石巻駅【宮城県】(石巻線、仙石線。2015年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
宮城県第二の人口を擁する港町・石巻市の中心市街地に位置する石巻線の主要駅かつ仙石線の終着駅で、当初の運営主体の違いから国鉄に一本化されてからも路線ごとに駅舎・改札口が分離されていましたが、1990年に統合されて名実ともに一つの駅となった、
石巻駅 (いしのまきえき。Ishinomaki Station) です。
 
 
駅名
石巻駅 (駅番号なし)
 
所在地
宮城県石巻市  
 
乗車可能路線
JR東日本:石巻線仙石線  
 
隣の駅
石巻線
小牛田方……曽波神駅 
女川方………陸前稲井駅 
 
仙石線
仙台方・あおば通方……陸前山下駅 
 
訪問・撮影時
2010年8月、2015年12月
 
 

石巻駅は地平駅で、南側に平屋建ての長い駅舎を有しています。駅舎の窓や壁面など至る所に石巻市ゆかりの漫画家・石ノ森章太郎氏(故人)の漫画に登場したキャラクターのイラストが描かれています。駅外と駅舎の間には段差がありません。
北側に駅舎・改札は存在せず、駅舎右側(東)にある改札外跨線橋で北側と連絡しています。
左側の高い屋根の部分に出入口と改札口があり、右側は業務用スペースで、左側はJR東日本系のコンビニ「ニューデイズ」が入居しています。
また、ロータリーを2つ有する駅前広場が整備されていて、右側(東)のロータリーはバスターミナルに、左側(西)のロータリーはタクシー乗り場と一般車送迎用になっています。
尚、以前は石巻線と仙石線の駅舎が分かれていて、現在の駅舎は当初、石巻線単独の駅舎でした。西ロータリーの左側に古びた仙石線の駅舎がありましたが、1990年に石巻線の駅舎に統合され、仙石線の駅舎は解体されました。
 
 

駅前の様子です。南を望む。後方に駅舎があります。
周辺は石巻市の中心市街地で、商店も多いですが、どこの地方都市も一緒で中心市街地に活気がない印象です。市街地には「マンガロード」があり、町おこしを図っています。「マンガロード」の先、約1.1km南東の旧北上川の中州には「石ノ森萬画館」があります。
正面に見える小高い丘は羽黒山で、山頂には羽黒山鳥屋神社が鎮座しています。
ちなみに海(石巻湾)は直線距離でも2.3kmほど離れていますが、約700m東に旧北上川が流れており、東日本大震災の時は津波が旧北上川を逆流して川が氾濫し、石巻駅と周辺も一時水没しました…。
 
そして駅の北側にも小さなロータリーがあります。駅北側一帯には住宅街が広がっています。
 
 

また、駅の南西側には「さくら野百貨店」(右奥の大きな建物)がありましたが2008年に閉店し、後に低層階は商業施設「エスタ」が入居して、現在は「イオン」が入居しています。そして高層階には2010年に石巻市役所が移転してきて、公共交通機関でアクセスしやすい市役所として注目を集めました(他に茨城県・土浦市役所が駅前の商業施設跡に移転した例があります)。
右手に石巻駅舎があります。
 
 

改札口の様子です。北を望む。後方に出入口があります。石巻駅の改札口はこの1ヶ所のみです。
交通系ICカード『Suica』などに対応の自動改札機が4台並んでいますが、幅広通路はありません。ちなみに『Suica』は仙石線方面および石巻線小牛田方面(小牛田駅以遠への通過利用のみ)でしか利用できず、石巻線の曽波神~上涌谷の各駅や女川方面、そして気仙沼線方面は利用できませんのでご注意下さい。
改札の右手前には『みどりの窓口』が、さらに手前には指定席券売機と自動券売機があります。尚、『青春18きっぷ』などをご利用の場合、有人通路は『みどりの窓口』に入って左側の精算所(改札内からも出入可能)を経由する必要があり、そこで乗車券類の確認が行われます。『18きっぷ』などで出場時は改札内から精算所を経由して『みどりの窓口』から出るルートになります。車いすはこのルートで入出場します。
そして改札の先には石巻線の3番線ホームがあります(段差なし)。仙石線・仙石東北ラインの1・2番線は左側へ進んだ先にあり(段差なし)、石巻線の4・5番線へは左にある跨線橋を渡ります(跨線橋には階段とエレベーターがあります)。
改札の手前左側にはコンビニ「ニューデイズ」への連絡口があります。
トイレと多機能トイレは、駅前広場西側の旧・仙石線駅舎跡(改札外)と、改札を入って右へ曲がった先の3番線ホーム東側(改札内)に、それぞれ設置されています。
 
