子どもの頃から、地下鉄銀座線には、親に連れられて乗車する機会がありました。
途中の赤坂見附駅は、ホームを挟んで丸ノ内線の赤い電車を見ることができます。
東京では、あまり多くない、乗り換えの利便性を優先して方向別複線になっている赤坂見附駅の構造も興味深いものです。
しかし、子どもには、そのようなことに関心があるわけではなく、とにかく、見かけるたびに、あの綺麗な電車に一度乗ってみたい!と思ったものです。
当時丸ノ内線に使われていた車両は、
300系、400系、500系と呼ばれる、戦後アメリカの最新の技術を移植して日本のメーカーが製造した車両です。
Wikipediaにも、「赤地に白帯塗装、さらに白帯にステンレスのサインカーブ状の曲線を配していた。当時の鉄道車両は地味な塗装が多かっただけあって、斬新なものとして注目された。」とありますから、丸ノ内線を興味深く感じていたのは、私だけでなく、多くの人たちに期待と夢を与える存在だったようです。
このサインカーブという曲線のラインの名称は、それが何かを知らなくても、しっかりと頭に叩き込まれていました。
中学生になって、三角関数について学習するようになって、sineという数学用語に出会って、「あの丸ノ内線のサインカーブだ」と、すぐにつながりましたが、ついぞ「正弦曲線」のグラフの意味はわかりませんでした。
先日、大手町で半蔵門線から丸ノ内線に乗り換えて銀座に向かったときに、ホームに滑り込んできたのが、新鋭の2000系で、位置は違うけれど、白帯にシルバーのサインカーブが描かれた姿に接して、「東京メトロ、なかなかやるな!」と思いました。
伝統を大切にして、しかも戸袋窓に丸窓を取り入れている。前面は、最近流行の砲弾のような曲線…。
丸ノ内線は、途中、地上区間も走行しますので、明るいところで見てみようという思いが持ち上がってきました。
銀座からの帰りは、少し遠回りして、丸ノ内線に乗車し、池袋乗り換えで帰ることにしました。
御茶ノ水近辺を歩いてみるのも手ですが、安易に地上にホームを構えている茗荷谷駅で降りて、2列車ほど後の列車に乗り換える間にやってくる2000系の姿をホームで待ち構えることにしました。
やって来る車両は、偶然なのか、そのような車両運用をされているのか、わかりませんが、2000系と先輩の02系とが、交互になっていました。
02系は、1988年から1996年にかけて製造されていて、アルミ地金の車体から軽快感がありますが、搭乗から30年以上が経ち、そう遠くない将来、引退していくことでしょう。
2000系の丸ノ内線への導入は、2019年2月ですが、それに先立ち、2019年1月26日のダイヤ改正で、方南町駅のホーム延伸工事が完成(本線と同じ6両編成に対応)するなど、明るい話題が続きました。
丸ノ内線には、02系が廃車になる前に、2000系とすれ違う姿を御茶ノ水や四ツ谷あたりで捉えてみたいと思います。