大井川鐡道井川線(南アルプスあぷとライン)の乗車記です。
 
車両のことや、千頭駅~奥泉駅の車窓は前編 をご参照ください。


 
■アプトいちしろ駅
井川線の最大の見どころは、アプトいちしろ駅長島ダム駅の区間。
ここは90パーミルという、(ケーブルカーなどを除き)鉄道では日本一の急勾配を、アプト式と呼ばれる方法で上る区間です。
 
アプト式とは線路と線路の間に、ラックレールという歯車をかみ合わせるレールを敷き、そこに機関車の歯車を嚙み合わせて急勾配を上る仕組み🤔

そのため、この区間では専用の機関車を増結していきます。
 

 
停車時間があるということで、ホームの端で連結する様子を見学しました。
ミニ列車サイズとは異なる大きな機関車、それも電気機関車です。

2つの機関車の間の線路を見ると、既にギザギザのラックレールが敷かれています⚙️
 
 
ミニ列車の後ろに連結された専用機関車。
こうして見ると、大きさの違いがおわかりいただけるのではないでしょうか🙌
 
 
ラックレールを上から見ると、3本のレールになっていて、歯形をずらすように敷かれています。
このことで、スムーズに歯車がかみ合うことはもちろん、1本のラックレールよりも安全性も高いのだそう。
 
 

■長島ダム
アプトいちしろ駅を出発した列車は、ぐんぐんと登っていきます。
写真で見るとあまり、急勾配という感じはしないかもしれませんが、(アプト式ではありませんが)急勾配で知られる箱根登山鉄道でさえ80パーミル、JRで最も急な飯田線(赤木~沢渡間)でも40パーミルなので、その凄さがおわかりいただけるのではないでしょうか。
 
 
 
古い路線も趣がありますが、新しい区間でもこんな景色を見ていると「鉄道の旅」の良さをしみじみ感じます👍
 
 
車窓右手には長島ダムが見えてきます。
この区間は、長島ダムを建設する際に線路が水没してしまうために30年前に敷設された区間。

当時は廃線の危機もあったようですが、アプト式鉄道に線路を付け替えることになり、大井川鉄道井川線にとっては新たな観光も目玉ができたことになります。
 
 
90パーミルの急勾配を上り切った、長島ダム駅で列車は小休止。
ここで後ろに増結された専用機関車を切り離します。
 
 
長島ダムのダム湖は、接阻(せっそ)と呼ばれています。
どことなく白っぽく濁っているのは石灰岩の影響なのでしょうか🙄
 
 
長島ダム駅の次のひらんだ駅を出ると、井川線で最も長いトンネルを抜けていきます。
このトンネル内壁面には、20枚の写真が飾られ「井川線ギャラリー」と呼ばれています。
 
列車は減速しながら通過し、1枚ずつ見ながら楽しめます。
 
 
 
■奥大井レインボーブリッジ
トンネルを抜けると、列車はレインボーブリッジを渡ります🌈

レインボーブリッジといえば、東京のお台場の橋という方がほとんどだと思いますが、こちらのレインボーブリッジは東京のレインボーブリッジよりも早く開通しているというのが自慢のようです。
 
 
レインボーブリッジからは、ダム建設で付け替えされた廃線跡も見ることができます🙌
 
 
そして列車は接阻湖の湖上にある(厳密には半島状に突き出した対岸にある)、奥大井湖上(おくおおいこじょう)に到着。
ホームの一部は橋の上にあるので、湖の上の駅という表現も正しいのですが、、、
 
 
観光用に作られた駅なので、下車する人は観光客のみ。
奥大井湖上駅を、奥大井恋錠駅と読み替え、恋人の聖地とも化しているようです🥰
 
 
後日、奥大井湖上駅の詳細もご紹介します👋