みなさんこんにちは! わたかわです。
突然ですが、東京駅から横浜駅へ移動する時、みなさんなら何を利用しますか?
多くの人は、鉄道を利用するはずです。当たり前です。特に東海道線ならば東京~横浜駅間は約25分間で移動できますから、非常に便利です。
しかし私はふと思いました。
「東京~横浜を路線バスで移動してみたら、一体どれくらい時間がかかるのか?」
東京~横浜駅間は東海道線だと28.8km離れており、鉄道網の発達した首都圏、それも中心部では一般的に路線バスで移動するような距離ではありません。当然ながら直通で結ぶ路線バスもありません。しかし路線バス網自体はとても発達しているはずですから、何本か乗り継げば理論上東京駅から横浜駅へも移動できるはずです。
というわけで、実際に移動してみることにしました。なお緊急事態宣言下ではありますが、適切な感染予防対策を実施した上で検証を行っておりますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。
2021年1月26日(火)
さて、今回の検証のスタート地点である東京駅にやってきました。
既にJR・私鉄・地下鉄網が発達した東京23区内で路線バスに乗るという経験はなかなかしたことがありませんが、当然のように東京都内には路線バスのネットワークも複雑に構築されています。今回は丸の内駅舎側から出る路線バスを利用していきますが、そもそもこんな東京駅の目の前から路線バスが出ていること自体、あまり知られていなさそうな気がします。高速バスの場合は多くが八重洲口や鍛冶橋駐車場からとなりますもんね。
まず1本目は、東京駅丸の内南口13:28発の東急バス【東98系統】等々力操車所行です。東急電鉄の鉄道路線は東京駅には乗り入れていませんが、路線バスなら乗り入れているということで、まずはこのバスに乗車して途中の「魚籃坂下」まで移動していきます。
平日の真昼間ということで特に混んでいるわけでもなく、数名程度が乗車して定刻通り東京駅丸の内南口を出発。丸の内駅舎を車窓に眺めながらの路線バスの旅というのはまた新感覚で、とても新鮮です。
運賃は220円均一で、乗車時に支払います。
バスはまずJRの高架線に沿って南方向へと走り、東京国際フォーラムの前を通って皇居側に出ます。東京駅を出てまず最初の停留所名が「東京国際フォーラム前」ということで、いかにも東京らしさを感じるバス停にのっけから驚かされます。
その後は日比谷公園の東側を通り、日比谷通りから国会通りへ、そして経済産業省の前をかすめて虎ノ門ヒルズ方面へと走っていきます。窓の外に見える景色が「ザ・東京」と呼ぶにふさわしい建物ばかりで、見ていて飽きません。
そしてバスは東京タワーや慶応義塾大前を経由して、白金方面へと向かっていきます。東京タワーというと鉄道ファンの私は「大門駅」が最寄であるという認識ですが、実は東京駅から東京タワーまでこの路線バスを利用すれば乗り換えなしで来れるというわけですね。このように目的地によっては、路線バスの方がスムーズな場所もあるということのようです。
そしてバスは定刻通り、13:57に魚籃坂下へと到着。東京駅丸の内南口を出てから約30分程度かかりました。東海道線ならこの時点で既に横浜駅に到着しているくらいの時間ですから、既に所要時間では完敗ですが根気強く路線バスを乗り継いでいきます。
魚籃坂下は「ぎょらんざかした」と読みます。その名の通り、「魚籃坂」という坂を下りきったところにあるためこのような地名がついています。地下鉄の駅でいうと東京メトロ南北線・都営三田線の「白金高輪駅」がすぐ近くにあり、高級住宅地もそう遠くないと思われます。
それでは続いて2本目、魚籃坂下14:07発の都営バス【反96系統】五反田駅行へと乗車していきます。魚籃坂下では先ほどのバスと異なる位置に停車するため、一度交差点を渡って少し坂を下る必要がありますが、東京駅からの1本目のバスが定刻通り到着したので余裕をもって乗り継ぐことができました。ほぼ定刻通りに発車しましたが、車内は混雑していて先ほどの1本目とはかなり異なる様子です。運賃は210円均一で、やはり前払いとなります。
このバスは五反田駅行ということで、終点まで乗車していきます。車窓には昨年開業した新駅「高輪ゲートウェイ駅」も見えました。遠くからですが、やはり異様な雰囲気を放っています。
「品川駅高輪口」でほとんどの乗客が下車。わずかに乗車もありましたが、車内の混雑率はかなり低下しました。
品川駅を過ぎると大きく西向きに進路を変え、御殿山方面へと進んでいきます。山手線だと大きくUの字に回り込む印象ですが、それよりは若干ショートカットルートとなるため、品川駅から五反田駅へはあっという間です。
14:25に終点の五反田駅へと到着! バスの降車場はJRの駅入口目の前で、JRへの乗り継ぎにも便利そうです。
