「10-3」までの30箇所に開口部が設置され、それぞれが「阪急8両(1番ホーム)」、「阪急10両(2〜4番ホーム)」のドア位置・ドア番号と連動しています。

[1番ホーム]
1番ホームは大阪方からの入線、大阪・姫路両方向への出発に対応しており、ホーム柵は「山陽3・4両」「阪急8両」の2パターンに対応しています。最後尾検知センサーは大阪方に1箇所あるだけのため、全ての編成パターンでドア番号「1-1」が最後尾となるように列車は停車します。
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1番ホームの可動式ホーム柵関連機器類配置図(両数検知センサの位置は推定)

[2・3番ホーム]
2番・3番ホームは両方向からの入線・出発に対応しており、姫路方の場内信号機には「誘導信号機」も設置されています。最後尾検知センサーは大阪方の1箇所で、8号車・10号車にある両数検知センサーによって「阪急8両」「阪急10両」の2パターンに対応しています。
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2番・3番ホームの可動式ホーム柵関連機器類配置図



[4番ホーム]
4番ホームは両方向からの入線、大阪方面への出発に対応しており、少なくとも2箇所にある両数検知センサー(1号車・大阪方末端部)と2箇所(8号車・10号車)にある最後尾検知センサーの組み合わせによって「山陽3・4両」「阪急8両」「増結」「阪急10両」の4パターンで判定を行います。
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4番ホーム可動式ホーム柵関連機器類配置図(両数検知センサの位置は推定)

【組成パターンごとの可動式ホーム柵挙動】
[3両編成・4両編成]
入線したした列車は「阪急8両」の最後尾にあわせて停車しますが、8両編成用の両数検知センサが車両を検知しないためそのままではホーム柵が開きません。そのため、山陽電気鉄道の車掌は手動操作盤の「3連開」もしくは「4連開」のボタンを乗務中の編成両数にあわせて操作します。
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(画像)
山陽車4両編成の開扉操作、山陽車では自動でホーム柵が開放されないため、車掌は自車の停車位置が正しいかどうかを確認しつつ手動でホーム柵を開放する。開放確認後に乗降ドアを開ける。
・1番ホーム:1-1〜3-3(3両)・1-1〜4-3(4両)
・4番ホーム:6-1〜8-3(3両)・5-1〜8-3(4両)

[8両編成] 
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1番ホームは8両編成までしか入線できないため、1番奥の停車位置目標に停車すると自動でホーム柵が開放されます。
2・3番ホームは大阪方から入線すると手前の停車位置目標で停車すると8両用の両数検知装置と最後尾検知装置が車両を検知し自動でホーム柵(1-1〜1-8)が開放されます。
4番ホームは1番奥の停車位置目標に停車すると1両目の両数検知センサ・8両目の最後尾検知センサが車両を検知し自動でホーム柵(1-1〜1-8)が開放されます。
(画像)
8両編成を検知した状態の両数表示器

[10両編成]
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大阪方から2・3・4番ホームに列車が入線すると、もっとも姫路寄りの停車位置目標に停車すると、最後尾検知センサ(2・3番ホーム:両数共通、4番ホーム:10両用)と両数検知センサ(2・3番ホーム:10両目、 4番ホーム:1両目)が車両を検知し自動でホーム柵(1-1〜10-3)が開放されます。
(画像)
10両編成を検知した両数表示器

[増結運用]
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神戸三宮駅から10両編成となる「特急」は、4番ホーム大阪方から増結編成が先行して入線し、『増結2』の停車位置目標で停車します。その際に大阪方末端部の両数検知センサが車両を検知し増結作業用の動作パターンに切り替えられます。この状態で「誘導信号機」により姫路方から入線した8両編成は、「2-3」と「3-1」の間にある『増結8』の停車位置目標にあわせて停車することで最後尾検知センサ(10両用)と両数検知センサ(大阪方末端部)が車両を検知した状態となり「3-1」〜「10-3」のホーム柵が開放されます。8両編成が乗降ドアを開放すると大阪方2両を増結する作業を実施し、作業終了後に「2-3」にある手動操作盤で「増2開」のボタンを操作し手動でホーム柵(1-1〜2-3)を開放します。
(画像)
ホーム柵稼働開始前に撮影した4番ホーム姫路方末端部の「連8」表示

[車両側の操作]
車両側ではホーム柵が開放されたのを確認してから通常の方法で乗降ドアのドアスイッチを扱います。
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(画像)
運転士は運転士表示灯の「青」が点灯することで停車位置を修正する必要がないことを確認します。赤灯はホーム柵が開放されたことを示しています。

なお、通過する列車(回送・試運転など)については連動装置の受信した情報をもとにホーム柵が開かない設定(編成を検知してもホーム柵が閉まっているのと同じ状態を維持する)で動作するほか、何らかの理由でセンサーが車両を検知しなかった場合に備えて手動でホーム柵を操作するためのボタンが各列車の停止位置(阪急車の場合は編成前後・山陽車の場合は編成後部・4番ホーム10連(増結作業用)の増結編成用は編成前部)に設置されています。

[出発時]
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2番ホームはホーム柵開放時には常時乗降検知センサが動いているため、車掌は乗客の降車が終わり最後尾の乗務員室に入ってから乗降検知センサが「乗降客なし」の状態であることを確認し車両のドアを閉めます。その後、タッチセンサを使用してホーム柵を閉鎖します。

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それ以外のホームでは出発信号機が青(車掌用の合図灯が点灯)になると乗降検知センサが動作を開始し、乗降検知センサが「乗降客なし」の状態になったタイミング(当駅始発の列車は発車ベルが鳴り終わってから)を見計らって車両のドアを閉めます。その後、タッチセンサを使用してホーム柵を閉鎖します。なお、4番ホームに到着する山陽車の場合は乗客全員の降車を確認後、入換信号機の現示変更を待たずにホーム柵を閉める操作を行います。


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運転士はホーム柵の閉鎖を確認する「緑灯」、出発進行/出発注意・入換許可を意味する「出発信号機『青現示』『黄現示』・入換信号機『黄現示』」、ホーム柵と連動するATS速度照査「進行または減速」現示、車掌からの「出発合図」の4つを確認してから発車します。

参考:阪急におけるATS(阪急ATS)
ATS信号現示「進行」:阪急では『F』、山陽では『F(5000系)』
ATS信号現示「減速」:阪急では『70』、山陽では『65』

(画像)
1枚目:出発信号機が「赤」の時の4番ホーム車掌用表示灯
2枚目:出発信号機が「青」の時の1番ホーム車掌用表示灯
3枚目:ホーム柵閉鎖確認後の1番ホーム車掌用表示灯
4枚目:ホーム柵閉鎖確認後の4番ホーム運転士用表示灯
※神戸三宮駅で大阪方に折り返す列車が使用するもの
運転士・車掌用表示灯が両側に設置されているものは進行方向に関わらず表示灯の現示が連動する。

▼ホーム柵の概要▼


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