図書館で、昭和56年の鉄道ジャーナル誌を書庫出納してみた。
昭和56年までさかのぼると、当時の私にとっては読むのは難しい本で、写真だけを楽しみ、文章にはほとんど目を通した記憶がない。
それでも、時刻表や地図は低学年から慣れ親しんでいたので、駅名だけに関しては結構漢字が読めた。
ちょうど、185系の急行「伊豆」への投入が始まった時期。
その頃は、湘南色の在来車153系との併結も珍しくなかったそうだ。
「豪華な新車が来た!」
と喜びかけたら、後ろの修善寺行きが在来のボックスシート車でガックリてなことも多かったはず。
当時は側面のストライプは「ナウい」存在
東海道沿線では、当時、1号線沿線住民のビッグローカルイベントだった「箱根駅伝」の襷を連想した方も多かった。
そして、56年10月からは特急に格上げされ、否応なしに値上げされた。
新名称「踊り子」は物議をかもし、強く速いイメージは片鱗も無かった。
「伊豆の踊子」なんだから、送り仮名の「り」は要らないし、鉄道ファンは一瞬「振り子」特急かと思ったはず。
話は変わるが、鉄道ジャーナルのバックナンバーを掘り起こした大きな目的は
「地方交通線の(ローカル線)の実態を問題を現地に見る」のコーナー をすべて読破したかった。
昭和56年7月号の「越美南線」が第1号で、当時は緊急企画だったのが、令和になった現在もなお、形を変えつつ続いているのは素晴らしい。
沿線人口や断面輸送量、沿線バスや高校の所在など、細かいデータが豊富で、資料性が高い。
もし単行本化されたら、多少高くても絶対に自宅に備えたいところ。
そして、写真の片隅に写っている貨車や高校生の髪形や制服の古さが実に堪らない、ああ、タイムマシンが欲しくなった。
今から国鉄ローカル線に乗れるなら、それは、ヨーロッパ旅行よりも価値はあるぞ。
これは、平成最後の日撮影ですが・・・