 

また、改札口近くの3番線ホームには故・石ノ森章太郎氏の作品である「仮面ライダー」「サイボーグ009」のキャラクター像が設置されています。
 
 

3番線ホームの壁面に設置されている石巻線の駅名標です。電照式で、バックライトはLEDです。
JR東日本の標準デザインで、矢印の中央には石巻線のラインカラー(ピンク)が表示されています。
尚、石巻線と仙石線において駅ナンバリングは設定されていません。
 
 

石巻駅は、頭端式ホーム1面2線(仙石線)と単式ホーム・島式ホーム各1面の2面3線(石巻線)を併せ持つ、計2面5線の地平構造です。東西方向にホームが延びています。
仙石線の頭端式ホーム(1・2番線)は石巻線単式ホーム(3番線)の西側(小牛田方。写真左奥)と繋がっていて、1~3番線および駅舎・改札口と石巻線島式ホームの4・5番線は跨線橋で連絡しています(跨線橋はバリアフリーに対応)。
石巻線は写真左(南)の単式ホームが3番線、右(北)の島式ホームが左から4番線・5番線の順で、どのホームからも石巻線の小牛田方面、女川方面の列車が発着します。仙石東北ラインの女川方面へ直通する列車は上下列車とも3番線に発着します。また、3~5番線は非電化で、仙石東北ラインのハイブリッド気動車は入線可能ですが、仙石線の電車は入線できません。また、5番線の右(北)には側線が2本あります。
3番線が5両対応、4番線・5番線が4両対応で、使用されていない部分には柵が設置されています。各ホームとも幅は広くないものの一定の広さが確保されています。
上屋は3番線が小牛田方(前方)の3両分、4番線と5番線が全4両分に設置されています。
3番線、4・5番線ともベンチが設置されていて、3番線には飲料自動販売機とトイレ・多機能トイレも設置されています。
駅舎・改札口は3番線の小牛田寄り(左前方)、跨線橋は各ホームの小牛田方(奥)にあり、3番線の跨線橋左側には後述の仙石線2・1番線があります。
写真は3番線より石巻線・小牛田方を望む。
 
 

仙石線の1番線より仙石線・あおば通方、石巻線・小牛田方を望む。仙石線ホームは石巻線ホームの西寄りに設置されています。
両路線ともすぐに右へカーブして住宅街の中を北西方向へ並走します。左(南)が仙石線で右(北)が石巻線になります。この並走区間に石巻線から仙石線への片渡り線があり、女川直通の仙石東北ラインの列車や、仙石線の車両の工場などへの搬入・搬出、そして仙石線の陸前山下駅から南へ分岐して石巻港駅へ至る仙石線貨物支線を走行する貨物列車がこの渡り線を使用します。その後、渡り線の少し先で仙石線が左へカーブして両路線が分かれます。
 
石巻線は仙石線が分かれた後、引き続き住宅街の中を北西へ走りますが、北上運河を渡ると右へカーブして住宅地の中を北上し、やがて右手に旧北上川の堤防を見て走るようになります。その頃には田園風景の中を走るようになります。その後、旧北上川の堤防が右へ離れると国道398号石巻北部バイパスをアンダーパスして、曽波神社が鎮座する愛宕山の西側山麓を北上します。そして愛宕山が離れると住宅地の中に入り、曽波神駅へと至ります。
 