既に東京駅を出てからここまで約1時間が経過しています。東京駅から五反田駅まで1時間かけてやってくる人もそうそういないでしょうね。
ここまではまださほど疲れを感じることはありませんが、五反田駅では間髪置かずに次の路線バスへと乗り継いでいくことになります。先ほどの都営バス降車場からそのまま前方に進み、続いては五反田駅14:36発の東急バス【反01】川崎駅ラゾーナ広場行に乗車します。五反田から川崎まで直通するという東急バス屈指の長距離路線で、これに全区間乗車していくことになります。
このバスは東京都と神奈川県を跨ぐため、かなり運賃のシステムが複雑です。今回は全区間乗り通すので263円を支払いますが、一部区間のみで完結する場合は210円または220円の運賃が適用されます。なお、運賃は乗車時に前払いで支払うのみなので、乗車時に運転士さんに降車するバス停を告げた上でICカードを読み取り機にタッチします。いわば「信用乗車」のようなシステムです。
バスは定刻通り五反田駅を出発し、国道1号線を走っていきます。ちょうどこの区間は真下を都営浅草線が走っており、地下鉄駅の入口がちょくちょく車窓に現れます。都営浅草線は高輪台~西馬込駅間で国道1号線の真下を走ることになり、ちょうどその延長線上でまさに今乗車しているバスがさらに南へと走る形になります。
東急池上線と東急多摩川線の線路の下を立て続けにくぐったら、いよいよ多摩川大橋を越えて東京都大田区から神奈川県川崎市へと入っていきます。横浜在住の私は多摩川を渡る手段といえば東海道線、横須賀線、東急東横線、京急線あたりが多いのですが、バスで越えるのは何とも不思議な感覚です。
川崎市内をしばらく走り、ようやく終点の川崎駅ラゾーナ広場に到着。所定15:26着ですが、3分ほど早着しました。それにしても五反田駅から川崎駅まで所要時間約50分というのは、東京・神奈川のバスとしてはかなり長距離の部類に入るでしょう。
川崎駅前には「ラゾーナ川崎」という大型商業施設が鎮座しており、今回到着したバス停はちょうどJR川崎駅とラゾーナ川崎に挟まれた位置にあります。続いて乗車するバスは「川崎駅ラゾーナ広場」ではなく「川崎駅西口」のバスロータリーから出発するため、数分程度歩いて乗り継ぎます。駅前に2つ大きなバスロータリーが並ぶのは少し珍しい気がします。
さて、4本目にして最後のバスは、この川崎駅西口15:38発の横浜市営バス【7系統】横浜駅前行です。川崎~横浜も、東海道線ならわずか1駅、10分もかからない距離ですが、路線バスなら立派な1つの系統になってしまうんですね。運賃は220円均一、前払いです。
既に東京駅を出てから2時間以上が経過しており、そろそろ疲労も感じるようになってきました。東海道線なら東京~横浜駅間を2往復できるくらいの時間が経過しています(誰もそんなことはしないですが)。
バスはかなり混雑した状態で定刻通り川崎駅西口を出発し、すぐに国道1号線へと入ります。鶴見川を渡ってすぐのところにある「済生会横浜市東部病院」の敷地内へと入り、いったん建物をぐるっと一周します。「下末吉公園口」と「東部病院」の2つのバス停がこの病院敷地内にあるようです。
その後バスは比較的空いた状態で国道1号線を進み、子安を過ぎた辺りで再び線路と並走します。ちょうど横浜線が合流してくる位置とも近いので、手前にJR各線、その奥に京急が見えてきたらまもなく横浜駅となります。彼方にはみなとみらい地区のランドマークタワーも見えてきました。
そして16:29、ついに終点の横浜駅前に到着しました!
東京駅を出てから3時間、運賃は合計913円となりました。東海道線なら所要時間25分、運賃は480円ですから、路線バスだと時間は約7倍、運賃は約2倍もかかることになります。 おまけに3回もの乗り換えが必要な上、運行バス事業者は東急・都営・横浜市営の3事業者を利用するためフリーパスもうまく使えず、どうやっても東京~横浜駅間での移動に関して路線バスにメリットを見出すことは難しそうです。
ただ謎の達成感を味わうことができましたので、興味がある方は一度試してみてください!
最後に今回の乗り継ぎをまとめて掲載しておきます。
実際にはこれ以外にも東京駅→横浜駅を乗り継げるルートはいくつもあると思いますので、気になる方は是非調べてみてください。
東京駅丸の内南口13:28発→魚籃坂下13:57着
東急バス【東98】等々力操車所行(220円)
魚籃坂下14:07発→五反田駅14:25着
都営バス【反96】五反田駅行(210円)
五反田駅14:36発→川崎駅ラゾーナ広場15:26着
東急バス【反01】川崎駅ラゾーナ広場行(263円)
川崎駅西口15:38発→横浜駅前16:29着
横浜市営バス【7】横浜駅前行(220円)
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