一方、仙石線は左へカーブして仙石線と分かれると築堤上を走るようになり、幹線道路(石巻市道)をオーバーパスして住宅街の中を西南西へ走るようになります。そして地平区間になると程なくして陸前山下駅へと至ります。当駅の先で仙石線貨物支線が左へ分岐して、石巻港駅へと至ります。
 
 

3番線より石巻線・女川方を望む。3番線ホームと4・5番線ホームの位置は多少ずれています。
この先、左へ右へカーブしながら住宅街の中を東北東へ走り、やがて築堤へ上がると旧北上川を渡ります。その後は右手にそびえる牧山に沿って引き続き住宅地の中を東北東へ走り、地平に下りると陸前稲井駅へと至ります。
 
 

こちらは仙石線の2番線に設置されている建植式の駅名標です。電照式ではありません。
右上には石ノ森章太郎氏のキャラクターが描かれていて、矢印の上には「マンガッタンライナー」が描かれています。
矢印の中央に仙石線のラインカラー(スカイブルー)が表示されています。駅番号は設定されていません。
駅名標の上部には観光客向けに石巻市中心市街地の案内図が掲示されています。
 
 

仙石線ホームは頭端式ホーム1面2線で、石巻線3番線ホームの西側(小牛田方)を切り欠いた形になっています
ホームは石巻線と平行(東西方向)で、石巻線ホームより概ね100mほど西側に設置されています。
左側に4・5番線ホームが見えており、1・2番線ホームの先に3番線ホームがあります。
ちなみに1番線ホームが3番線ホームに近い左側(北)、2番線ホームが3番線ホームから離れた右側(南)にあり、付番が3~5番線と逆になっています。原則として1番線が仙石東北ラインの仙台方面(HB-E210系ハイブリッド気動車が発着。一部あおば通方面の205系電車も発着)、2番線が仙石線・あおば通方面(205系電車が発着)です。1・2番線とも電化されています。
1・2番線ホームはギリギリ4両対応で、ホーム幅は比較的広いです。
上屋は終端方(写真奥)の2両弱分に設置されています。
ホーム上にはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
写真は終端方を望む。
 
 

1番線より終端方を望む。車止めがあり、ホームの反対側(写真右外)には2番線の車止めがあります。
1・2番線ホームは左奥の3番線ホームに段差なしで続いており、3番線に入って少し先の右側に改札口があります。4・5番線へは写真左側の跨線橋を渡ります(EV併設)。
尚、仙石東北ラインの女川直通列車は石巻駅手前の渡り線で仙石線から石巻線に転線し、石巻線の3番線に発着します(上下列車とも)。
 
 
あとがき
私が石巻駅で駅の外に出たのは2003年、2015年の計2度です。2003年は仙石線の乗りつぶしのため、そして東日本大震災から復旧後の2015年には仙石東北ラインなど各線の乗り鉄のため、駅の外に出てみました。電化路線の仙石線ホームは都会的な雰囲気を併せ持つ一方、非電化路線の石巻線ホームはローカル線の主要駅そのもので、二面性のある駅といった印象でした。駅前は市街地ですが、2003年時点で駅近くにあった「さくら野百貨店石巻店」は2015年の時点で小規模な商業施設「エスタ」と石巻市役所になっていたのは驚きでした。
 
東京からですと東北新幹線で仙台駅まで行き、地平の東北本線ホームから発車する仙石東北ラインの快速or特別快速・石巻行きに乗車して終点下車です。尚、仙石東北ラインの列車は毎時1本以下と本数が少ないため、間隔が開いた場合は仙石線地下ホームから発車する石巻行きにご乗車下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間10時間半程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東京まで東海道新幹線を利用して、東京駅から先は上記と同じルートで到達できます。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間6時間程度)。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、駅改札外にコンビニ「ニューデイズ」があるものの、駅前に気軽に入れる商店・飲食店はありません(居酒屋は多いのですが…)。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、石巻線および仙石線を乗り鉄の際は、石巻駅をスルーせずにぜひ一度は駅の外に出られてみて下さい!
 
(参考:JR東日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)